サウジ日本合作アニメ『#ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』が起こした ちょっぴり粋なサプライズ!

サウジアラビアと聞いて、みなさん何を思い浮かべますか?石油?砂漠??イスラム教???実は、意外と日本への関心も高く子どもたちの間では日本のアニメやゲームが大人気。そこで、サウジアラビアのアニメーション制作会社「マンガプロダクションズ」が日本の「東映アニメーション」がタッグを組み、サウジ初の長編アニメーション映画『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』が生まれました。残念ながら名古屋での公開はありませんが、渋谷TOEIなどで公開中です。

舞台となるのは、太古のアラビア半島。主人公のアウスらメッカの民が、侵略者であるアブラハに立ち向かい、自分と仲間を信じる力で未来を切り開いていく姿をヒューマンドラマとアクションを織り交ぜ描き出したエンターテインメント作品です。

サウジアラビア発のアニメ。愛知県在住のイラストレーター周(あまね)さんも、サウジアラビアと日本の合作『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』に興味をもったひとりでした。作品の存在を知ったのは2年ほど前 NHKの放送で知ったのがきっかけでした。Twitterやインターネットを通じて、情報収集をしていた彼女は作品の情報が公式サイトで更新されるたびに、行きたい思いを募らせていきます。ところが、彼女の目に飛び込んできた公開劇場は東京と大阪のみ。緊急事態宣言も出るコロナ禍の中、行きたいけど行けない、観たいけど観に行けない、そんな葛藤と闘っていたそうです。

そこで彼女はハッシュタグ #TheJourneyMovie をつけ、楽しみにしている思いを伝えることに。ただただ公開を待ち望むファンの存在を知って欲しい。もう少し、公開規模を拡大して欲しい。無理なら、せめて配信とかディスク販売とか検討して欲しい。そんな思いで、ファンアートとともにこんなツイートをしたのでした。


ところが、このツイートがマンガプロダクションズの代表取締役のブカーリ・イサム氏のもとに届きます。そこから、事態は急展開。周さんのもとに直接ブカーリ・イサム氏から連絡が入り、ファンアートへの感謝と、1回限りの特別試写会に周さんをご招待するというものでした。連絡が来た時は「いや、もう噓でしょ~って 笑 噓でしょ~ 二度見どころか三度見四度見した」と言います。「だってCEO(Chief Executive Officer)ですよ。まさかマンガプロダクションズの上の方に届くなんて夢にも思っていなかったので、嘘でしょ~ですよ。主人に言ったら「こんなことあるんだ?」と大爆笑されました。本当に驚きました」と話します。

まるで、漫画のような展開に、インタビュアーの私も驚いていたら、イサム・ブカーリ氏からも直接コメントをいただきました。

マンガプロダクションズCEO イサム・ブカーリ氏のコメント

日・サウジ初の合作アニメーション映画「ジャーニー」の公開に際し、Twitter 上で「是非、東京・大阪以外でも開催してほしい」という、一ファンの方からのツイートを拝見したことがきっかけでした。
マンガプロダクションズに非常に興味をお持ち頂き、東京・大阪以外でも是非上映してほしいと、何度もツイートをして頂いたのですが、その様子は、まるで日本アニメが大好きな私自身やサウジアラビアの人々を思い起させるものでした。
「ジャーニー」の公開を非常に楽しみにして下さっていたこと、また素晴らしいファンアートをTwitter 上に掲載して下さったことも含め、日本や日本のファンの方々へ感謝の気持ちを表したいと考え、この度、1 回限りの特別試写会を実施することに決めました。
私から直接ご連絡をし、今回の特別試写会の件をお伝えしたところ、大変喜んで頂き、私どもも非常に嬉しく思いました。
マンガプロダクションズは、今後も日本はもちろんのこと世界中の方々に愛される作品を作り続け、コンテンツを通して世界中の人々の絆を深められるよう、努めて参ります。

ちなみに、マンガプロダクションズは、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が設立したミスク財団の子会社。アニメーションやゲーム、コミックの制作を通し、クリエイティブでポジティブなコンテンツを、アラブ地域はもちろん、全世界に届けることを目指しています。

