黒澤組

昨日は、28年間黒澤明に師事していた(助監督として)小泉堯史監督とアスミック映画の傑作時代劇「雨あがる」の上映&トークショー。

黒澤監督のそばにずっといたのは小泉さんだけだけではなかろうか。
監督はわら半紙に走り書きをするそうで、でもそれが200文字の原稿用紙に清書すると文字数がぴったりだったとか。

清書係はもちろん小泉監督です。
しっかり黒澤イズムを受け継いで奥行きのある、そして丁寧な絵作りを
されています。小泉監督はモニターをみないんです。
いまや、モニター頼りの監督ばかりですが
フレームにどうはいるか、直感でわかるし、小さなモニターでチェックしたところで、全体の雰囲気は見ることは出来ないと言います。
そんな話を聞けばきくほど興味深く、だから奥行きのある映像がとれるのだなと感心しながら聞き入っていました。

黒澤監督の「どですかねん」までキャメラマンとして黒澤チームにいらっしゃったのが「剣岳点の記」の木村監督。

小泉監督は、どですかねんから黒澤組に参加してます。

今日は、木村監督の手綱を引く役として、舞台に立ちました。

話せば8時間でも10時間でも引き出しのある方なので。
20分でお願いしますというのは、ご本人にとってもたいへん。私もたいへんです(笑)
70歳とは思えぬバイタリティ。またしても元気をいただきました。

話は起承転結がすばらしく、50年の映画人人生をサクサクと語っていただきました。
ほんとは時間はたりないです!
あいち国際の時も40分ですが、まったくたりないもん。
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そして、黒澤組女優といえば、香川京子さん。

商業映画初監督となった池口千尋監督作品「東南角部屋二階の女」(西島秀俊、加瀬亮、香川京子)
のゲストは、監督と、なんと!!
あの往年の大女優香川京子さん。

だって、だって今の映画監督たちが影響を受けtづけている溝口健二監督、小津安二郎、成瀬みきお、黒澤監督など錚々たる名監督、映画史に残る作品の主演女優ですよ!!

もう、会う前からドキドキ。

ところが、まったく壁のない方で、打ち合わせ時も長いすに座って、
ポンポンと、ソファーを叩き「ココに座って。」とおとなりに座らせていただいたのです。

溝口健二の「近松物語」みたことあります?
映像に携わるかたなら見てソンはないですよ。
CGなんてつかってないのになぜ、こんなに遠近感があるのだろう。奥行きがある絵が多いのだろうとおもうはず。

ま、とにかく本物の映画女優が、銀幕女優にあえてものすごく緊張しているはずなのに、香川さんの温かさ、優しさでそんな緊張はあっという間に解けました。というより、大女優ということを忘れて、話していた様な気がします。

池口監督も商業用映画の初監督ということですが、
腰のはいった素晴らしい映画を作りました。
まだ27歳でかわいくて、声もキュート。

でも香川さん曰く、ひるまず、ダメだしもきちんとされるというしっかりもの。
じゃなきゃ、こんなしっかりした映画はとれるまい。

映画祭はキャンペーンとちがって思わぬラッキーなことがある。

だからやめられない。

おいしい映画祭

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