各世代を代表する実力派女優の体当たり演技に魅せられる『アンモナイトの目覚め』
オスカーを獲得した『愛を読むひと』をはじめ、アカデミー賞に7度ノミネートされたケイト・ウィンスレット。
26歳にして4度のアカデミー賞ノミネートを誇るシアーシャ・ローナン。
各世代を代表する演技派女優が初共演!
もう、これだけでそそられる。
映画の舞台は1840年代のイギリス。
描かれるのは海辺の町で暮らす古生物学者メアリー・アニングの物語。
不遇な境遇で固く心を閉ざしているけれど、ふいに優しさと愛情がこぼれてくる。
そんなメアリーという女性を佇まいやまなざし、表情の微細な変化で体現するケイトの凄さ!
対する化石収集化の妻シャーロットを演じたシアーシャも。
憂鬱げに沈んだ顔がイキイキと輝きを取り戻していく、悩める若妻の変貌を完璧に演じていてさすが。
そんな2人が抑えた演技から一転、欲望を解き放ち、体当たりでぶつかるシーンはただただ圧巻。
ちなみに本作でケイトが演じたメアリー・アニングは実在の人物。
19世紀、男性優位の階級社会の中で独学で古生物学を学んだ彼女に、フランシス・リー監督が強く惹かれたんだそう。
ただ彼女に関する文献は見つからず、映画は独自の解釈で描いたとか。
題材選びも説明を排した繊細な演出も秀逸なリー監督。今後の活躍にさらに期待!
さて今回の写真は貝殻。
メアリーは海辺で拾った貝殻をあしらった土産物を売っていて、それがメアリーとシャーロットを繋ぐアイテムとしても登場します。
2020年製作/117分/R15+/イギリス
原題:Ammonite
配給:ギャガ
(C)The British Film Institute, The British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited 2019
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