服部樹咲&岡崎紗絵が姉妹役で共演『BISHU〜世界でいちばん優しい服〜』裏話明かす

毛織物の産地として知られる尾州地域を舞台にした映画『BISHU〜世界でいちばん優しい服〜』の公開記念舞台挨拶が、13日先行公開中のミッドランドスクエアシネマで行われ愛知県出身の服部樹咲さん、岡崎紗絵さん、そしてふたりの父親役を演じた吉田栄作さん、西川達郎監督が揃って登場。印象に残ったシーンのエピソードなどを明かしました。以降、敬称略

本作は世界三大毛織物(ウール)の産地として知られる、愛知県一宮市を中心にした尾州エリアを舞台に、ファッション業界への夢を目指す高校生と家族の奮闘を描いた青春ストーリーです。

主人公で、高校生の史織を演じるのは、『ミッドナイトスワン』で鮮烈な印象を残し、これが長編映画初主演作となる服部樹咲。彼女の姉、布美を岡崎紗絵。ふたりの父親で、機織工場を営む康考を吉田栄作が演じ、家族の物語を丁寧に紡ぎだします。この日、木曽川、一宮、各務原、名古屋と目まぐるしい1日を駆け抜けた4人。

愛知出身の娘ふたりが神奈川出身の父に名古屋グルメ問う

TOHOシネマズ木曽川で吉田から「美味しいよ」と勧められ、みんなで食べた羽島ダンゴが「美味しかった」と振り返った服部は「お父さん、吉田さんに聞きたいのは、おいしいご飯屋さん。私も名古屋出身なんですけど…」と神奈川出身の吉田に尋ねる場面も、するとすかさず「イタリアンだったら、中区の…、でね魚なら」とスラスラ、同じく愛知出身の岡崎も、それを聞いてにこやかな笑みを浮かべていました。

そして、そんな服部と吉田との共演について聞かれた岡崎は「お父さんとのシーンはやっぱりクライマックス。布美は、妹に対しての嫉妬心があったり、家族の中でも小さい頃からのいろいろなことが積み重なっていて、ちょっとお父さんとの距離があるんですけれども、最後はグッと距離が縮まっていくんですね。そんな中で、吉田さんの包み込む力がものすごくて、お父さんの力を借りながら臨みました。

史織ちゃんはね、噴水のシーン。私も大好きなシーンで、布美は、史織ちゃんのこと応援してるけど、デザインに対しては嫉妬の気持ちもあるんですね。でも、あのシーンは、史織が開放的になっているシーンで、観ててグッとくるものがありました」と明かしました。

史織の残像が目の中に…そして涙が止まらなくなった

一方、吉田とのシーンで苦労したことを聞かれた服部は「夜の工場のシーン」を挙げ「あのシーンは、初めて父親に自分の意志を伝えるシーンで、史織がどれぐらい勇気を出して感情をお父さんに出せるのかとか、そのバランスを考えるのがすごく難しくて、ずっと前日まで悩んでいたんですけど、段取りの段階で出てきた感情を大切にしよう、もし感情が出てこなかったら、大きい声でお父さんに伝えようと思って臨んで、そしたら段取りで涙がバアアアアアって出ちゃったので、そのままでいこうと決めてやったんですけど、何度も何度もトライさせていただいて…1番苦戦しました」

すると吉田が「何度も、何度も、あきらめずにトライをする。その娘の姿を見ていたら、彼女の気持ちをずっと待ち続ける父のような気持ちになっていって、そこがリアルでした。工場の通路が、まるでファッションショーのランウェイのようで。機織のリズムで歩いて、ふっと去るんですけど、その残像が僕の目の中に残ったんですよ。まるで幻のように、それでもう涙が止まらなくなっちゃって、ひとしきりガーっと泣いたんですけどね。監督が全部バサッとカットして…」と裏話を。

西川監督は「あそこで泣くより、その後のシーンのセリフで感情が出て欲しいという思いがあったので、演出としてカットさせていただきました。」とコメント。

尾州の風景と史織のピュアで可愛らしい魅力に癒されて

最後の挨拶で西川監督が「生きづらさを抱えた史織ちゃんが夢に向かってチャレンジする姿を優しく丁寧に描いた作品です。遠慮せず、いろんな発信をしていただければ、この作品にとっての力になりますので、よろしくお願いします」と話すと、

吉田は「ぜひ、周りの方々にこの笑顔を広げていただければと思います。史織の成長物語ですけど、父親の成長物語でもあります。「いくつになっても成長できる」っていうメッセージも入ってますので、たくさんの方々に見て頂きたいです!」と力強くアピール。

続けて岡崎が「この作品は登場する人物が、みんな優しいんです。優しいからこその厳しさや、ぶつかって喧嘩しちゃうこともあるけど、それは愛の裏返しで。本当に、温かく。なんでしょう。温かい。温かい。言いたいことたくさんあって…」その言葉に大きく頷く吉田さん。「優しいからこそ、ぶつかっちゃうことって、人生生きてたらたくさんあるよな、そう思いながらこの映画を見ておりました。そんな映画に私は参加できて光栄です。ぜひ、大切な人とまた劇場に足を運んでくださると嬉しいです」と結び

ラストに「史織の成長物語でもあり、家族や友達の成長物語でもあるので、観終わったあと、こう背中を押してもらえる映画になっていると思います。ぜひ、私や史織と同世代の方や、親世代の方たち、幅広い世代の方々に届いて欲しいと心の底から思っています。あと、尾州エリア癒されるような風景と史織のピュアで可愛らしい魅力になんか癒されるんじゃないかと思うので、何度も観に来ていただいて、癒されてニコニコになっていただけたら、同時に尾州の魅力や作品の魅力も広まって欲しいと思っているので、みなさんよろしくお願いします。本日はありがとうございました」と締めくくった服部。

映画『BISHU〜世界でいちばん優しい服〜』は10月11日より先行公開中、18日より拡大ロードショーです。

取材・文 にしおあおい(シネマピープルプレス編集部

【動画】ヴィトルのビビッとくる映画『BISHU 世界でいちばん優しい服』服部樹咲さんインタビュー

作品紹介

世界三大毛織物(ウール)産地の一つである尾州地域に暮らす史織は、明るく誰に対してもフレンドリーだが、生活習慣へのこだわりが強く苦手なことも多い。ある日、史織が描いた服のデザインを見た親友の真理子の提案で、一宮市のファッションショーに出品することになり、史織の服作りが始まる。それを知った姉の布美は、応援したい気持ちと背中を押せない気持ちの板挟みになり、父は史織が傷つくことを恐れ猛反対する。

タイトル 『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』
監督:西川達郎
出演:服部樹咲、岡崎紗絵、吉田栄作、長澤樹、黒川想矢、知花くらら、田中俊介、山口智充(友情出演)、近藤芳正、吉澤健、清水美砂、吉田栄作
配給:イオンエンターテイメント
公式サイト bishu-movie
©2024映画「BISHU 世界でいちばん優しい服」製作委員会
2024年10月11日より先行公開中/10月18日(金)拡大公開

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