長尾謙杜×山田杏奈TikTokで200万回再生の大反響を呼んだ衝撃作の裏側を語る
大ヒット公開中の映画『恋に至る病』の公開記念舞台挨拶が28日ミッドランドスクエアシネマで行われ、W主演を務めた長尾謙杜さん、山田杏奈さん、そして廣木隆一監督が揃って登壇。

内気な高校生・宮嶺望を演じた長尾謙杜さんは役について「何事も諦めかけていたところで景と出会って、一筋の光が入ってくる。そこに無理に色をつけずにシンプルに演じました」と語りました。
会場が上映後の余韻に浸る中、温かな拍手で迎えられた3人は、終始ニコニコと和やかムードで、撮影の裏話を明かしました。
僕は君が好きだ。たとえ殺人犯だとしても。
本作は、TikTokでの紹介動画が200万回再生を超えるなど、ティーンを中心に絶大な支持を集める斜線堂有紀氏の衝撃的な恋愛小説を実写化した作品で、SNS上では「これは純愛か?洗脳か?」という2択の考察が賑わせています。
純愛か、洗脳か、キャストと監督が作品の核心に迫る
本作のキャッチコピー「この恋は、純愛か、洗脳か―」という深遠なテーマについて、キャスト陣も深く考えさせられたようで。
山田さんは、「初めてこのコピーを聞いた時は、純愛と洗脳は重なることなく、どちらか一方なんだろうと思っていました」と当初の印象を率直に告白。しかし、「みなさんの反応や考察を聞いて見返してみると、どちらかではなく両立することもあるし、白か黒かはっきり決められないことが恋愛でもあると思いました」と、作品を通じて自身の考えにも変化があったことを明かしました。
一方、長尾さんも「純愛か洗脳かって決めつけるのではなく、恋愛にはいろんなカタチがあるんじゃないかなって」と同意する。「例えば、好みに合わせて服装や髪型を変えるのも、ある種の洗脳だと思う。でも、それは『こう好きになってもらいたい』と相手を思っているからでもありますよね」と語り、「捉え方かなと思います。だから、みなさんもいろいろ考察して共有していただければ」と呼びかけます。
イベント中、MCから「(客席には)カップルで来られている方もいますね」と振られると、長尾さんはすかさず「でも、観終わったあとに『私との恋って洗脳なの?』って聞かれるのも結構怖いですよね」とジョークを飛ばし、会場の笑いを誘う一幕も。
そして、廣木監督は「洗脳という言葉だけで捉えると嫌な感じがしますが、お互いを知っていくなかでの洗脳なんだろうし、それがひとつにつながっていけば…と思います」とコメント。そして、「僕自身は、このお話を純愛として描いたので」と、作品に込めた確かな思いを語りました。
さて、この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリーと称される本作にちなみ、最近の刺激的な体験を聞かれた3人。

クラスの人気者、寄河景を演じた山田杏奈さんは「景のカリスマ性をどう表現しようかと。彼女は、人からどう見られているかを意識している人、そこがヒントになりました」と振り返る。
まず口火を切ったのは寄河景役を演じた山田杏奈さん。「私が日々刺激を求めているという話なんですけど」と前置きし、「辛いものが好きなので、なんでも辛くできるように七味とタバスコをどんな現場へも持ち歩いています」 と告白。
まさかの「マイ七味」持参の事実に、会場からはどよめきが起こり、長尾さんも「えっ? すごっ!」 と目を丸くした。
一方、長尾謙杜さんは「なにわ男子」の活動に言及。「数日前に北海道で(ライブ)ツアーがありまして、スタッフさんとツアーの打ち上げがあったんです。その人数が300人ぐらいで」 と、圧巻のスケールを明かし、「こんな大人数ですることもなかなかないので、刺激的な体験でした」と語り、「メンバーがビールの売り子になったり、ライブ終わりにふざけてましたね(笑)」 と、仲睦まじいグループの様子を披露。ちなみに長尾さん自身は「僕はずっとバーベキュー焼いたりしてました」 とのこと。
名古屋愛炸裂?「うなぎ食べ比べ」と「岡崎の…」
舞台挨拶では、お待ちかねの「名古屋ネタ」にも言及。
来週もツアーで名古屋を訪れるという長尾さん。「名古屋といえば『うなぎ!』うなぎな気がしますけどね」 と関西弁のイントネーションで語り出すと、「昨年は愛知で2本ほど映画を撮影させていただいたんですよ。その時にうなぎやさんに行ったりしました。いろいろと食べ比べとかして…こんなに高スパンで行ったのは初めてでした。スタッフの中には、全店制覇されてる方もいて、おいしいお店を教えてもらいました!」 と、愛知での撮影が「うなぎ三昧」だった思い出を明かす。
そして、会場の空気を一変させたのが山田さん。「好きなユーチューバーの方が岡崎で活動されているので」 と話し始めると、客席からは「あぁ!(あっ!察し)」 とどよめきが。「いつか岡崎に行ってみたい」 と聖地巡礼への憧れを語ると、すかさずMCから「長尾さんはご存じで?」とパスが。
長尾さんは「知ってますよ。最近ね、コンビニとかでも、くじにされてたりね」 と即答。
さらに「(なにわ男子の)メンバーが頑張って集めてて、真剣にコンビニをまわってましたよ」 と、ここでもメンバーの微笑ましい裏話を暴露。

