眞栄田郷敦『彼方の閃光』名古屋舞台挨拶で監督も知らなかった秘話明かす!

『彼方の閃光』名古屋舞台挨拶ゲスト眞栄田郷敦&半野喜弘監督

生まれて間もなく視力を失い手術して視力は取り戻したものの「色彩」を感じることができない20歳の青年、光。そんな彼が出会ったのは、戦後⽇本を代表する写真家・東松照明の写真。まるで導かれるように訪れた長崎で、彼は自称革命家の友部からドキュメンタリー映画製作に誘われるまま、⻑崎・沖縄の戦争の痕跡を辿ることになります。

現在、全国順次公開中の『彼方の閃光』は『ゴールデンカムイ』でも鮮烈な印象を残す眞栄田郷敦さんを主演に、『⾬にゆれる⼥』『パラダイス・ネクスト』の半野喜弘監督が、戦争の痕跡とそこに暮らしながら未来を守ろうとする⼈々の営みを繊細かつ鮮烈に描き出した意欲作。ほぼ全編モノクロの映像で紡がれているのが印象的です。

公開を記念し、名古屋に来たふたりがミッドランドスクエアシネマで行われた舞台挨拶に登壇!観客の質問に答える形で、撮影中の裏話やここだけの秘話を明かしてくれました。※以降敬称略

MCを務めるのは映画パーソナリティーの松岡ひとみさんです。

写真でみる『彼方の閃光』舞台挨拶

名古屋めしめっちゃ好きですよ!ひつまぶしに、天むすとか(眞栄田)
脚本になかった屋上のシーン、屋上に行ったらあまりに良くて思いつきで急きょ撮影したんです(半野監督)

監督 監督の半野喜弘です。この映画は、本当にいろんな困難に立ち向かった映画だったのですが、こうして公開でき、みなさまに観てもらえて感無量です。よろしくお願いします。

眞栄田 光を演じさせていただきました眞栄田です。沖縄、福岡、大阪ときて、名古屋が最後なんですけど、一緒に盛り上げていければ嬉しいです。よろしくお願いします。

MC (劇中に出てくる写真家の)照明さんも名古屋出身ということで縁を感じます。名古屋はお久しぶりですか?

眞栄田 そんなことないです。舞台挨拶としてはデビュー作ぶりなのですが、仕事とかで来てます。はい。

MC 何かお好きなものはありますか?

眞栄田 めっちゃ好きですよ!名古屋めしは…ひつまぶしとか、天むすとか。

監督 僕は名古屋は久しぶりですね。昔は、音楽をやっていたので、コンサートとかでよく来てました。

MC 撮影を振り返って印象的なエピソードはありますか?

監督 どれって言われてもね、本当にたくさんあるんですけど…、このポスターのシーン。屋上のシーンすごくいいシーンじゃないですか、このシーン本当は脚本になくて、屋上に行ってみたらすごく良かったので、郷敦呼んできてって言って、思いつきで撮って。光はきっとこの失意の中、空に向かって、自分が何色かわからない何かをこう塗るよねって話で、カメラマンと3人でアドリブで撮ったシーンです。

眞栄田 かなり長い時間回してましたよね。こう動きまわって。

MC 撮影現場で素敵な景色があるなっていうところで変わったシーンとかもあるんです?

監督 そうですね。僕自身が原案と脚本をやっているということもあって、許可を取るとか、誰かの何かっていうことじゃなく、チームでこれをやろう、ここはこう変えようということを、自分たちで話し合って映画を作っていたので、そういう意味では僕が監督としてというよりも、みんなで作ったという感じがすごく強いです。

衣装は人が着てたり、時間経過していることがすごく大事
光や友部の衣装、実は僕の私物も使われてるんですよ(半野監督)

MC みなさんも眞栄田さんと監督に直接お話をお聞きしたいと思いますので、質問のある方は挙手で!(めっちゃ手があがる)

眞栄田 じゃあ、はい(そこのあなた)

観客 衣装がすごく個性的で、売っていないようなヒョウ柄とか、その上に柄とかすごく気になって、映画を何回も観ている中で衣装に注目してみてたら、靴がすごく可愛いなと思って、ネットで探して購入したんですけど、どうやってそれを見つけたのかなと?

監督 あれはスタイリストの方が作ったんです。

眞栄田 売ってないんですよ。あの靴今うちにあります。

監督 郷敦家にあるの?何か記念に1個持って帰ろうってことになって…

観客 そうなんですね。そっくりなの見つけて喜んでました。

監督 光の衣装のいくつかは僕の私服です。サングラスとか、僕が普段からかけてるやつです。あと、友部が着ているサファリベストみたいなのは、僕が25年ぐらい着続けてボロボロになっやつです。衣装は人が着てたり、時間経過していることがすごく大事で。日本だとそういうのを思い通りにやるのは難しいので、僕はいつも1年前ぐらいから衣装を探したりしているんです。

眞栄田 1回白黒にして、どうやって見えるかも試されてましたよね。

監督 今回はモノクロが前提なので、例えば赤と青って同じような色に見えちゃったり、光の反射の加減とか、ロケーションも含めて、全部いったんモノクロにして判断するということをやってました。

チャンプルーのイントネーションが好き
沖縄に行った時も「ゴーヤチャンプルー下さい」言ってます!(眞栄田)

観客 映画の中で、沖縄と長崎の方言がたくさん出てくると思うんですけど、印象深い言い回しだったり好きな方言はありましたか?

