横浜流星がこの夏やりたいことは?佐藤浩市はあのスポーツ!映画『春に散る』舞台挨拶で

【2023年 8月27日 更新】

「浩市さんスタイルで来ました!」嬉しそうに明かす横浜に佐藤も笑顔

作家の沢木耕太郎氏がボクシングを通して「生きること」を問う同名小説を『ラーゲリより愛を込めて』の瀬々敬久監督が映画化した『春に散る』。その先行試写会が9日名古屋のミッドランドスクエア シネマで行われ、W主演を務めた佐藤浩市さんと横浜流星さんが舞台挨拶に登場。撮影秘話などを語りました。 ※以降敬称略

お揃いのハットでリンクコーデのふたり

会場いっぱいの大きな拍手と歓声に迎えられたふたり。佐藤が「お暑い中ありがとうございます。映画はもっと熱いです!最後まで楽しんで帰ってって下さい」と挨拶すると、横浜は「今日は浩市さんスタイルで来ました!」とリンクコーデをアピール。

会場からの「かっこいぃ~(はぁと)」の声に「ありがとうございます!」と笑顔で応えると「今日はひと足先に(映画を)みていただけることを嬉しく思います」と喜びを嚙み締めました。



本作は、佐藤浩市演じる40年ぶりに日本の地を踏んだ元ボクサーの広岡仁一と、不公平な判定負けから一度はボクシングをやめた横浜流星演じる黒木翔吾が、ひょんな出会いからタッグを組み世界チャンプを目指すストーリー。横浜は世界チャンプを目指す役どころだったこともあり、かなりのトレーニングを積んだという。撮影後には、プロテストに挑戦、見事C級ライセンスを取得したことも話題となっています。

テストを受けた理由を聞かれた横浜は、撮影中に周囲から様々な触発を受けたことを明かすと「(撮影が)終わって、舞台があったので、舞台期間中は(練習)できなかったんですけど、舞台が終わってから2か月間練習、(ライセンスは)形として残るので、自分の想いを証明するために挑戦しました!」と話し「たくさんの方のサポートのおかげで、無事に合格できたので、本当にみなさんに感謝しています」と感謝を口にしました。

これについて佐藤は「いま流星も言ってましたけど、撮影中には『お前、ちょっとやってみたほうがいいんじゃない?』とか…みんな半ば冗談ですよね。(彼が)どこまで本気にするかは別にして。レフェリーの人(世界戦のレフェリーも務める福地勇治氏)もボクシング監修の松浦くんも、心のどこかで『受けないだろうな』と思いながら言ってた訳で。

正直なところ、僕らみんなが思ってたのは、ボクシングのライセンスを取得してから撮影に挑むのであれば『わかるよね?』順序的に。一応、土産というか(ライセンスを)勲章にして撮影すれば、宣伝にもなるしね」と話すと、

「ただ僕がいつも言ってるのは『(ライセンスは)この男のケジメなんだな』ってこと。『春に散る』という映画をやった。『ボクシングが面白い!』というだけじゃなく、翔吾という男を演じた証、その役に対するケジメなんだな。決まったね!今のでね」と、茶目っ気たっぷりに笑い。これには横浜も「はい!決まりました」と続きました。

試合に出場とかは?

横浜「(即答で)ないです~。本当に、試合に出たいと思った時には、役者辞めます!そんな中途半端なことはできないです」と、命を賭けてボクシングに挑む役どころを演じたからこその言葉が飛び出しました。

「とにかく練習あるのみでした!」(横浜)
「ミット打ちは正直きつい…受けると全部肩の裏に衝撃が」(佐藤)

ボクシングのシーンを演じるにあたって準備したこと

佐藤「僕は引退したボクサーで、ほぼほぼ現役時代と変わっていないっていう役どころだったから、体型をキープするというのはありました。ボクシングについては、僕は9月ぐらいからトレーニングに参加して、撮影自体は11月下旬から12月。恵比寿にあるボクシングジムに通ってました。流星なんかは4月…」

横浜「はい。4月ぐらいから」

佐藤「やってて、それでも『足りない』『足りない』っていう気持ちが、こいつの中でわぁあああって出てくるのが、見ててわかるの。それで、一緒にミット打ちしてあわせたり、いろんなトレーニングメニューをやって、撮影に臨みました」

流星さんは、一般的なボクサーと同じようなメニューをされていて?

横浜「いや、足らないと思いました。もちろん、お芝居なので、それっぽくみせることは可能なんですけど、どこか自分の中でしっくりこないというか、気持ち悪くて…だから、その時できる限りのことをすべてやったし、それでも世界チャンピオンを目指すプロボクサーですから、観て下さる方に、説得力を持たせなくてはならないので、とにかく練習あるのみでした。」

ふたりが向き合うシーンについて…本気で?それとも?

