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アメリカの深すぎる闇に震撼!
『モーリタニアン 黒塗りの記録』
『クーリエ:最高機密の運び屋』で渾身の演技を見せたベネディクト・カンバーバッチが、プロデュース兼出演。
しかもジョディ・フォスターとの共演となれば、もう観るしかない!
原作はアメリカ同時多発テロの首謀者の 1 人として、不当に拘禁された男による〈手記〉。
2015年、アメリカ政府による検閲で、多くが黒く塗りつぶされたその〈手記〉が出版され、大ベストセラーになったそう。
著書はアフリカのモーリタニア出身のモハメドゥ・ウルド・スラヒ。
彼は本当に首謀者なのか?
拘禁された彼に何があったのか?
映画は「不当な拘禁」を訴える弁護士のナンシー・ホランダーによる調査と、政府と米軍の命を受け、死刑判決を下すべく起訴の準備を進めるスチュアート中佐、そしてモハメドゥ自身の手紙によって真実を明かしていく。
真逆のサイドから核心に迫る構成に引き込まれ、明らかになる真実と顛末に驚愕!
〈手記〉の存在すら知らなかったから、あまりに衝撃的な内容に心の中で大絶叫。
実話…なんだよね…?怖すぎる。
アメリカという国の恐ろしさを改めて思い知った。
一方で憎しみや悲しみに囚われず、真実だけを求める人たちの良心、絶望を超えた先にある赦しの尊さに感涙。
弁護士を演じたのはジョディ・フォスター。久しぶりに見たから急に老けた気がしたけど、知的な美しさと存在感は健在!
中佐役のカンバーバッチはもちろん安定の演技。
そしてモハメドゥを演じたタ ハール・ラヒムも素晴らしかった。
さて今回の写真はアメリカのソウルフードというべきマクドナルドのバーガー。
モハメドゥと初めて面会するナンシーの差し入れも、米軍がモハメドゥに与えるのもバーガーだけど、選ぶメニューにも彼をどう見ているのかが反映されていた。
公開中「モーリタニアン 黒塗りの記録」 2021年製作/129分/G/イギリス 原題:The Mauritanian 配給:キノフィルムズ https://kuronuri-movie.com/ C)2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.
映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!”不定期掲