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『ゾッキ』愛知県横断舞台挨拶に出演者の松井玲奈らが登壇「たくさんの方にこの映画を観てもらえたのが“ど嬉しい”」
3月20日から蒲郡市、3月26日から愛知県(一部劇場を除く)で先行公開されている『ゾッキ』の愛知横断舞台挨拶が27日、ミッドランドスクエア シネマで行われ、竹中直人監督、山田孝之監督、齊藤工監督、出演者で豊橋出身の松井玲奈が登壇。4月2日の全国公開を前に、ひと足先に公開された愛知で舞台挨拶した感想や映画のエピソードを披露した。
本作は、ミニシアターでの公開ながら4万人を動員し、異例のヒット作となった『音楽』の作者で、漫画家の大橋裕之の幻の初期作集「ゾッキA」「ゾッキB」を原作に、作品をこよなく愛する竹中直人が、山田孝之、齊藤工と共に共同監督を務めた作品。ありふれた日常を描きつつも、明日をちょっとだけ楽しくしてくれる群像劇に仕上がっている。
この日は朝から、松井の地元、ユナイテッド・シネマ豊橋18を皮切りに、豊川、岡崎、豊田、そしてここ名古屋と県内5ヶ所で舞台挨拶を敢行した4人。各所で、様々な激励を受けた松井は「たくさんの方にこの映画を観てもらえたのが“ど嬉しい”」と名古屋弁で喜びを口にすると「ちょっとでもこの映画好きだなぁって思ったら、ぜひお友達にも『ゾッキ』面白かったから見てみりんよ!って言ってもらえたら嬉しいな」と三河弁で可愛くアピールし会場の笑顔を誘うと、齊藤も「こんなに立て続けに市長に会う機会もなかなかないので貴重な経験をしました」と1日の感想を振り返った。
「こんな面白い役人生で二度とない」(松井)
竹中直人監督が手掛けるパートに出演する松井玲奈は「話を聞いた時は『えっ?これ?!?!』って驚いたんですけど、こんな面白い役なんて人生で二度とないと思って、絶対やりたい」と思ったそう。実は、この役。竹中監督が、本作を撮るきっかけにもなっていて「映像に撮りたい、この面白いヒトコマがあったからこそ、映画が生まれたと言っても過言ではないんですけど、その時に松井玲奈さんの声の音色身体の線とかが浮かんだんです」と話す竹中監督は「実際に特殊メイクをして現場に現れた松井さんを見た時は『本物だっ!』って思いました」と想像通りだったことを明かした。
「リスト化されるキャスティングを見てて面白いなと思った」(山田)
個性豊かなキャスティングが揃った本作に山田は「キャスティングが決まると、どんどんリスト化されるんですけど、へぇ面白いなあと思いながら見てました、3人とも感覚や人付き合いが違うので」と振り返ると、竹中監督が「山田組だと(松田)龍平、自転車に乗る龍平見て、その彼が自転車からおりて目の前にきたら圧倒されて、斎藤組だと、伴くん(九条ジョー)。よく、こんな漫画から出てきたような人を見つけたなあと思いました」とふたりのキャスティングについて言及。斎藤は「竹中組は、竹原ピストルと倖田來未というペアできたときに、このキャスティングは自分にはできないなと思いました」と語った。
「玲奈さんがガラスを踏むシーンにゾッキぞわぁあ」(竹中)
名古屋会場では、SNSで事前に募集した質問を登壇者に。「撮影中に思わずゾキゾキしてしまったエピソードは?」という質問を投げかけられた山田は「初めて聞く擬音なんですけど、ゾキゾキとは? ゾクゾクではなく、ゾキゾキ、自分たちなりのエピソードということで言えば、撮影がなかった日に、一人で町を歩いていて、道端にへびがいて、へびいるわぁ~とか、パァパァ鳴るクラクションのほうを見たら、蝶々がいて、蝶々とんでるなぁ、今日は外寒いなぁと居酒屋でやきとり食べて、レモンサワー飲んでちょっと酔っぱらってきて、寒いなぁと思いながらホテルに帰って、歯を磨いて、寝て、ほんと今日はゾキゾキだったなぁ」と、ゾッキの世界のような日常のささやかなエピソードを披露。
松井は「ガラスを踏むシーンがあったんですけど、踏んでいいやつってわかっていても、ガラスを踏むって勇気がいる、足をのせて、ガラスがパキパキって音を聞いた時に、刺さっちゃったらどうしようという気持ちと、すごく気持ちいい音だなぁっていうのが、ぐちゃぐちゃになって、(監督から)いい絵になったと言われた時」とゾキゾキ体験を振り返った。
竹中は「2018年の5月に前野朋哉と舞台をやってて、前野朋哉の楽屋の冷蔵庫の上にゾッキA、Bが置いてあって、読み始めたら、ガラスが割れて地面にグサグサと刺さるシーンで、それを実際に玲奈さんで撮影した時は、うわぁゾッキぞわぁあとしました」と新語を織り交ぜコメント。
一方斎藤が体験したのは、心霊現象ならぬミラクル体験???「九条ジョー演じる伴くんがお芝居で森優作に殴られるシーンで、地面に倒れた時に、九条ジョーさんからやぎの鳴き声のような謎のリアクション音が録れていて、殴られた直後ならわかるんですけど、少し間をおいてから「めぇえええええええええ」という。現場では気づかず、後日編集で気がついて、それがとても印象的だったので、後日アフレコで再現してもらおうと思ったんですけど、本人も再現できないという。奇跡的な音だったという、それはゾキゾキする出来事でした。」
「じんわりと周りの方に広めていただきたい作品」(齊藤)
最後に齊藤が「原作を読んだ時に、これは他人事のお話じゃなくて、自分のことだなって思って。性別、年齢、国籍を超えた何かが、半径数メートルの世界で起こる映画です。みなさんも心あたりがあるエピソードが描けていると思っていますので、じんわりと感じていただけた方は周りの大切な人にじんわりと広めていただきたい」と舞台挨拶をしめくくった。
終始チームワークの良さをみせた4人は28日にも、愛知県内で舞台挨拶を行う。映画の全国公開は4月2日(金)から。
作品紹介】
『ゾッキ』が生まれた原点である原作者・大橋裕之の愛知県蒲郡市でロケを敢行。監督を務めるのは、俳優として第一線で活躍し、映画監督、プロデューサー、クリエイターとしても活躍する竹中直人、山田孝之、斎藤工の3人。人脈を駆使し、こだわった多彩なキャストや音楽も話題。市井の人々の悲喜こもごもを独自の世界で描き出す、クスっと笑える会話をはじめ、思わず抱きしめたくなるようなエピソードでつづられている。
映画「ゾッキ」 監督:竹中直人 山田孝之 齊藤 工 原作:大橋裕之「ゾッキA」「ゾッキB」(カンゼン刊) 脚本:倉持裕 音楽監督:Chara 主題歌:「私を離さないで」Chara feat. HIMI 出演:吉岡里帆 鈴木福 満島真之介 柳ゆり菜 南沙良 安藤政信 ピエール瀧 森優作 九条ジョー(コウテイ) 木竜麻生 倖田來未 竹原ピストル 潤浩 松井玲奈 渡辺佑太朗 / 石坂浩二(特別出演)/ 松田龍平 / 國村隼