伊藤さとりの映画で人間力UP!「愛される人の口ぐせ」〜映画「461個のおべんとう」井ノ原快彦さん

愛される人の口ぐせ。

 

[意外と難しい言葉=ありがとう]

「ありがとう」という言葉って、簡単に言えるものだと思っていたのに、子供を持つとこんなにも難しいんだと気付かされ、日々、悩んでおります。

不思議なもので、親である自分が「ありがとう」と言えていても、子供によってはなかなか口に出来なかったりで、うちの子はどうやら”照れくさい“が先に立って言えないらしい。

人の心とは複雑極まりないのですな。

 

そんな折、久しぶりにお仕事で再会することになった方のお陰で、「ありがとう」=「照れくさい」の感覚を味わったのです。

[変わらない人柄が安心を生む]

思えばイノッチさんこと井ノ原快彦さんと初めて会ったのは『ピカンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』(2002年)製作発表会見でのことでした。

会見のMCを終え、裏手に戻ると原案者のイノッチさんが近付いて来て、「ありがとうございました」と私なんぞに声をかけてくれたのであります。

 

そんなイノッチさんと今年に入り、ご本人主演作『461個のおべんとう』でまたまたガッツリとお仕事することになり、この映画の4回のイベントともMCをさせてもらえたのでありますが、全く変わらない人柄に毎回、頭が下がる思いでした。

だって、会う度に「伊藤さんありがとうございます」と打ち合わせでも言い、なんならステージの上でも帰り際に「伊藤さんありがとうございます」と言い、裏では私のMCでの話の受け方まで兼重監督と一緒に気付いくれていて、もう恥ずかしいやら、有難いやら。

 

なんでそんなに「ありがとう」を色んな人に言えるのだろうと思っていたら本人曰く「親に”ありがとうを忘れずに”と言われて育ったので」とのことでしたが、それだけじゃなかろうよと観察しておりました。

[人を見ているからこそ気付く人の心]

そして気付いた、周りをよく見て話していることを。

イベントではイノッチさん自身がキャスト全員にまんべんなく話しかけ、トークを回してくれているものの、話しがひと段落すると私を見る=「話が一段落しました」の合図をくれるんです。

これ、打ち合わせ無しの阿吽の呼吸で、4回ともアイコンタクトで私とやりとりしておりました。

長年の番組MC経験から培われた会話の空気を読むことはもちろん、MCの私まで巻き込んだステージを生み出すのだから、とことん思いやりに溢れているんですよね。

 

私がMCをする上では、そこまで目立たずに、スムーズに短い言葉で分かりやすく楽しくボールをパスして、キャストと監督の仲の良さが出ればイベントは成功と思っているので、イノッチさんの心遣いと優しさに、毎回、癒されて帰り道を歩いていました。

 

[ありがとうは魔法の言葉]

“どんな仕事にも楽なものはない“と思ってくれている気がして感謝しかなかった。

「ありがとう」という短い言葉に込められた沢山の思いが、人を安心させ、ヤル気にさせ、自信を持たせてくれるんだと気付かされた再会でした。

 

照れ臭くても「ありがとう」を思いっきり言える人になれたら、誰かの気持ちを明るく出来るかもしれない。

子供が”照れくさい”と言っても、思いっきり笑顔で「ありがとう」と言い続けてやるぞ!そうしたらいつか子供も同じくらい元気に「ありがとう」と言ってくれるかもしれないっ。

イノッチさんの姿勢から学んだ、愛される人の口ぐせ、「ありがとう」が溢れる世界になりますように。

映画パーソナリティ/心理カウンセラー:伊藤さとり

年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。

ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当する。全国のTSUTAYA店舗で流れる店内放送wave−C3「シネマmag」DJ、俳優対談番組『新・伊藤さとりと映画な仲間たち』(YouTubeでも配信)、東映チャンネル×シネマクエスト、映画人対談番組『シネマの世界』など。NTV「ZIP!」、CX「めざまし土曜日」TOKYO-FM、JFN、インターFMにもゲスト出演。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿。日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。

心理カウンセリングも学んだことから「ぴあ」などで恋愛心理分析や映画心理テストも作成。

著書「2分で距離を縮める魔法の話術」(ワニブックス) 伊藤さとり公式HP  itosatori.net

「461個のおべんとう」

公式サイトhttps://461obento.jp/

「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美によるエッセイ「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」を、「V6」の井ノ原快彦、関西ジャニーズJr.のユニット「なにわ男子」の道枝駿佑の共演で映画化。監督は「キセキ あの日のソビト」の兼重淳。

2020年製作/119分/G/日本
配給:東映

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