今回は『リバー、流れないでよ』の感想です。
『リバー、流れないでよ』
面白かった!京都行きたくなった!ヨーロッパ企画の舞台を見に行きたくなった!
最近の邦画のタイムループ作品は面白いですね〜。忙しくて視野が狭くなりがちな現代人に向けた優しい空気感が漂う今作は、作中の尺も本当におよそ2分でワンカットで36回ループします。その演出自体が大胆で見たことなくて面白いですよね。ちなみに僕は、ワンカット長回しの演出が大好きなので、今作の作風がたまらなく好きでした。
キャストのみなさんがヨーロッパ企画の劇団の舞台俳優さんが中心だからこそできた”劇”の空気感やセリフの掛け合いがありました。撮影はかなり難しかったんじゃないかと思います。そして今作は「京都」という土地柄も相まって、雪景色も然り、日本人の原風景と表現したいく<日本的な映像美>が画面にいっぱいなのも魅力の一つです。
友達と1月に一泊、5月に一人で日帰りで京都に行ったばかりなのですが、またしても京都、貴船に行きたくなりました。旅館に泊まって、ゆっくり温泉につかりたいです…。
皆さんは、絶対に戻れるならタイムループしてみたいですか。僕はしてみたいです。笑
淀みなく流れていく時間を気にかけている暇すらない日々を送っている人が多いんじゃないかと思いますが、今作は時には立ち止まってみようと思わせてくれる優しい作品で、僕はラストシーンで未来へとある問題提起をするシーンで真すぐな目でセリフを言う主人公のミコトに涙してしまいそうになりました。僕はそのシーンで一気に心が持っていかれました。
そのシーンで作品の印象が一気にガラリと変わりました。
脚本、演出、劇団の方ならではのコミカルなお芝居、そしてなんといっても旅館全体をフルに使った撮影が考え抜かれていて伏線の張り方も、回収の仕方も見事だなと思いました。
現在公開中の邦画で一番おすすめです!
では、また次回!
ゆーと。
映画観賞:年間200本
将来は映像監督めざしています!初の短編映画製作しました。Twitter @yutomiyake
<あらすじ>
舞台は、京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」。 仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。 だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく貴船川を前にしている。 「・・・・?」 ミコトだけではない、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちはみな異変を感じ始めた。 ずっと熱くならない熱燗。なくならない〆の雑炊。永遠に出られない風呂場。自分たちが「ループ」しているのだ。しかもちょうど2分間! 2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまう。 そして、それぞれの“記憶”だけは引き継がれ、連続している。 そのループから抜け出したい人、とどまりたい人、それぞれの感情は乱れ始め、 それに合わせるように雪が降ったりやんだり、貴船の世界線が少しずつバグを起こす。 力を合わせ原因究明に臨む皆を見つつ、ミコトは一人複雑な思いを抱えていた。
<概要>
出演:藤谷理子 永野宗典 角田貴志 酒井善史 諏訪雅 石田剛太 中川晴樹 土佐和成 鳥越裕貴 早織 久保史緒里(乃木坂46)(友情出演) 本上まなみ 近藤芳正 原案・脚本:上田誠 監督・編集:山口淳太 主題歌:くるり「Smile」(Victor Entertainment / SPEEDSTAR RECORDS) 音楽:滝本晃司 撮影:川越一成 照明:徳永恭弘 藤川達也 録音:平川鼓湖 倉貫雅矢 美術:相馬直樹 装飾:角田綾 衣装:清川敦子 ヘアメイク:松村妙子 助監督:渡邉新之輔 撮影協力:料理旅館 貴船ふじや 宣伝美術:三堀大介(SIREN Inc.) スチール:濱田英明 宣伝プロデューサー:平井万里子 宣伝協力:ニッポン放送 プロデューサー:大槻貴宏 配給:トリウッド 友情配給:東宝ライツ事業部 製作:トリウッド ヨーロッパ企画 2023年/カラー/5.1ch /86分. © ヨーロッパ企画/トリウッド 2023