エリコのフォトdeシネマ♪ Vol.140『その鼓動に耳をあてよ』

救命救急の現場の全てを映したドキュメンタリー

『その鼓動に耳をあてよ』

昨日3/16(土)より
ナゴヤキネマ・ノイで公開中!

10代の頃から通ったミニシアター「名古屋シネマテーク」が閉館すると聞き、愕然とした昨年7月。
ところが、元スタッフの方たちが
改修工事を行い、新たな映画館をオープンさせようとクラファンを実施。
目標額を大きく上回る2700万以上を集め、3/16(土)に新しいミニシアター「ナゴヤキネマ・ノイ」をオープンさせました。

その記念すべきこけら落とし作品が、東海テレビドキュメンタリー劇場第15弾「その鼓動に耳をあてよ」。

今まで「名古屋シネマテーク」で
上映されてきた東海テレビドキュメンタリーの新作が、同じ場所の新しい映画館で上映されるなんて感慨深い。

この作品の題材になっているのは、名古屋掖済会(えきさいかい)病院のER(救命救急センター)。

名古屋生まれの名古屋育ちで、エキサイカイ病院はもちろん知ってたけど、お世話になったことはなく。
その成り立ちやERがあることさえ全く知らず。
そんな名古屋人ですら知らない事柄にスポットを当てる東海テレビドキュメンタリー、さすがとしか言えない。

エキサイカイのERが〝断らない救急”をモットーに、何件もの病院に断られた救急車を全て受け入れていることも、
年間の受け入れ台数は愛知県内随一の1万台で、最後の砦というべき存在だということも、
この映画で初めて知ってそれだけでも驚きだった。

そして医師が「救急で何でも診るの“何でも”には、社会的な問題も含まれる」

「究極の人相手の仕事」と表現していたように、運ばれてくる様々な症状の様々な背景を抱えた人たち、さらに過酷な仕事内容に反して病院内での立場は低く、未来も想像しづらいという、救急医を取り巻く環境や葛藤も映し出されているのが興味深く。

机に突っ伏して寝てしまうほど疲弊しながら、社会奉仕の気持ちで

全力で患者に向き合う救急医の方たちに尊敬と感謝が湧いてきた。

エキサイカイ病院、名古屋に存在してくれて本当にありがとう!

本作は「ナゴヤキネマ・ノイ」で、4/5まで上映されるので名古屋の皆様はぜひ!

他にも現在、公開中、これから公開される地域もあるので興味のある方は劇場へ。

東海テレビドキュメンタリー劇場版はソフト化、配信されないようなので。

https://nk-neu.com/

さて今回の写真では、ERを象徴するアイテムをピックアップ。

まずは電話の受話器。

電話を受けるとどんな場合も「受け入れます」と言うERの医師の言葉がとっても頼もしく。

一方でコロナの混乱で受け入れ不可能な事態に陥ったジレンマも、しっかり記録されていた。

そしてもう1つは書類。

劇中に出てくる治療費未払いの人の書類の束。

それぞれ事情があるとは思うけど、あの数を見てなんとも複雑な気持ちにさせられた。*

東海テレビドキュメンタリー劇場第15弾「その鼓動に耳をあてよ」

 

プロデューサー:阿武野勝彦 𡈽方宏史

監督:足立拓朗

音楽 和田貴史 音楽プロデューサー 岡田こずえ 撮影 村田敦崇

音声 栗栖睦巳 TK 清水雅子 音響効果 宿野祐 編集 髙見順

プロデューサー 阿武野勝彦 圡方宏史

監督 足立拓朗

製作・配給 東海テレビ放送 配給協力 東風

2023 年|日本|95 分|(C)東海テレビ放送

https://tokaidoc.com/kodo/

【X】@tokaidocmovie 【IG】@tokaidocmovie 【FB】@tokaidoc.movie


 

 

映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)

Twitter @onabe11
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!”不定期掲載

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