「清六、帰ってきました!」恵那凱旋『銀河鉄道の父』舞台挨拶で「おかえりなさ~い」笑顔咲く

5月5日(金)に公開を迎える映画『銀河鉄道の父』恵那市特別試写会が28日恵那文化センターで行われ、成島出監督と宮沢賢治の弟・清六を演じた豊田裕大さんが登壇。映画の撮影や、撮影中の思い出を振り返りました。※以降敬称略

 
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「賢治の弟、清六役を演じました豊田裕大です。恵那市に帰って来れて嬉しく思いました! 清六、帰ってきました!」と豊田が挨拶すると、会場から大きな拍手で迎えられ会場から「清六おかえりなさ~い」の声も。

本作は、岩村町や明智町など、恵那市で撮影が行われ、この日の試写会には、撮影に参加した人たちなど恵那市民500名が参加。

成島出監督も「成島、帰ってまいりました。映画の中で(菅田将暉演じる)賢治が同じ挨拶をします。この映画ではみなさんにお世話になりまして、みなさんの応援の中で撮ることができて、こうやってこの日を迎えることができて、胸いっぱいで、目はうるうるです。今日は楽しんでください」と感謝を伝えました。

 

映画はすごく長い旅「銀河鉄道の旅」もようやく目的地に辿り着いたようで感無量

撮影は、2022年5月から6月にかけて行われ、ほぼ 1 年ぶりの凱旋となったふたり。帰ってきた感想を聞かれ、成島監督は「恵那に戻ってこれたのが何よりで、いま上映会で全国を回っていますが、本当に帰ってきた感じがします。映画はすごい長い旅なので「銀河鉄道の旅」じゃないですけど、2018年から映画化を進めてきて、長い銀河の旅もようやく目的地に辿り着いたようで感無量です」と今の心境を

続けて豊田は「役者を始めて最初に決まったお仕事なので、僕の中でもとても大切な作品です。早く皆さんに観ていただけると嬉しいなという気持ちでいっぱいです」と、自身にとっても記念となる映画を地元の人たちに見てもらえる嬉しさをにじませました。

成島監督はロケ地に恵那市を選んだ理由を聞かれると「江戸時代なら京都などで撮影ができるのですが、明治時代や大正時代はなかなか場所がなくて…。全国探して、ここ恵那でロケ地を見つけて、通りも家もお借りすることができました。ほぼ1カ月、この街に暮らしてるような感じで撮影させていただきました。ぜひ、この景色は文化庁にお願いして 50 年 100 年と遺産として残してもらいたいです」と熱く語り「市民のみなさんも好意的で、エキストラとしてもご協力いただき、感謝申し上げます。」と続けました。

一方、豊田は「みなさん温かい方ばかりで、恵那市は撮影まで来たことなかったのですが、どこか懐かしさを感じる雰囲気で、映画とともにとても思い出深い大切な街になりました」

 

菅田さんは目のパワーがものすごく強かった!

続けて、豊田は自身の演じた清六について「最初はよく知らなかった…」と明かすと「(演じるにあたって)調べていくうちに、自由奔放な賢治に対して堅実で真面目な弟なんだなとわかりました。清六がいなければ、宮沢賢治作品が世に知られなかったので、とても重要な人物だったんだなと知りました」と続けました。※ 清六は兄の死後烈しい空襲や散佚から遺稿類を守りぬき、全集などの編さんや校訂に携わっています。

映画で共演する前から憧れの俳優だったという役所広司、菅田将暉と共演した豊田は「まさかこんなに早く共演できるとは思っていなかったので嬉しかったです。映像で見ている時とはまた違って、人間力やパワーを感じ、いつも自分もそうなりたいと思いました。役所さんは現場でずっと台本を開いていたり、菅田さんは目のパワーがものすごく強かったり、彼らの姿勢を見習わせていただきました」と共演した感想を語ると

続けて、撮影がない日も現場に足を運んでいたエピソードを明かされると「勉強はもちろん、大切な思い出を心のメモリとして刻みつけておきたいという気持ちがすごく強くて、現場に通っていました」と、本作に対する思いを言葉にしました。

「豊田くんは清六と同じようにしっかり者で真面目です。宮沢家の皆さんにお話を聞くと、賢治はすぐどこかに行ってしまうから、清六が凧みたいに糸を持っていたと。清六が賢治の死後、全く無名だった賢治の原稿を整理して、爆発的にヒットさせました。ゴッホも生前は絵が 1 枚も売れなかったことで有名ですが、彼も弟が支えていましたよね。自由な天才の兄としっかり者の弟という図式はよくあるのかもしれません。真面目で誠実な清六は、もともと誠実な豊田くんにぴったりだと思います」と成島監督

 

「菅田くーん!」「豊田です」というやりとりを 100 回ぐらいしました(笑)

