One Frame Theater Vol.17『線は、僕を描く』線と時間が走り出す

少しずつ木々も色づき、突き抜けるような青空が広がるこの季節。17回目を迎えるOne Frame Theaterは、そんな深まりゆく秋にピッタリ、水墨画の世界を描きあげる横浜流星さん主演の青春映画『線は、僕を描く』

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霜介がアルバイト先で出会ったのは?

横浜流星さんが演じる大学生の霜介は、ある日アルバイト先で、一枚の水墨画と出会います。

そして、ひょんな縁から「私の弟子になってみない?」と水墨画の巨匠、篠田湖山(三浦友和)に声をかけられ、水墨画の世界に足を踏み入れます。

戸惑いながらも、湖山の孫である千瑛(清原果耶)や、西濱(江口洋介)らと時間を過ごす中、筆先から生み出される水墨画の奥深さに魅了されていく霜介。

それは、心を閉ざし止まっていた霜介の時間が動きだすことでもありました。

 

筆先から伝播していく水墨画の世界

あらすじだけ追いかけると、少し伝わりにくいのですが、本作の主人公・霜介はある出来事から心に傷を抱え、深い深い悲しみの中で生きています。そんな中で、彼が出会ったのが水墨画。

湖山先生のもとで水墨画を学びはじめる霜介が、調墨するシーンがあるのですが、湖山先生からダメだしされながら、何度も何度も硯に水をたらし墨を磨るシーンが丹念に描かれます。そして、基本となる春蘭を時間を忘れて夢中になって描く。何枚も何枚も何枚も。

そのあと、彼がある行動をとるのですが、その行動こそが、この作品の根底に流れるメッセージにもつながっているのです。

線は、僕を描く。

水墨画を通して、自分と向き合う登場人物たち。

それは、清原果耶さん演じる湖山の孫・千瑛も例外ではありません。

霜介のライバルとなる湖山の孫・千瑛を演じる清原果耶さん。彼女が水墨画を介して霜介と交わる中で変化していく姿にも注目です。

「祖父に認めてもらいたい!」千瑛もまた壁にぶつかりもがいていたのです。

そのふたりが出会うことで生み出される化学反応も本作の見どころのひとつ。

そして、もうひとつ忘れてはならないのが、結果的に霜介と水墨画を引き合わせた張本人、細田佳央太さん演じる親友・古前の存在。

彼が、半ば強引にバイトに誘ったことから、物語が動きだすのですが、霜介を見てるうちに彼も川岸(河合優実)とともに「水墨画サークル」を立ち上げるのです。

霜介の親友、古前を演じる細田佳央太さんは主演作ZIP!朝ドラ「クレッシェンドで進め」が放送中でブレイク待ったなしの注目株

水墨画によって動き出した霜介の世界が、水の入った皿にスッと広がっていく墨の模様のように、じわじわ周りの人たちにも広がり伝染していく。小泉徳宏監督は、映像と音でその広がりを繊細かつダイナミックにスクリーンに描きあげています。その広がりは登場人物だけにとどまらず、観ている私たちにまで広がるように。観終わったあと、うずうずするんですよね。水墨画の世界の美しさと躍動する魅力に心を動かされる…だけにとどまらない何かが。確かに心の中に宿るのを感じる、そんな映画になっています。

カッコいいの大渋滞が止まらない!

この作品、どの登場人物もカッコいいんですよ。三浦友和さん演じる、霜介を水墨画の世界に誘う湖山先生も、凜とした美しさで水墨画に向き合う清原果耶さん演じる千瑛も、姿勢が美しくて、そのカッコよさに魅了されるのですが、特筆したいのが、江口洋介さん演じる西濱さん。展示の設営から、庭の手入れ、食卓を彩る料理まで、テキパキとなんでもこなすスーパーマン感がすごくて、敢えて「さん」づけにしたぐらい。霜介と千瑛を優しく見守るその眼差しにグッときます。そして、霜介を演じた横浜流星さんが、水墨画を通して見せる表情に注目して欲しいです。彼が向けるまなざしは、どうしてこんなにも人を魅了していまうのか…。もちろん、一年半かけて、練習に練習を重ねた筆づかいや水墨画を描く所作の美しさやダイナミックな表現は…言うまでもないですね。

『線は、僕を描く』は、2022年10月21日(金)より全国東宝系にて公開中

【動画】『線は、僕を描く』世界一詳しいあらすじ!

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企画・構成・文 にしおあおい イラスト のらくら

作品紹介『線は、僕を描く』

【ストーリー】大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。白と黒のみで表現された【水墨画】が霜介の前に色鮮やかな世界となって拡がる。水墨画のさ巨匠・篠田湖山に声をかけられ、霜介は【水墨画】を学び始める。【水墨画】は筆先から生み出される「線」のみで描かれる芸術。描くのは「命」。霜介は初めての【水墨画】に戸惑いながらもその世界に 魅了されていく…。

作品名:『線は、僕を描く』
原作 :砥上裕將「線は、僕を描く」( 講談社文庫)
監督:小泉徳宏( 『ちはやふる』 『カノジョは嘘を愛しすぎてる』)
出演 :横浜流星
清原果耶 細田佳央太 河合優実
矢島健一 夙川アトム 井上想良 / 富田靖子  
江口洋介 /  三浦友和
配給:東宝
公式サイト http://senboku-movie.jp
公式Twitter @senboku_movie
公式Instagram https://www.instagram.com/senboku_movie/
©砥上裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

 

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