話は、周さんに戻して、ちょっと気になっていたことを聞いてみました。それは、なぜサウジアラビア制作のアニメーションだったのか?「この作品に触れられることって貴重な機会だと思ってて、サウジアラビアが親日国なのは、もともと知っていたんですけど、自分の中では物理的にも遠い国で、知識的にも空白の国っていうイメージがあって、すごく煌びやかな国のイメージもあるけど、実際はどういう国かわからなくて。どうして、こんなに予備知識がないのかな?とまじめに考えた時に、そういえば子どもの時に中東の歴史や伝承の物語にほとんど触れてこなかったなと思ってて、あるとしたらた千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)やアラジンのイメージ、もしくはハクション大魔王ぐらいの話で、大人になってからも、イメージ先行のお金持ちの王族との恋物語とか、ラブロマンスを描いた作品はあったりするけど、正統派のサウジアラビアの国の歴史や信念、文化や宗教観みたいなものを描いた作品に触れたことがなくて、そこにあのキャッチコピー「日本人よ、これがアラブのエンタテインメントだ!」とカッコイイキャラクターたちがドーンと殴り込みに来て、単純にすごいと思って、日本人からするとサウジアラビアは宗教戒律が厳しいお国柄じゃないですか、だから気軽な気持ちで触れられないし、足を踏み入れることもできないけど、今回は、向こうから来てくれた。その自分たちの大事にする信念や国民性を描いた作品を日本の技術を使って表現しようと思ってくれたことも嬉しくて。そこは、ぜひ、この場で伝えておきたいなと」

 

『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』は6月25日(金)より、東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7にて限定ロードショー、7月16日(金)より渋谷TOEIで限定公開

奇跡を呼んだ映画ファン周(あまね)さんへのインタビュー

予告編

ひとりの映画ファンの熱意が、国境を越えて思いがけない奇跡を起こした今回の試写会。周さんいいお話をありがとうございました。

作品紹介

【ストーリー】アラビア半島を一つの脅威が席巻していた。アラビア半島を進軍してきたアブラハの軍隊が、貿易都市メッカを目指し進軍を続けているのだ。平和的な解決を望むメッカの民に、アブラハの軍隊から突きつけられた条件は、 あまりに無慈悲なものだった。アブラハは「カアバの神殿と聖なる石の破壊」「信仰を捨てること」 「奴隷になること」を要求。メッカの民は怒りに震え、戦うことを決意した。そして、アブラハと戦う志願兵の中に青年アウスがいた。アウスは期待される兵士の一人だが、実は人には言えない過去があった。アウスの人生は盗みに入った家で陶工のジュバイルと出会うことで大きく変わった。成長してジュバイルの娘ヒンドと結婚し、息子ワハブに恵まれる。アウスは、かつての罪の贖罪と、この幸せな生活を守るため、剣を取ることを決意したのだ。メッカの軍隊のリーダー、ムサブは先手を打つため、アブラハの軍隊に代表戦を申し込んだ。アブラハは、この戦いを受け入れ、こうしてアブラハの軍隊とメッカの民の戦いは始まった。アウスの、そしてメッカの民の運命は──?

『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』
監督:静野孔文 脚本:冨岡淳広
音楽:和田薫 キャラクター原案:岩元辰郎
出演:古谷 徹 神谷浩史 中村悠一 中井和哉 三石琴乃 黒田崇
エグゼクティブプロデューサー:ブカーリ・イサム  清水慎治 
スーパーバイジングプロデューサー:木戸睦 モハンマド・サラ 
脚本原案:ブカーリ・イサム  クーパ・ピータ アルマダ・アムル 
美術監督:渡邊洋一 宮野隆 川松由典(株式会社典樹) 
アソシエイトアートディレクター:モハンマド・サラ アルダフィーリ・モハンマド アーリフ・ファラ 
色彩設定:糸川敬子 撮影監督:荻原猛夫 泉津井陽一 編集:吉武将人 
配給:東映アニメーション ■配給協力:東映 上映時間:134分
【日本語吹き替え・英語字幕】上映時間:1時間50分
公式サイト https://www.journey.toeiad.co.jp
©2021 マンガプロダクションズ

取材・文 にしおあおい 

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