愛知県長久手市の「ジブリパーク」を舞台にした、初のオリジナル短編アニメーション映画『魔女の谷の夜』が、2026年7月8日(水)より、パーク内「ジブリの大倉庫」の「映像展示室オリヲン座」にて上映を開始しました。
これに先駆け、7月7日(火)にメディア向け上映会&記者会見が開催され、スタジオジブリが仕掛ける新たなアトラクション映画の詳細が明らかになりました。
パークの風景とシンクロする
誰も見たことのない深夜の「魔女の谷」
舞台はジブリパーク。そこで働く“新人くん”の一日から物語は始まります。
ある日、パーク内のあちこちの建物から不自然な修理依頼が舞い込みます。さらに、暖炉に勝手に火がついたり、蛇口から水が噴き出したりと、不可解な現象が次々と発生。「何かいろいろ変なんすよ!」と怯えまくる新人くんですが、先輩のキクエさんは全く聞く耳を持ちません。

そして閉園後の深夜0時。初めての夜番として「魔女の谷」に向かった新人くんを待ち受けていたのは、マントを羽織ったキクエさんの姿でした。
「あたし、魔女だから」
キクエさんが呪文を唱え始め、ランタンを振り下ろすと……!

ジェシーとアイナ・ジ・エンドがかける魔法
主人公の「新人くん」の声を担当するのは、SixTONESのジェシーさん。公開中の『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』で一人二役を演じ分け話題となった彼が、ビビりながらも奮闘する新人スタッフを演じます。その先輩である「キクエさん」役には、アイナ・ジ・エンドさんを起用。
先に行われた会見に登壇した、山下明彦監督は「ジェシーさんは男前な方なので、今回のキャラクターに合うか最初は未知数でしたが、三枚目の役どころを非常にユーモラスに演じてくれて感激しました」と語り、キクエ先輩を演じたアイナ・ジ・エンドさんについても「普段の力強い歌声とはまた違う、可愛らしい声。ふたりとも大正解のキャスティングでした!」と太鼓判を押しました。
さらに原案、脚本、監督を務めた宮崎吾朗氏も「ふたりとも本当に上手で!とくにジェシーさんは、あのスタイリッシュな佇まいからは想像できないほどアドリブ力とお芝居のセンスがあり、驚かされました」とふたりの表現力に惜しみない賛辞を送ります。
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「映画こそが最大のアトラクション」
宮崎吾朗×山下明彦が仕掛ける遊び心
制作陣には、ジブリパークの監督として制作全体を指揮した宮崎吾朗氏が原案・脚本を担当。さらに、これまで数々のスタジオジブリ作品で重要な役割を担ってきたアニメレーターの山下明彦氏が共同監督・脚本として参加しています。音楽は、宮崎吾朗監督作品でお馴染みの武部聡志氏が担当しています。
宮崎吾朗監督は、本作の制作動機について「ジブリパークにとってのアトラクションを考えた時に、スタジオジブリが関わっているのだから『映画』を作るのが一番のアトラクションになるのではないか。短編『作品』というよりは、『アトラクション映像』を作ったという気持ちのほうが強い」と、その想いを明かしました。

また、舞台に「魔女の谷」を選んだ理由について問われると、「(映画ではあんなにも動いていた)ハウルの動く城が、ジブリパークではずっと座ったままなので、動かさないと健康に悪いなと……。これがきっかけなのは間違いない」と話し、会場の笑いを誘う一幕も。

共同監督の山下明彦氏は「宮崎監督からスケッチを見せられた瞬間、『おぉ、面白い!』とパーっと絵が浮かんだ。こんな風にアイデアが閃くことは滅滅にない。そのくらい素晴らしい絵だった」と振り返り、クリエイターとしての強い手応えを覗かせました。
現実と地続きの世界へ
スクリーンを飛び出した後のパークが違って見える仕掛け

