エリコのフォトdeシネマ♪ Vol.135『ボーはおそれている』

 心身ともに消耗させられる怪作 『ボーはおそれている』

2/9(金)より公開中

『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』と、強烈な映画を生み出してきたアリ・アスター監督の最新作。

母の元へと向かう怖がりな男ボーの旅に同行して、悪夢のような体験する。

前2作と同様に家族をテーマにしながら、アリ・アスターが自由にイマジネーションを炸裂させた、胸やけするぐらい濃厚な作品。

道に死体が転がり、まっぱの男が人を刺しまくる悪意にみちた不気味な街、イカれた家族が暮らす家、
森の中で開催される不思議なショー…

妄想と現実の境界さえわからない奇怪で不快な世界に連れ去られ、頭がおかしくなりそうに。
しかも、天井におっさん!?からの浴槽でくんずほずれつとか、屋根裏のお父さんがアレだったりとか、
ヘンテコな笑いもブッ込まれ、気持ち悪いやら、面白いやら、こちらの情緒がおかしなことに。

そして後半には、
ボーの成長を妨げた母親との歪な関係と、複雑な感情が明らかになってどんより。

あー、もう疲れるよ!

それでも現実、記憶、夢、舞台、全部がごちゃ混ぜになっていく何でもありな感じがたまらなく好き。
『オオカミの家』の2人が手がけたアニメパートもステキだったわー。

『サイン』でのビビり演技が秀逸だったホアキン・フェニックスは、今回も最高のパフォーマンスを見せてくれる。

さて今回の写真のアイテムは、ボーの悪夢の旅のきっかけとなるデンタルフロス。

デンタルフロスのくだりは、優柔不断で不安症なボーの性格もよく表してた。

2023年製作/179分/R15+/アメリカ
原題:Beau Is Afraid
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年2月16日

映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)

Twitter @onabe11
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!”不定期掲載

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