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桜が散ると共に、ハナミズキの香りが漂い始める4月。
新しい出会いが訪れる時期ですが、映画の世界でも新しい道を歩む人がいます。
俳優・新田真剣佑さん。現在公開中の『ブレイブ ―群青戦記―』で単独初主演を果たし、4月23日(金)公開『るろうに剣心 最終章 The Final』では、見事な殺陣で圧倒的な存在感を見せつけてくれます。
アメリカで生まれ育ち、ロサンゼルスで空手大会優勝経験を持つ彼と最初に会ったのは、2014年公開のリーアム・ニーソン主演『フライト・ゲーム』トークイベントでのゲストでのこと。
あの頃から「アクション俳優になる気はない。アクションも出来る俳優でいたいです。ハリウッドでは当たり前のことですから」と公言していた若き俳優は、『ちはやふる』のオーディションで一度落ち、
それでも小泉徳宏監督に食い下がり、今度はネックとされていた日本語を完璧な状態にして遂に役を手にしたと監督は語っていました。
2018年にはオーディションで勝ち取ったハリウッド大作『パシフィック・リム:アップライジング』に出演。
ファンミーティングの司会をしたこともある私から見ても、その成長は凄まじく、「出来ないこと」を「出来ること」に変えてしまう強い信念と素直さ、そして世界を見据えた人生設計に改めて拍手を贈ります。
そんな彼が3月26日の『ブレイブ ―群青戦記―』公開御礼舞台挨拶で口にした締めのメッセージは、予め準備したものとは思えない、
湧き上がる思いに耳を傾けながらポツリポツリと言葉を発しているように思えたのです。
「(三浦)春馬さんの夢だった海外進出を叶えるために、思いを繋ぐために海外で挑戦してきます。それがこの作品で(三浦春馬さんと)出会って僕が頂いた新たな夢です」
憧れていた三浦春馬さんと共演し、夢を叶える力がある新田真剣佑さんしか発せられない言葉に込み上げてきた涙を止めるのに必死でした。新田真剣佑さんは今月4月に事務所を退社し、
海外を中心に活動するそうです。会えばいつだって優しい笑顔で話しかけてくれた三浦春馬さん。いつだって無邪気な笑顔で友達に愛情を降り注ぐ新田真剣佑さん。
彼らは真のエンターテイナーであり、俳優という仕事に心底惚れ込んでいるように思えます。
では「出来ないこと」を「出来ること」に変える才能とはなんなのか。
それはきっと負けず嫌いという才能と、視野を広く、目標を定めて先を見据えることなのかもしれません。“日本は若い人が主役をはれ、ハリウッドは大人が主役をはる映画界”ということを理解した上で、若いうちに日本で映画の仕事をするには日本語をしっかりマスターすることが必要だとオーディションで気づき、根性で習得。
「もし英語を喋れるようにしたいなら、とにかくネイティブの人と沢山話すこと」とファンミーティングでも語っていて、本人も実践していたそうです。
筋トレも趣味だそうですが、ハリウッドではマッチョな身体の方が仕事を掴めると知っているからこそ体型を変幻自在に操れるのではないでしょうか
しかも『るろうに剣心 最終章 The Final』では、佐藤健さんの身軽で素早い剣と対抗する力強く無駄のないアクション
人とかぶらないキャラクター作りと人懐っこさが多くの共演者や監督に愛され、必要とされる理由なのだと思います。居場所を作るのは自分自身であり、
その場に適した最大限の努力が実を結ぶと彼から教えられている気がするのです。
映画パーソナリティ 伊藤さとり
ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当する。全国のTSUTAYA店舗で流れる店内放送wave−C3「シネマmag」DJ、俳優対談番組『新・伊藤さとりと映画な仲間たち』(YouTubeでも配信)、東映チャンネル×シネマクエスト、映画人対談番組『シネマの世界』など。NTV「ZIP!」、CX「めざまし土曜日」TOKYO-FM、JFN、インターFMにもゲスト出演。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿。日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。
*「ブレイブ〜群青戦記〜」
3月12日(金)よりミッドランドスクエアシネマ他
全国東宝系にてロードショー
2021年製作/115分/PG12/日本
配給:東宝
(C)2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会
(C)笠原真樹/集英社
*るろうに剣心最終章The final
4月23日(金)公開、
2021年製作/138分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)和月伸宏/集英社 (C)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会