作中には、オキノ邸、グーチョキパン屋、ハウルの城、ハッター帽子店、魔女の家、魔女のエレベーター、時計塔、飛行機乗りの塔、猫の事務所など、ジブリパークで見慣れた実際の風景が多数登場します。
山下監督が「映画を観たあとにパークを巡っても、パークを楽しんだあとに映画を観ても楽しめるようになっている」と語る通り、現実の空間とスクリーンの世界が美しくリンクしているのが最大の特徴です。
さらに、映画ファンへのサプライズとして、宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』に登場したアオサギのほか、3つの隠しキャラクターが忍ばされていることも公表。
アニメーションならではのダイナミックな躍動感と、子どもたちが歓声をあげそうな遊び心がふんだんに詰まった本作。映画を観終わったあと、再びパークの景色に目を向けたとき、見慣れたはずの建物や時計塔がどこか違った輝きを帯びて映るかもしれない。何度も足を運び、そのディテールを確かめたくなる一作となりそうです。
上映場所: ジブリパーク・ジブリの大倉庫「映像展示室オリヲン座」
上映開始日: 2026年7月8日(水)
チケット: ジブリの大倉庫に入場できるチケットが必要です。
※ジブリパーク 大さんぽ券プレミアム、ジブリパーク 大さんぽ券スタンダード、 ジブリパーク ジブリの大倉庫の3券種のうちいずれかが必要
公式サイト:https://ghibli-park.jp/

取材・文 にしおあおい(シネマピープルプレス編集部)
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作品情報
短編アニメーション『魔女の谷の夜』
原案・プロデューサー:宮崎吾朗
脚本・監督:宮崎吾朗 山下明彦
声の出演:ジェシー(SixTONES) アイナ・ジ・エンド
作画監督:濱田高行
美術監督:西川洋一
色彩設計:高下直子
CG監督 :中村幸憲
撮影監督:奥井 敦
音楽 :武部聡志
制作 :スタジオジブリ
上映時間 14分21秒
© 2026 Goro Miyazaki, Akihiko Yamashita/Studio Ghibli
『魔女の谷の夜』関連グッズも登場!
『魔女の谷の夜』の上映開始に合わせ、ジブリの大倉庫のショップ「冒険飛行団」および、魔女の谷のショップ「13人の魔女団」では、本作のオリジナル商品が販売されます。ポスターデザインのクリアファイルをはじめ、作中に登場する建物をモチーフにしたマスコット、ピンバッジ、メラミンプレートなど、ファン必見のアイテムが多数ラインナップ。ぜひ、ショップでチェックしてみて。

宮崎吾朗(みやざき・ごろう)監督プロフィール
1967 年、東京生まれ。信州大学農学部森林工学科卒業後、建設コンサルタントとして公園緑地や都市緑化などの計画、設計に従事。その後1998年より三鷹の森ジブリ美術館の総合デザインを手がけ、2001年より2005年6月まで同美術館の館長を務める。2005年開催の愛知万博では「サツキとメイの家」の制作を担当。
スタジオジブリ作品『ゲド戦記』(2006)でアニメーション映画を初監督。『コクリコ坂から』(2011)で 2 作目の監督を務める。『山賊の娘ローニャ』(2014-2015/制作・著作:NHK、ドワンゴ)でTVアニメーションシリーズ初監督。その後、スタジオジブリ初のフル3DCG作品『アーヤと魔女』(2020放送・2021劇場公開)の監督を務めた。
2022 年11月開園の公園施設「ジブリパーク」(愛知県長久手市)では監督として制作全体を指揮。
ジブリパーク初のオリジナル短編アニメーション作品『魔女の谷の夜』(2026)では共同で監督を務めた。
山下明彦(やました・あきひこ)監督プロフィール
1966 年、岡山県生まれ。80年代からアニメーターとして活動。OVA作品『ジャイアント・ロボ THE ANIMATION─地球が静止する日』(1992-1998)でキャラクターデザイン・絵コンテ・作画監督を務めたのをはじめ、数々の作品で活躍。
スタジオジブリ作品では『千と千尋の神隠し』(2001)での原画が初参加。その後『ハウルの動く城』(2004)、『ゲド戦記』(2006)、『崖の上のポニョ』(2008)、『借りぐらしのアリエッティ』(2010)、『風立ちぬ』(2013)など、各作品で重要な役割を果たしている。 三鷹の森ジブリ美術館オリジナル短編作品『ちゅうずもう』(2010)で初監督。
スタジオポノック制作の『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』(2018)の一編『透明人間』でも監督を務め、第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞。
宮﨑駿監督最新作『君たちはどう生きるか』(2023)では原画を担当。
ジブリパーク初のオリジナル短編アニメーション作品『魔女の谷の夜』(2026)では共同で監督を務めた。