横浜「ミット打ちって自分もやったことがあるんですよ。それこそ友人の那須川天心のキックを受けたりとかするんですけど、まぁ痛いんですよ。経験者でも痛いんで、それを浩一さんに受けて…もらうって…思うと…最初は躊躇する気持ちもあったんですけど、(浩市さんが)「本当に気にせず来い」「本気で来い」と言って下さるので、躊躇するのも失礼だし、躊躇してるのって絵にも表れるので、そこは、もう失礼にならないように、思いっきりいかせてもらいました!」

MC「それを受けた浩市さんは?」

佐藤「いや、それはきついですよ。今日は女性の方が多いから、伝わりづらいかもしれないのですが、例えば、プロ野球でブルペンっていうのがあるんですね。そこで投手が投球練習をする時は、受け取る球をキャッチャーがいかにいい音を出せるかで「いい球いってる」「いい球来てるよ」って送り出すんですね。それと同じで、ミット打ちにしても、いかにいい音を出すかが大事。気持ちいい音をさせてあげることで、いいパンチを打ってると思わせてあげる。そのためには、絶対に引いてはダメなんです。パンチに向かっていく。音をさせるために、鉄板みたいな硬いものが入っていて、結構ずっしりくるんです。受けると全部肩の裏に衝撃がくるので、かなりきつかったですけどね。

カットがかかると、監修の松浦くんの顔見て「どうだ?」って、顔見て「大丈夫」と頷いてくれたら、オッケーだなって思ってました」

「浩市さんはバラエティーがうまい!」(横浜)
「そんなこと関係なく全員男の子でした!」(佐藤)

共演して、お互いに新たに発見したことはありましたか?

横浜「新たな発見か~」

佐藤「バラエティーがうまい!」

横浜「そう、バラエティーがうまい」

佐藤「いや、もう、ホントに」

横浜「ついさっきまでロケしてたんですけど…後ろで浩市さんの背中みながら「スムーズに言葉がでてきてすごいなぁ~」って、自分口下手なんで「あぁ~スゴぉ~」と思って、(バラエティーも)確かに芝居だと思ってやれば、また変わるんだろうなとも思って、考え方もちょっと変えてみようかなと思えたんですよね」

佐藤「ストイックとか言っちゃうとチープな物言いになっちゃうから、あんまり言いたくはないんだけど。彼らは、僕自身もそうなんだけど、本当にこうまっすぐ(というジェスチャー)なんだよね。向き合っている作品に対して、意識の中で、どうやって自分のものにするか考えてる。僕らの時代なんていうのは「どうせお芝居だから」「どうせ映画なんだから」って見方がどこかあって、そういう風に見ていたけど、今はよりリアルになって、演じる側も、リアルな中で戦わなくてはならない。窪田くんも、坂東くんもそうだけど、リングに上がる時の真剣度、映画だから…では済まされないような緊張感もあって、僕はもうワンカットごとに「大丈夫か?きつくないか?」きついのは当たり前なんだけど、そういう風に声をかけながらも、見守るしかなかったです。」

映画の中で心残るこの一瞬は?

横浜「どのシーンも記憶に残るシーンだったんですけど、リングへの入場シーン。格闘家を志していた自分にとって、入場口からリングに入って、レフェリーの説明を受けて、第一ラウンドのゴングが鳴って始まるあの瞬間っていうのは…なんだろう…自分が成しえなかった夢を翔吾とともに叶えられた瞬間だったので、すごく印象に残っています。」

佐藤「あの入場シーンは自分たちが、これから花道を、我々がリングに向かう前に「よ~し行こうぜ!」って4人がこうパッと目を見て、よしってガッと行くところは、僕が62歳で、鶴太郎さんは66歳なんだけど、そんなこと関係なく全員男の子でした。」

横浜「向かってる方向が同じなので」

この夏やりたいことは?

横浜「『春に散る』を映画館に観に行きたいです!(にっこり)」

佐藤「そうね。夏休みに5回ぐらい?」

横浜「夏休みに5回ぐらいは!」

MC「今でも映画館に行かれたり?」

横浜「ありますよ!全然映画館行って観ることあるんで」

MC「周りの反応をみたり?」

横浜「あ~。そうですね。自分の作品の時とかは、みんなどんな反応してるんだろう?っていうのをかげながら見たりもしてます」

佐藤「意外と我々観てますよ」

横浜「そうですね」

MC「浩市さんは?」

佐藤「夏ですか?夏、もう63回目の夏ですからね。何をしていいかわからない。僕らが若い頃の夏と今の夏では、夏がちょっと違うじゃないですか。いまは大変だなぁと思うし、そういった中で、こんな暑い中ゴルフなんてやるバカいんのか?と思ってたら俺でした(笑)」

横浜「大丈夫ですか?熱中症とか」

佐藤「怖いですよ。直前まで普通にお喋りとかしてたのに、突然バタンと倒れて救急車。みなさんも熱中症にはお気をつけ下さい」

最後に横浜が「純粋に楽しんで、終わった後、みなさんの心に何か残ったらそれを周りの方に伝えてくれたら嬉しいです」とアピールすると、佐藤も「最後のボクシングのシーン、瀬々監督は音楽を一切入れませんでした。普通であれば、盛り上がるシーンですから、音楽を入れたくなるもんなんです。そのほうがやっぱり伝わるから。それでも瀬々敬久監督は、モニター越しに彼らの試合を見て、あの演出を決断した。映画を、観るときっとみなさんにもわかっていただけると思います。どうぞ楽しんで帰って下さい」と締めくくりました。

