エリコのフォトdeシネマ♪ Vol.52『モーリタニアン 黒塗りの記録』

アメリカの深すぎる闇に震撼!
『モーリタニアン 黒塗りの記録』

 

『クーリエ:最高機密の運び屋』で渾身の演技を見せたベネディクト・カンバーバッチが、プロデュース兼出演。
しかもジョディ・フォスターとの共演となれば、もう観るしかない!

原作はアメリカ同時多発テロの首謀者の 1 人として、不当に拘禁された男による〈手記〉。
2015年、アメリカ政府による検閲で、多くが黒く塗りつぶされたその〈手記〉が出版され、大ベストセラーになったそう。

著書はアフリカのモーリタニア出身のモハメドゥ・ウルド・スラヒ。

彼は本当に首謀者なのか?
拘禁された彼に何があったのか?

映画は「不当な拘禁」を訴える弁護士のナンシー・ホランダーによる調査と、政府と米軍の命を受け、死刑判決を下すべく起訴の準備を進めるスチュアート中佐、そしてモハメドゥ自身の手紙によって真実を明かしていく。

 

 

真逆のサイドから核心に迫る構成に引き込まれ、明らかになる真実と顛末に驚愕!

〈手記〉の存在すら知らなかったから、あまりに衝撃的な内容に心の中で大絶叫。
実話…なんだよね…?怖すぎる。
アメリカという国の恐ろしさを改めて思い知った。

一方で憎しみや悲しみに囚われず、真実だけを求める人たちの良心、絶望を超えた先にある赦しの尊さに感涙。

 

 

 

弁護士を演じたのはジョディ・フォスター。久しぶりに見たから急に老けた気がしたけど、知的な美しさと存在感は健在!
中佐役のカンバーバッチはもちろん安定の演技。
そしてモハメドゥを演じたタ ハール・ラヒムも素晴らしかった。

 

 

 

 

さて今回の写真はアメリカのソウルフードというべきマクドナルドのバーガー。
モハメドゥと初めて面会するナンシーの差し入れも、米軍がモハメドゥに与えるのもバーガーだけど、選ぶメニューにも彼をどう見ているのかが反映されていた。

公開中「モーリタニアン 黒塗りの記録」
2021年製作/129分/G/イギリス
原題:The Mauritanian
配給:キノフィルムズ
https://kuronuri-movie.com/
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[フォトdeシネマ]
映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)
映画館バイト雑誌映画担当映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!不定期掲

 

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