伊藤さとりの映画で人間力UP!『お茶の間のハリウッド・スター、ブルース・ウィリスに思いを馳せる

ブルース・ウィリスが引退ですって?!

 

現妻エマ・ヘミング・ウィリスと家族はもちろん、元妻デミ・ムーアまで名前を連ねてインタスタグラムで引退を発表だなんて、どれだけ愛されている男なのでしょうか。理由は失語症とのことで俳優業引退、それは仕方がないことですが、お身体の方も心配でございます。そのニュースを聞いて、毎年、アカデミー賞の前日に発表されるラジー賞ことゴールデンラズベリー賞(その年の最低だと思われる映画や演技に賞を与える)でのブルース・ウィリスへの受賞を取り消す声明もラジー賞サイドから出されました。

しかも今年はブルース・ウィリスが出演した8作品だけが候補になる「ブルース・ウィルスによる2021年公開映画の最低演技」部門が設けられるというブラックジョーク的な発表だったので、受賞取り下げも映画賞側のブルースへの愛による真摯な対応だと思うんですよ。だって1998年のラジー賞では『アルマゲドン』『マーシャル・ロー』『マーキュリー・ライジング』で最低主演男優賞を受賞するという愛されっぷりだったのですからね。

そんなブルース・ウィルスは私のような昭和世代にとっては“日本のCMによく出る庶民的ハリウッドスター”であり、今でこそソフトバンクCMのドラえもん役の印象が強いですが、この方は1990年代からNTT超小型携帯電話mova、スバルのレガシーやら、缶コーヒー、ジョージアやら、コンスタントに様々な企業のテレビCM出ております。さらに時代を遡ると、最初に存在を知ったのは、1986年からNHKで放送されていたTVドラマ「こちらブルムーン探偵社」のデイヴ役!シビル・シェパード演じる探偵事務所の社長マディ相手に弾丸トークを展開するも足蹴にされる小粋なドラマの探偵さんを楽しみにしていた中学生時代。個人的には『パルプ・フィクション』やら『12モンキーズ』、『シックス・センス』はもちろんテッパンですが、1987年公開の『ブラインド・デート』でのキム・ベイシンガー共演によるラブコメを制服姿でひとり映画館へ観に行って、微妙な笑いにほくそ笑んでいたことまで思い起こされます。

コメディからアクションまで出来ちゃうスター、ブルース・ウィリスの今回の俳優引退声明についてはシルヴェスター・スタローンもショックだったようで、ジェットコースターに二人が並んで座っている思い出写真と共にコメントをインスタグラムにアップするほど。そもそもスタローン監督の『エクスペンダブルズ』にブルース・ウィリスがチラリと出演したのも親交があったからで、途中、ギャランティ問題でスタローンがキレて、ツイッターにブルース・ウィリスへの文句を書いてしまったことからブルース・ウィリスが『エクスペンダブルズ3』降板となった過去もあるのことから、このコメントには胸アツでございました。そう考えるとお茶の間のハリウッドスターと言っても過言ではないブルース。だって『ダイハード』シリーズや『アルマゲドン』などテレビ放送も頻繁な娯楽作との相性もぴったりで間違いなく人にも愛されたんですから。ブルース・ウィリス、俳優を辞めてもどうかお元気で。

 

映画パーソナリティ 伊藤さとり

ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当する。全国のTSUTAYA店舗で流れる店内放送wave−C3「シネマmagDJ、俳優対談番組『新・伊藤さとりと映画な仲間たち』(YouTubeでも配信)、東映チャンネル×シネマクエスト、映画人対談番組『シネマの世界』など。NTVZIP!」、CX「めざまし土曜日」TOKYO-FMJFN、インターFMにもゲスト出演。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿。日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。

 

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