2022年11月1日に愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)にオープンする「ジブリパーク」連日、ニュースなどをにぎわせ、盛り上がりをみせていますが、その開園を記念して同じ愛知の地で、その誕生の舞台裏を紹介する「ジブリパークとジブリ展」が、愛知県美術館(愛知県名古屋市)で本日10月29日(土)より、開催されます。
28日には、開幕に先駆け、愛知県美術館にて開会式、内覧会、トークイベントが行われました。「ジブリパークとジブリ展」では、ジブリパークの制作現場を指揮する宮崎吾朗監督の、これまでの仕事と作品を振り返るとともに、ジブリパークをどのように考え、描き、つくっているのかを数々の制作資料とともに紹介。トークイベントに登壇した宮崎吾朗監督は「ジブリパークとジブリ展」の見どころや、4日後に開園するジブリパークについて語りました。
↑↑↑ 愛知県民デー 2023年2月27日の受付は本日29日23:59まで ↑↑↑↑↑ーー「ジブリパークとジブリ展」では、ジブリパークでは見ることのできない制作過程などが展示されています。印象に残っているものは?
「サツキとメイの家」は、2005 年の愛・地球博の時に建てさせていただき、ジブリパークのきっかけとなった。そういう意味では出発点です。そしてジブリパークの中で一番大きな施設「ジブリの大倉庫」。もとあった温水プールを改修したものなので、どのような造形にするのかといった目に見える部分も苦労しましたが、温水プールだった建物を残しつつ用途を(ジブリの大倉庫へと)作り替えていく部分が、設備面なども含め、最も苦労しました。一度更地にしてしまい、新たに建てる方が楽ではありますが、そうしたくはなかった。既にあるものを活かすということを最初から決めていたのであえて改修という形にしました。
ーー展覧会の展示物の中で、特に思い出の残っているものは?
僕がアニメーション映画作品に関わるきっかけになった作品は『ゲド戦記』ですが、改めてアニメーション映画を作るということと向き合うきっかけになったのは『コクリコ坂から』です。その時の方が苦労が多かったですし、考えることも多かった。高校生のラブストーリーである一方で、古い建物の取り壊しをめぐる話にもなっているので、この作品を作りながら、古いものを残す・残さないというのはどういうことなのかと考えました。若い頃は何でも新しいものが良く見えるものですが、こういう作品を作ったり、自身も歳をとる中で、安易に壊したり、形を変えたりするのは良くないんじゃないかと思いました。これは、「ジブリの大倉庫」を作るきっかけにもなっています。
ーー展示では名古屋独自のものも展示されているとか?
『アーヤと魔女』展の展示には、スガキヤのカップラーメンが置いてあります。実は『アーヤと魔女』の制作時期と、ジブリパークの制作時期が被っていて、同時進行で進んでいたんです。スガキヤのラーメンを食べながら、作品を作っていた、という感じですね。なみに、ジブリパークのグルメの中では、ナポリタンのおにぎりが一番美味しいと思います。カフェには味噌カツがのったピザもあり、それも意外とおすすめです。
ーー最後に、ジブリパークの開園を心待ちにしている方々、愛知県民へ一言メッセージをお願いします。
早く開園してくれないかなと思う一方で、本当に皆さんが来てくださるのか、楽しんでくださるのか心配な思いがあります。テーマパークであると捉えられていますが、僕としてはあくまで公園であってほしいとずっと思っていて。公園というのはまず地元の人のためのものではないかなと思っているので、誰よりも愛知県の人に愛されるものであってほしいですし、すぐに来られない方も、その“入り口”を覗き見る思いで、展覧会に足を運んでいただけたら嬉しいなと思います。
「ジブリパークとジブリ展」開催情報
会期:2022 年 10 月 29 日(土)~12 月 25 日(日)
会場:愛知県美術館(〒461-8525 名古屋市東区東桜 1-13-2 愛知芸術文化センター10 階)
開館時間:10:00~18:00 金曜は 20:00 まで (入場は閉館 1 時間前まで)
休館日:毎週月曜日(10 月 31 日は開館)
料金:
平日 一般 1,700 円 高大生 1,100 円 小中生 600 円
土日祝 一般 1,900 円 高大生 1,300 円 小中生 800 円
【MAP】愛知県美術館 アクセス方法
アクセスは、名古屋駅から 地下鉄東山線で「栄」駅下車 、徒歩3分(オアシス21から地下連絡通路または2F連絡橋経由)で愛知県芸術文化センター10階にあがれば入口に到着します。
ジブリパークとは?
ジブリパークは「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内に、スタジオジブリの世界を表現した公園施設。大きなアトラクションや乗り物はありませんが、森や道をそのままに、自分の足で歩いて、風や匂いを感じながら、いろんな秘密を発見する場所です。
11月1日にオープンするのは「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3つのエリア。ロボット兵にネコバス、子どもが楽しめるものから作品の秘密に触れる貴重な資料まで、お楽しみがいっぱいの屋内施設「ジブリの大倉庫」にはカフェやショップも併設、『耳をすませば』に登場した「地球屋」の世界を楽しむことができる「青春の丘」には、あの地球屋の古時計も、「どんどこ森」にある「サツキとメイの家」の裏手には、ジブリパークを見守るトトロの形をした「どんどこ堂」がたたずんでおり、訪れる人たちをスタジオジブリの世界観に包みこみます。
そして第二期となる2023年の秋には「もののけの里」が、さらに2024年3月に「魔女の谷」もオープン予定。楽しみですよね。
「ジブリパークとジブリ展」巡回情報
●長野会場(会期終了)
期間:2022年7月16日(土)~10月10日(月・祝)
会場:長野県立美術館
住所:長野県長野市箱清水1-4-4
●熊本会場
期間:2023年1月20日(金)~3月26日(日)
会場:熊本県立美術館
住所:熊本県熊本市中央区二の丸2
●兵庫会場
期間:2023年4月15日(土)~6月25日(日)
会場:神戸市立博物館
住所:兵庫県神戸市中央区京町24
●山口会場
期間:2023年7月15日(土)~9月24日(日)
会場:山口県立美術館
住所:山口県山口市亀山町3-1
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