音楽やファッションなど、さまざまな文化が入り混じる街、今池に、新たなミニシアター「ナゴヤキネマ・ノイ」が2024年の開館を目指しクラウドファンディングで資金を募ります。
立ち上がったのは、7月に閉館した名古屋シネマテークのスタッフたち。名古屋シネマテークの跡地を改装し、40席ほどのミニシアターとして来年2月開館を目指し準備を進めているそうです。
劇場名は、ジャン=リュック・ゴダール監督の『新ドイツ零年』から「新」を意味するドイツ語の「ノイ」をとり、名古屋と映画をかけあわせた「ナゴヤキネマ・ノイ」に。キネマはギリシャ語で動きに由来する。新しく始動する映画館にピッタリの劇場名です。
また、ロゴなどのデザインは、名古屋芸術大学の学生と教員たちのサポートを受けているそう。
新劇場は、共同代表のひとり永吉直之さんが支配人を務める。オープニング作品は、救急医療の最先端を担う名古屋掖済会病院を取材したドキュメンタリー映画『その鼓動に耳をあてよ』が決定。ほか、福祉施設に集う愛すべき人々の日常を描いた『フジヤマコットントン』やロベルト・ロッセリーニ監督作、カール・テオドア・ドライヤーの特集上映などを予定しています。
\㊗開館決定🎊/
|◤#ナゴヤキネマ・ノイ◢|@nkn_2024✨2024年2月 上映決定✨#東海テレビドキュメンタリー劇場 第15弾
『#その鼓動に耳をあてよ』オープニング作品としての上映!光栄です👏👏👏
12/6午前0時よりクラファンもスタートとのこと!劇場公式サイト▼https://t.co/uZy6MWQy3B
— 東海テレビドキュメンタリー劇場 最新作『いもうとの時間』公開決定 (@tokaidocmovie) December 5, 2023
元支配人・平野勇治氏のパートナーで共同代表を務める安住恭子さんは「僕は映画をプレゼントしてきたんだ」という平野さんの言葉を紹介。「だからこそ、名古屋シネマテークは愛されてきたし、多くの人に惜しまれ、再開を望む声もあがった。そういう映画館を残すべきだし、残したいと思い今回参加しました」と思いを明かしました。
同じく共同代表を務める仁藤由美さんは「映画館にもっと親しみをもってもらう施策をどんどん考えていきたい」と話す。そのひとつが、クラウドファンディング。映画館の内装や座席などの改装、映写音響整備費などに使われる予定で、より持続可能な映画館にするべく、チャレンジしていきたいという。クラウドファンディングは、12月5日の24時(6日の0時)からスタート。
クラウドファンディングページ
https://motion-gallery.net/projects/nagoyakinema-neu
クラウドファンディングには、柄本明さん、小泉今日子さんをはじめ、瀬々敬久監督、三宅唱監督ら、多くの映画人が呼びかけ人として応援コメントを寄せている。呼びかけ人に、石井裕也監督や山下敦弘監督の名前も。
永吉さんは設立にあたって、街の人たちからの声に背中を押されたと振り返る。「いろんな劇場が街にあることが、豊かさにも繋がっていく。作品も運営の仕方も「多様性」を大事に「みんなの映画館」を作っていきたい」と意気込みを語りました。
ナゴヤキネマ・ノイ設立に向けての、プレス向けご説明会を開きました。名古屋のみならず、テレビ・新聞社・ネットメディアなど、多くの皆様にお集まりいただいきました。#ナゴヤキネマ・ノイ #ナゴヤキネマノイ pic.twitter.com/lkttEGrs6d
— ナゴヤキネマ・ノイ公式 (@nkn_2024) December 5, 2023
閉館のニュースが相次ぐ厳しい状況の中で、新たなスタートをきるミニシアター「ナゴヤキネマ・ノイ」。その挑戦をこれからも応援していきます。
公式サイト https://nk-neu.com/
公式X @nkn_2024
取材・文 にしおあおい (シネマピープルプレス編集部)