映画『春に散る』は8月25日より全国公開です。

撮影こぼれ話

「今日は浩市さんスタイルできました!」とリンクコーデを嬉しそうに明かし、舞台挨拶中何度も浩市さんの目を見て語っていたのが印象的な横浜さん。写真は、フォトセッション中のヒトコマなんですが、パンチを繰り出す浩市さんに気づくと瞬時にパンチを受ける顔に。撮影、取材、そしてキャンペーンと一緒に過ごす中で、ふたりの間には、仁一と翔吾さながらの強い絆が生まれているように感じました。また舞台挨拶冒頭で、同い年である瀬々敬久監督いじりを楽しそうにしていた佐藤浩市さん。同時に監督の強い想いも代弁しているのが印象的でした。公開は、夏の終わりだけど『春に散る』ぜひ、大きなスクリーンで、その想いを受け取って下さい。

取材・文 にしおあおい (シネマピープルプレス編集部

【動画】ふたりが夏休みにやりたいことは?

佐藤浩市さんと横浜流星さんが名古屋で爆食旅?

先に行われた名古屋の舞台挨拶で、ロケ撮影でのエピソードを披露していたふたり。その番組がTBS系(名古屋はCBCテレビ)の「バナナマンのせっかくグルメ!」と判明。8月27日に放送されました。人気の老舗洋食屋「キッチンひらき」のカニクリームコロッケ定食と「かつ丼 あらた」の超極厚カツ丼を爆食!

佐藤浩市さんの自他ともに認める「バラエティーのうまさ」がスパークしてましたね。

さて、この収録ふたりにとっては結構ヘビー級のロケだったみたいで、名古屋で行われた舞台挨拶では、こんなエピソードを明かしてました。

横浜「(今日は)堪能しすぎてしまって、今はもう何も考えられない。ねぇ浩市さん。やばいですよね」

佐藤「食べて食レポするという番組を撮影してて、二軒行かなきゃいけない」

横浜「二軒でしたね!」

佐藤「一軒目のおすすめが、かつ丼屋さんのかつ丼」

横浜「あぶらです!でも、すごく美味しかった!」

佐藤「二軒目は紆余曲折あって、決まったところが、カニクリームコロッケ」

横浜「あぶらです」

佐藤「それでまあ、最初のかつ丼屋さんで、僕は普通に180グラムのロースかつ」

横浜「それでも多いですけどね」とぼそり

佐藤「がのったどんぶり。流星はまぁ、あれだよ、300グラム。で、俺は意地悪だから「流星のご飯大盛りで!」」

横浜「そう!言うんですよ!それ言われたらもう…(食べるしかない)」

MC「そのあとにカニクリームコロッケだったんですね」

佐藤「正直言って(今日は)普段のキレがないです」

MC「先ほど、エレベーターの中でね、ふたりが、ちょっと、こうスパークリングのポーズをとってたんですけども、やれなかったですね~」

横浜「動けなかったですね」

番組のあのくだりがあっての舞台挨拶のやりとり。まだ見てないみなさん最新回はTverで無料配信してるそうなので、よかったらチェックしてみてください。

ちなみに紹介していたお店は

『キッチンヒラキ』カニクリームコロッケ定食

 

『かつ丼 あらた』ロースかつ丼並

 

 

春に散る タイアップキャンペーン in 名古屋 ※終了しました!

8月25日(金)まで、名古屋・栄にあるファッションビル ラシック にて『春に散る』タイアップキャンペーンが行われていました。1F総合インフォメーション横にラシック限定の等身大スタンディが展示されているほか、他の階にもパネルや衣装などを展示。館内に設置された3つのボクシンググローブを見つけて、キーワードを集めて応募する館内デジタルラリーも行われていました。皆さん、応募できましたか? ※イベントは現在終了しています。

 



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『春に散る』作品紹介

主人公は、不公平な判定で負けアメリカへ渡り40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、偶然飲み屋で出会い同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾。
仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えて欲しいと懇願。
やがて二人は世界チャンピオンを共に目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく…。

タイトル:『春に散る』
監督:瀬々敬久
原作:沢木耕太郎『春に散る』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
脚本:瀬々敬久 星 航 音楽:田中拓人
主題歌:AI「Life Goes On」
出演:佐藤浩市 横浜流星
橋本環奈 / 坂東龍汰 松浦慎一郎 尚玄 
奥野瑛太 坂井真紀 小澤征悦 / 片岡鶴太郎 哀川翔
窪田正孝 山口智子
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/harunichiru/
公式Twitter:@haruchiru_movie
©2023映画『春に散る』製作委員会

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