6/21(金)より公開中!
「孤狼の血」シリーズで知られる
柚月裕子の警察サスペンスミステリー小説の映画化。
メガホンを取ったのは、『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利監督。
『あぶ刑事』のはちゃめちゃな昭和テイストを残しながら、
現代にしっかりフィットさせたセンスは凄かったけど、
シリアスな刑事ものなんて大丈夫?
と、勝手にヒヤヒヤしてたけど、全く余計な心配でした(笑)
今回は硬派とエンタメのエッセンスが混じり合う
極上の警察サスペンスミステリーに仕上げていて驚かされた。
女子大生が度重なるストーカー被害の末に殺害された事件に端を発して、
女子大生から出された被害届の受理を慰安旅行で先送りにした警察の失態、
その情報の出所を巡って起きる新聞記者の変死事件。
一体、何が起こっているのか?
一連の事件はどう繋がっていくのか?
原作未読のため全く先が読めず、
ミステリアスなストーリーに緊張感あふれる演出と映像、
主人公を演じる杉咲花の圧倒的な演技力にぐいぐい引き込まれ、
最後の最後まで目が離せなかった。
映画『市子』『52ヘルツのクジラたち』、
ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」と主演作が続く杉咲花。
本作では変死した親友のために事件の捜査に乗り出し、
成長していく県警職員の森口泉をさすがの演技力と強い眼差しで熱演。
もう、言うことなし!
原作はシリーズ第2弾が出ているらしいので、
なんとしても杉咲花で続きが観たい!
また脇を固めるキャストも絶妙。
泉の上司で公安出身の富樫役の安田顕のぬめっとした存在感、
県警捜査一課・梶山を熱く演じる豊原功補に、
泉に好意を寄せる磯川役の萩原利久もいい。
主要キャストだけでなく『辰巳』の森田想、遠藤雄弥など、
脇の脇にも注目俳優が揃っている。
さらに原作では架空の土地だった舞台を、映画では愛知県に設定。
岡崎市周辺でオールロケを行い、
劇中に出てくる桜は全て本物にこだわって撮影しているそう。
愛知県在住の人は知っている桜や風景を見つける楽しみも。
さて今回の写真ではおみくじをピックアップ。
ネタバレになるので詳しくは書けないけど、
事件の鍵を握る重要なアイテム。
そしてバックは映画を象徴する桜の色に。
美しい桜のシーンも印象的だった。
作品名:『朽ちないサクラ』
キャスト: 杉咲花 萩原利久 森田想 坂東⺒之助 駿河太郎 遠藤雄弥 和田聰宏 藤田朋子 豊原功補 安田顕
原作:柚月裕子「朽ちないサクラ」(徳間文庫) 監督:原廣利 脚本:我人祥太 山田能龍 製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ 制作プロダクション:ホリプロ 製作:映画「朽ちないサクラ」製作委員会(カルチュア・エンタテインメント、U-NEXT、 TC エンタテインメント、徳間書店、ホリプロ、ムービック、nullus) ©2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会 2024 年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/119 分
公式サイト:culture-pub.jp/kuchinaisakura_movie X/Instagram:@kuchinai_sakura
映画ライターー 尾鍋栄里子(おなべえりこ)
Twitter @onabe11
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!”不定期掲載