伊藤さとりの映画で人間力UP! 映画「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督

[時代と逆行する映画が世界で受け入れられるワケ]

 

YouTubeやTikTokなどの普及により、短く刺激のある映像が受け入れられる時代。

となれば映画も上映時間が短い方が足を運びやすいだろうし、サブスクリプションが一般的になり、上映時間を気にする人も増えているのかもしれない。例えば2時間55分の『インターステラー』や2時間42分の『インセプション』など、2時間を超える作品が多いクリストファー・ノーラン監督も『ダンケルク』では1時間47分!ついに2時間以内の映画を今後は作るのか?と思いきや『テネット』で2時間30分と通常運行に戻りました。巨匠はブレない!ブレなくて良いわよ!

そんな中、日本にも社会の波に惑わされることなく“時の神様”を味方にし、世界的に評価されている監督がおられます。

その人の名は濱口竜介監督。

 

 

 

第68回ロカルノ国際映画祭最優秀女優賞を主演4人が受賞した『ハッピーアワー』はなんと5時間17分、第42回山路ふみ子賞を始めとする多くの日本映画賞を受賞した『寝ても覚めても』は2時間、今年の12月公開される第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した『偶然と想像』は2時間1分ですが、8月20日公開の第74回カンヌ国際映画祭脚本賞ほか全4冠に輝いた『ドライブ・マイ・カー』は、2時間59分という長編。

けれど記載したように、どの作品も世界各国の映画祭で賞賛され、賞を受賞するという快挙を成し遂げています。この結果が示す通り、上質な映画には時間は関係ないということ。そんな『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹氏の原作の世界観を見惚れるほどの映像描写で表現し、人の心の奥底を覗き込みながら旅をしている気になるという時間を忘れる魔法を持ち合わせていました。まさにこれが至福の劇場体験というものなのでしょう。

実はカンヌ国際映画祭から帰国した濱口監督は、隔離期間中に試写会上映後にリモート登壇し、時間についての質問にこう答えていました。

 

 

 

 

「作品作りで重要なのは、キャラクターと最後まで付き合うこと。キャラクターの人生は映画が終わってもずっと続くのでここまで付き合ったら大丈夫と思えたところで脚本を締めくくります」

その結果、長尺になったということで、時間の概念に捉われていないんですよね。では一体、どうすれば世界に認められる映画作りが出来るのでしょうか?

ふと気になって司会ついでに質問を投げかけると、「まず自分が面白いと思うものを作っていくこと。映画は共同制作なので、自分が面白いというものを受け入れてくれる方たち(プロデューサーなど)と仕事をすることが大事な気がします」とのことでした。

そして私は思い出したのです。上記に記した内容と全く同じことを言っている監督がいたことを!それは是枝裕和監督であり、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルム・ドールを『万引き家族』で受賞していることを。“自分の思う面白いことを面白いと思ってくれるプロデューサーとの出会いが大切”。それは、流行りのテーマやファンの多い人気スターを起用することや映画館で回転数が稼げ見やすい上映時間というヒットの法則を狙わず監督の才能を活かすことに重きを置いたプロデューサーの覚悟と信念なのかもしれません。これこそが流行に関係なく人の心を動かす映画作りの根本なのかもしれない。ある確信を感じた瞬間でしたが、あなたはどう思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(カンヌ国際映画祭壮行会より)

 

映画パーソナリティ 伊藤さとり

ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当する。全国のTSUTAYA店舗で流れる店内放送wave−C3「シネマmagDJ、俳優対談番組『新・伊藤さとりと映画な仲間たち』(YouTubeでも配信)、東映チャンネル×シネマクエスト、映画人対談番組『シネマの世界』など。NTVZIP!」、CX「めざまし土曜日」TOKYO-FMJFN、インターFMにもゲスト出演。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿。日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。

 

 

 

 

 

『ドライブ・マイ・カー』

】(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

8/20(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

西島秀俊 三浦透子 霧島れいか/岡田将生

原作:村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」 (短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)

監督:濱口竜介 脚本:濱口竜介 大江崇允 音楽:石橋英子

製作:『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 製作幹事:カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド

制作プロダクション:C&Iエンタテインメント 配給:ビターズ・エンド 

(C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

2021/日本/1.85:1/179分/PG-12

公式サイト dmc.bitters.co.jp

 

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