今回は、「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」の感想です。
そうきたか~…. 拍手喝采
サブタイトルにもある通り、予想外のラストにかなりびっくりしました。笑 あまり内容には触れられないのですが、 その“ラスト”が起きそうな予兆というか、 もしかしたら起きるんじゃないかという、緊張感は終始あったのですが、 まさか、あそこで起きてしまうとは思いませんでした。
今作は、フランスの刑務所にいる少し癖のある囚人たちが、一つの演劇を通して一致団結していく姿を描く のですが、僕はフランスの刑務所どころか日本の刑務所ですら、どのようなことが中で行われているか、ど のような施設なのかも知らなかったのですが、想像以上に囚人たちは退屈な日々を過ごしていることを知り ました。
今作の一つのテーマでもある“待つ”ということにも繋がるのですが、囚人たちは朝起きてから夜になって寝 るまで、“待つ”しかない暮らしをしているのです。 作中では、意図的に罪名や服役の理由、人物たちの過去などについて触れられないのですが、 みんな明るくて、ジョークを言い合ったりしているところから、どうも悪い人たちには見えないんですよ ね~。 なので、刑務所の中で周りの監視員などの大人たちの冷酷な扱い、希望のない少し可哀想な暮らしぶりか ら、囚人ひとりひとりの境遇は分からないけれど、もう少し良い待遇でも良いのではないかと、新しい視点 で人権を考えました。驚きや、憤り、感動、色々なことを感じさせられるラストでしたが、努力、苦労を最もしていた人がしっかり評価されていて、ある意味、良い終わり方だと思おました。こんな世界もあるのか、、、、
僕も、これを読んでいるみなさんも恐らく知らない、普通に生きていたら知ることもない様な現実世界を痛 く突きつけられる忘れられない作品になりました。 触れたら一気に壊れてしまいそうなくらい繊細で、自己中心的だけど、美しく芸術的な喜劇でした。 ぜひみなさんも、知る由もなかった世界覗いてみてはいかがでしょうか。
2020年製作/105分/PG12/フランス
原題:Un triomphe
配給:リアリーライクフィルムズ
ゆーと。
映画観賞:年間200本
将来は映像監督めざしています!
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