山田さんの意外な告白と長尾さんのメンバー愛が交錯し、会場は温かい笑いに包まれました。
伝説の「寝落ち…」、愛すべき廣木組
MCから「撮影中はみんなでご飯を食べに行ったりしましたか?」と話を振られると、長尾さんから「伝説の会がありまして」 と、クランクアップ後の焼肉打ち上げのエピソードが飛び出した。
「その日は、撮影の後だったので遅かったというのもあるんですけど、23時ぐらいに監督寝始めて…、気づいたらみんなどんどん(疲れてるから)寝始めるんですよ。全員寝たって思ったら廣木監督がおきてきて…バイトのシフトみたいになってました(笑)。この前も、中華料理食べに行ったら、また寝ちゃって…」
この「寝落ち」の暴露に、廣木隆一監督は「安心して寝ちゃうんですよ。このまま寝かしておいてくれたらいいのに…」 と照れ笑い。
すると長尾さんが「いやだめです。おこしますよ、ずっとみはってますから」 とツッコミを入れる姿からは、現場での信頼関係がうかがえました。
そんな長尾さんは監督の印象を「(会う前は)どんな方なんだろうという緊張感があったのですが、実際にあったら大変失礼なんですけど、さっき孫みたいと言ってくれたので(と前置きし)、おじいちゃん、すっごい優しいおじいちゃんでした」 と語り、山田さんも「ずっとニコニコ見守って下さるし、しゃべり方もおだやかでチャーミング。幸せな撮影時間でした」 と続け、二人が「廣木組」の温かい現場を心から楽しんでいたことが伝わってきました。

廣木監督は主演ふたりの演技の相性について「ふたりの芝居をみるのは、とっても心地がよいんです」と絶賛。「(現場では)段取りしたら、すぐカメラを回していくんですけど、ふたりからは新鮮なお芝居を感じながら、撮影していきました」と、ふたりがライブ感のある演技を見せていたと、撮影を振り返りました。
ちなみに廣木監督は「おじいちゃん(苦笑)そこは兄貴と…」とツッコミをいれていましたよ。
2駅分を自転車で全力疾走
撮影隊はマッドマックスみたいなトラックに!
そして印象的なシーンとして話題が集中したのは、モノレールと自転車が並走するシーンです。
「本当に電車の横を自転車で走って撮りました」 と語る長尾さん。「自転車を漕ぐのも大変だったんですけど、撮影隊がマッドマックスみたいなトラックに乗ってて」 と過酷な撮影を振り返り、「自転車ほんとにめっちゃ漕いで2駅分ぐらい漕いだんじゃないですかね」 と明かしました。
また、モノレールからその姿を見ていた山田さんも、「長尾くんの自転車の疾走ぶりは、ほんとに速くて、それこそ頭がさがるぐらい、何回も何回も走っていて」 と熱演を称賛。この疾走こそが、宮嶺の切実な想いをスクリーンに焼きつけている。
ちなみに山田さんは、「序盤の景と宮嶺が自転車で帰る長回しで撮影されたこだわりのシーンに言及、とても素敵なシーンになっていて、本作にはそういうシーンがたくさんあるので、何度も観ていただけたら嬉しいです」と明かします。
あっという間のトークセッション。最後に長尾さんは「(この映画は)景と宮嶺の関係が主軸になっているので、皆さんにはふたりの出会いを意識して観てほしい」 とメッセージを送り、さらに11月7日から始まるコメンタリー副音声上映について「ノイズキャンセルが強いイヤホンだと、せっかくの(生活)音が聞こえなくなってしまうので、いい感じのイヤホンをつけて、何度も楽しんでもらえたら嬉しいです」 と実用的なアドバイスを送りました。
刺激的なトークと、作品の持つ切ない余韻。そのすべてが名古屋の観客の心に深く刻まれた、濃密な時間となった舞台挨拶。最後も観客に向かって深々とおじぎをすると、軽く手をふり会場をあとにした3人。
映画『恋に至る病』は大ヒット公開中です。
取材・文:にしおあおい(シネマピープルプレス編集部)
作品紹介
【ストーリー】
この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリー
内気な男子高校生・宮嶺と学校中の人気者・景。 不器用で一途な初恋、ふたりが交わした約束。
「どんな私でも守ってくれる?」
しかし、同級生の不審死が続発し、宮嶺は景に対して疑惑を抱く。
「もしかして君は、僕のために人を殺したの?」
殺人犯へと変わりゆく景。それでも、宮嶺の気持ちは変わらない。
やっぱり僕は君が好きだ―。
切なすぎるラスト4分。 《彼女の本心》が明かされる。
タイトル『恋に至る病』
監督:廣木隆一 脚本:加藤正人 加藤結子
原作:斜線堂有紀『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
音楽:加藤久貴
主題歌:「奇跡を待ってたって」 Saucy Dog (A-Sketch)
出演:長尾謙杜 山田杏奈
醍醐虎汰朗 中井友望 中川 翼 上原あまね 小林桃子 井本彩花 真弓孟之(AmBitious)
忍成修吾 河井青葉
前田敦子
配給:アスミック・エース
Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会
PG-12
公式サイト:https://koiniitaruyamai.asmik-ace.co.jp/
公式X:@KiY_movie
公式Instagram・TikTok:@kiy_movi




