トウキョウソナタ

今日は、黒沢清監督の最新作「トウキョウソナタ」を観てきました。

父のいただきますの声がきっかけでやっと全員の食事が始まる、そんな家族たちが主人公。

父は大手メーカーでコツコツ働き、47歳で総務部の課長になるが突然リストラされてしまうが自分の威厳を守るため、家族に言い出せない。

長男も次男も、やりたいことがあるが、父には相談できない。なぜなら父はなんでも自分の価値観でしか決められない男なのだ。そんな3人のクッションになるのは優しい母だった。

リストラされていることを内緒にし、毎朝会社にいくフリして出勤、公園の炊き出しに並んで食事をとり、ハローワークへかよう。なぜ、いいだせないのか?そんなに威厳やプライドが大切なのか?
この父親をみていると腹が立つどころか、滑稽で仕方がない。
家族を守るなんて口ばっかりだ。

長男は去り、次男も秘密をもちいよいよ、家族はバラバラに。ある日、次男が家に帰ると誰もいなくなり家の中はごった返していた。
この家族はどこに向かうのだろうか・・

何気ないシーンが多いのに、せつなくなったり、腹が立ったり、笑ったり、共感したり。ラストは張り詰めていた緊張がほぐれ、涙腺までもゆるんでしまったじゃないの。

この家族は日本の経済状況や世界情勢など無縁そうにみえますが実は、外部の大きな力に翻弄されて生きていたのです。失業、リストラ、学校の問題(特に先生と生徒の問題)、戦争・・まさか、中東の戦争までこの平凡な家庭に関係してくるとは思ってもいない展開だった。

トウキョウソナタの取材はきっと自分の感想ばかりで
質問時間がなくなってしまいそうだ。きをつけなくちゃ。

http://tokyosonata.com/index.html

 

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