「ええじゃないか とよはし映画祭2021」のクロージングセレモニーが3月14日（日）YouTube Liveにて配信され、同映画祭大使の園子温監督と松井玲奈さん、コンペティション部門審査委員長の内田英治監督、同審査委員で俳優の田中俊介さん、同じく審査委員の坪井篤史シネマスコーレ副支配人、森谷雄プロデューサーらが登場。2回目となるコンペティション部門では髙橋雄祐監督の『still dark』がグランプリを獲得した。

グランプリを受賞したのは髙橋雄祐監督の『still dark』

グランプリ受賞作『still dark』

グランプリを受賞した『still dark』は、とあるレストランのナポリタンに心を奪われた盲目の青年が、料理人になる夢と向き合うストーリー。髙橋雄祐監督は「あたまがまっしろ…すごく嬉しいです」と受賞の喜びをにじませると「もっと多くの人に観てもらえるよう、新作も撮れるように頑張ります！」と決意を口にした。審査委員長の内田英治監督は「強調されていない日常の中で淡々とドラマを見せるのがすごく良かったですし、ストーリーもとてもよかった。台詞もとても洗練されていて、長編もみてみたくなるような作品でした」と講評。「最近、役者さんが映画を作ることが増えてきている中でこの作品を見たんですけど、役者のみなさんがいい芝居できる場にめちゃめちゃ飢えているんだなとも感じました。我々作り手ももっと頑張らないと」と刺激を受けたことを明かした。

審査委員長の内田英治監督

「とよはし未来賞」には、GAZEBO監督の『Vtuber渚』

とよはし未来賞はGAZEBO監督『Vtuber渚』

審査員特別賞にあたる「とよはし未来賞」には、GAZEBO監督の『Vtuber渚』が選ばれた。審査委員の坪井篤史シネマスコーレ副支配人は「エンタメとしての面白さとオチの後の最後のオチがよかった」と講評すると「本作は短編ですが、ぜひリブートして長編を撮っていただいて劇場で展開していけたら」と期待を寄せた。GAZEBO監督も「面白い作品が揃う中で、この賞を貰えて嬉しい。未来があるように頑張ります」と語り笑顔をみせた。『Vtuber渚』は、人見知りでアイドルとしても挫折した主人公がVtuberを目指す物語。長編にしても面白い作品となりそうだ。

『Vtuber渚』を撮ったGAZEBO監督

「観客賞」は磯部鉄平監督の『そしてまた私たちはのぼってゆく』

磯部鉄平監督の『そしてまた私たちはのぼってゆく』が観客賞に

そして、観客による投票で選ばれる「観客賞」は、磯部鉄平監督の『そしてまた私たちはのぼってゆく』が獲得。磯部鉄平監督の代わりに受賞の場に登場した主演の浄弘卓磨さんは「監督も『観客賞』が獲れたら嬉しいと話していたので、獲れて良かったです」と喜びいっぱいの表情に。本作は、俳優部から監督にオファーして実現した作品。審査委員とプレゼンターを務めた俳優の田中俊介さんは「役者発信から生まれた映画というのが僕自身としてはすごく嬉しい。映像が美しくて構図の面白さにも胸を打たれたし、映画という異空間にトリップさせてもらえた」と受賞者をたたえた。

『そしてまた私たちはのぼってゆく』主演の浄弘卓磨さん

審査委員を務めた田中さんは家からの登場「家でジャケットを着て配信に登場するのは初めて」と明かした

映画祭は出会いと再会の場所（松井玲奈）

「来年はリアルでお会いできることを願っています」と松井玲奈さん

閉幕の挨拶として、第一回から同映画祭大使を務める松井玲奈さんは「映画祭は出会いと再会の場所だといつも思っています。来年こそはみなさんとリアルでお会いできるように、映画祭が開催できることを心から願っています」とコメント。

ニコラス・ケイジさんを豊橋に！！！！！

「僕のハリウッド作品でニコラスさんを豊橋に」と意気込む園子温監督

同大使の園子温監督は「来年こそはみなさんと必ず豊橋でお会いしたいと思います。そして今度こそ僕のハリウッド作品『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』とともにニコラス（ケイジ）さんを豊橋に呼べたらなと思っています。その時までみなさんお元気で」と映画祭への熱い思いを口にした。

3日間映画祭を盛り上げた森谷雄映画祭プロデューサーと各ゲストトークでも進行役を務めた松岡ひとみさん

最後は、同映画祭のプロデューサーで、会期中は各カンファレンスでも進行を務めた森谷雄さんが「今回の経験をもとに、来年はリアルとオンラインの両方の良さをいかしたハイブリッド開催も視野により進化した大きな映画祭にしていけたら」と締めくくり「次回は豊橋でお会いしましょう！」と閉幕を宣言し、3日間にわたり行われた映画祭を締めくくった。