One Frame Theater Vol.16 ハリウッド映像化進行中?『コーヒーが冷めないうちに』

とある街の
とある喫茶店の
とある席には
とっても不思議な
都市伝説が…

その席に座ると
望んだとおりの
時間に移動ができるというのです…

今回のOne Frame Theaterは、深まりゆく秋にピッタリな一作『コーヒーが冷めないうちに』

不思議な喫茶店「フニクリフニクラ」を舞台にした物語です。

主演は有村架純さん。共演に伊藤健太郎さん、波瑠さん、林遣都さん、深水元基さん、松本若菜さん、薬師丸ひろ子さん、吉田羊さん、松重豊さん、石田ゆり子さんら豪華な顔ぶれが揃います。

さて物語の舞台となる喫茶店「フニクリフニクラ」を切り盛りするのは、深水元基さん演じる店主の時田流と有村架純さん演じる主人公の時田数。この喫茶店には不思議な都市伝説があり、その噂を聞いたお客さんがこの店を訪れます。

「私を一週間前に戻して下さい!」と数に話しかけているのは、波瑠さん演じるキャリアウーマンの二美子。どうやら彼女は、林遣都さん演じる幼馴染の五郎と、このお店で喧嘩してしまったみたい。「アメリカに行く!」という五郎に言いたいことも言えないまま、彼はアメリカに。

「戻れるんですよね?」

若干語気強めの二美子に

数は「戻れます!戻れますがルールがあります…」

と冷静に過去に戻るためのルールを説明し始めます。

どうやら、過去に戻るにはハードル高そう。

なぜなら、非常に「めんどくさい」ルールがあるから。

————–喫茶フニクラ————————————————

過去に戻ってどんなこと事をしても、現実は変わらない
過去に戻っても、この喫茶店を出ることはできない
過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの時間だけ
過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会うことができない。

————————————————————————–

無事、二美子は一週間前に戻り、五郎に会えたのでしょうか?

ちなみに、過去に戻るためのコーヒーを淹れるのは、店主の流ではなく数のほう。

ルールにもありますが、過去に戻れても、現実は変わりません。

変わらない

けれども…

というストーリーです。

ひとつひとつ丁寧に紡がれるエピソードの真実がわかった時、いろんな感情が襲いかかります。

前半では、お店を訪れるお客さまのエピソードが、後半では主人公・数の物語が紡がれます。

二美子と五郎のエピソードを目撃するのは、伊藤健太郎さん演じる大学生の亮介、吉田羊さん演じる店の常連客・八絵子、そしてもうひとり…事の成り行きを見守るのが、薬師丸ひろ子さん演じる女性です。大学生の亮介は「フニクリフニクラ」に通ううちに、数に次第に惹かれていく役どころ。物語にどんな風に絡んでいくのかも見どころです。

おっと、大事なことを。過去に戻れるという「ある席」にいつも座っている謎の女性を演じるのは、石田ゆり子さん。席をどいて欲しいからって、うっかり触れてしまおうものなら、呪いをかけられるのでご注意を。

原作は、2010年3月に初演した川口俊和さんの戯曲。第10回杉並演劇祭演劇大賞受賞作でもあります。

沖縄で舞台の公演も行われるみたいです。

原作者のTwitter @kawaguchicoffee 情報によると「ハリウッド映像化進行中」だそうです。楽しみですね。

『コーヒーが冷めないうちに』 @coffee_movie921 は現在、各配信サイトで配信中です。

企画・構成 にしおあおい イラスト のらくら


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