今だから言える恵那市での思い出を聞かれると「撮影中は僕と菅田さんが同じ坊主頭だったので、僕が歩いているとみなさんに「菅田くーん!」と声をかけられ、「豊田です」と返すというやりとりを 100 回ぐらいしました(笑)。最終的には豊田裕大を覚えてもらえたので嬉しかったです。ちなみに、監督も僕と菅田さんを何回も間違えていました(笑)。あと、昼休憩中に五平餅を差し入れしていただいて、疲れている中で美味しいものを食べるとまた頑張ろうという気持ちになりました」と、エピソードを明かした豊田。

成島監督は「エキストラの皆さんには朝から夕方まで長時間お付き合いいただきました。恵那市は僕たち映画監督にとって本当に貴重な町なので、また映画を撮りに来たいです」と話しました。

 

どの世代が見ても感動できてクスッと笑える映画

ここで恵那市観光協会の阿部伸一郎会長と小坂喬峰市長も登壇。今回のメインロケ地でもある岩村町で作られた地酒「女城主」の贈呈もが行われました。2 升半で「一升一升半升で、益々繁栄、銀河鉄道の父、大ヒット祈願」の願いが込められているそうです。

阿部会長は「成島監督が明治大正昭和の撮影ができる街並みや恵那市の皆さんの心に感動して、『こんなロケ地は他にない、日本のハリウッドだ』と絶賛してくださいました。『ロケ地と言えば、恵那』『ロケ地めぐりと言えば、恵那』。今日は観光恵那の新たな船出です。」と力強く語り

小坂市長は「多い時には 120 人ほど撮影現場に足を運んでいたとのことで、恵那市をロケ地に選んで下さりありがとうございます。そして恵那市の皆さん、温かいおもてなしで、撮影を快く受け入れてくださって、本当にありがとうございます。映画を観た感想は、ぜひSNSで拡散していただいて、ヒットに繋がれば嬉しいです」と感謝の気持ちを伝えました。

最後に「どの世代が見ても感動できてクスッと笑える映画なので、ぜひ楽しんで観ていただけたら嬉しいです」と豊田が映画をアピールすると「この映画をお届けできることに喜びと誇りを感じます。気に入っていただけたら、全力で応援していただきたいです。ぜひ、大切な人と『銀河鉄道の父』をお楽しみください」と成島監督が挨拶を締めくくりました。

映画『銀河鉄道の父』は、5月5日(金)子どもの日に全国公開されます。

映画『銀河鉄道の父』×恵那市 GO!GO!GO!キャンペーン 4/29より開催

岩村町を訪れたら…映画の世界がありました

取材前に、ロケ地となった岩村町を訪れたら、そこには映画の世界が…。4月29日より恵那市では、令和5年5月5日に映画『銀河鉄道の父』が公開されるのを記念して、映画『銀河鉄道の父』×恵那市 GO!GO!GO!キャンペーンを開催。

映画のメインロケ地となった岐阜県恵那市岩村町では、宮沢賢治と父・政次郎が暮らす商家を、ロケ現場に再現!パネル展も行われています。

想像以上に『銀河鉄道の父』すぎるクオリティー。撮影が行われた通りには、街並みを再現した時の装飾が施され、映画の世界にトリップした気分が味わえるほか、賢治の部屋や質屋の再現も。映画を観終わったあと訪れると感動もひとしおです。

期間は6月25日(日)まで、入場無料。来場者には、素敵なグッズプレゼントもあるとのことなので、映画を観て遊びにいってみては?

シネピーでは、ロケ地めぐりを満喫した記事も現在作成中。ぜひ、お楽しみに。

ロケ地スペシャルサイト
https://ginga-movie.com/special/

取材 シネマピープルプレス編集部

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『銀河鉄道の父』作品紹介

宮沢賢治の父・宮沢政次郎。父の代から富裕な質屋であり、長男である賢治は、本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は適当な理由をつけてはそれを拒む。学校卒業後は、農業や人工宝石、宗教と我が道を行く賢治。政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、賢治のためなら、とつい甘やかしてしまう。やがて、妹・トシの病気を機に、賢治は筆を執るも―。究極の家族愛を描いた傑作にして、第158回 直木賞受賞作の『銀河鉄道の父』、待望の映画化。

『銀河鉄道の父』
監督:成島出 
原作:門井慶喜「銀河鉄道の父」(講談社文庫) 
脚本:坂口理子 音楽:海田庄吾
主題歌:いきものがかり「STAR」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
出演:役所広司 菅田将暉 森七菜 豊田裕大/坂井真紀/田中泯
配給:キノフィルムズ
公式サイト:ginga-movie.com
公式Twitter:@Ginga_Movie2023
©2022「銀河鉄道の父」製作委員会

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