監督 そうですね。沖縄の「なんとかさー」「なんとかしましょーねー」っていう語尾が、すごく優しい感じが好きですね。

眞栄田 僕は「チャンプルー(ルーのイントネーション)」って言うじゃないですか、あれが好きでよく使っています。沖縄行った時も「ゴーヤチャンプルー下さい」って言ってます(笑)

観客 光という役は難しい役どころだったかと思うのですが、どうやって光になっていったのか気になりました。

眞栄田 序盤は目が見えなかったり、色が感じられない状況で、世の中のよさも物理的にみえなかったり、人の温かさがわからない部分もあって、最初は結構世の中に対してとんがっているというか、そういう感じでやらせてもらったんですけど、長崎や沖縄に行って、友部さんやいろんな人と関わる中で美しいものをみたりして、こう変化していった、長崎や沖縄の撮影は初めて行く場所も多くて、ドキュメンタリーを撮っているような感覚でした。後半は光と一緒にというか、光なのか自分なのかわからなくなる瞬間も多かったです。

観客 音がとても印象に残りました。何か工夫されたことはありましたか?

監督 人間の脳って、計算する速度とカロリーの限界ってものがあるんですよね。その多くが、網膜から入ってくる色彩情報、画像情報なんです。それを遮断することで、ちょっと聴覚に脳の計算速度が行くんですよね。だから今回、モノクロの場面に色が乗ると、あの友部の台詞の情報量は咀嚼しづらい可能性があるかもしれません。郷敦はサックスやるからわかると思うけど、音を真剣に捉える時って目を瞑るでしょ?あれは要するに遮断した方が耳が敏感になるからなんです。

眞栄田 絶対そうですよね。音の聞こえ方が違いますよね。

劇場の大きなスクリーンで、綺麗な画といい音で楽しんで欲しい(眞栄田)
日常っていうものの大切さをどうやって守るべきか考える作品になれば(半野監督)

MC 最後のメッセージ

眞栄田 舞台挨拶がないのはちょっと寂しいんですけど、 この作品は本当に長く残って、皆さんに伝わればいいなと思っています。 もちろん配信だったり、DVDを出すことは考えているし、実現もしたいんですけど、3月末ぐらいまで映画館で上映しているので、ぜひ劇場の大きなスクリーンで、綺麗な画(え)で、いい音で楽しんで欲しい作品なので、ぜひ周りの方々に広めていただければ嬉しいです。

監督 この映画はいわゆるストーリーや、そこから導かれる答えを提示するというだけの映画ではなく、映画と観た観客方々が対話をするような映画にしたいと思って、チームで作りました。映画を観て、何かを感じてもらえたら、その次に、また誰かと、対話を続けて、その対話をどんどん広げていってもらって、僕たちが今持ってる日常っていうものの大切さ、それをどうやって守るべきかということを、少しでもたくさんの人の心に届けばと思っています。よろしくお願いします。

『彼方の閃光』は2月2日(金)より、イオンシネマ津南、イオンシネマ各務原ほかで公開中です。

 

MC 松岡ひとみ 取材・文 にしおあおい(シネマピープルプレス編集部

 

作品紹介

【ストーリー】⽣まれて間もなく視⼒を失った10 歳の少年・光(ヒカリ)。
光にとって世界は「⾳」であり、彼はカセットテープに⾃分の世界を録⾳してゆく。
光の眼は⼿術をすれば視⼒を得られる可能性があった。⺟の説得により、⼿術を受けることを決意するが……。
20 歳になった光(眞栄⽥郷敦)は、東松照明(1930-2012)の写真に強く導かれるように⻑崎へ。
旅先で出会った⾃称⾰命家の男・友部(池内博之)にドキュメンタリー映画製作に誘われ、⻑崎・沖縄の戦争の痕跡を辿ることになる。
その中で、⼼に傷を負いつつもたくましく⽣きる⼥・詠美(Awich)、沖縄を愛し家族を愛する男・⽷洲(尚⽞)と出会う。
戦争の痛ましい記憶と彼ら3⼈の⽣き様は、光の⼈⽣を⼤きく揺さぶり始める。
灼熱の⽇々の中、光の眼に映るものとは、何か?
そして、51年後の2070 年、71 歳になった光(加藤雅也)。彼の⽣きる世界は⼤きく変容していた。

『彼方の閃光』
監督・脚本:半野 喜弘
出演:眞栄⽥郷敦 池内博之
Awich 尚⽞ 伊藤正之 加藤雅也
配給:ギグリーボックス
2022/⽇本・⽶/カラー&モノクロ/169分
©2022 彼⽅の閃光 製作パートナーズ
公式サイト: https://kanatanosenko.com
12 ⽉8 ⽇(⾦)TOHO シネマズ⽇⽐⾕ほか全国順次公開

 

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