エリコのフォトdeシネマ♪ Vol. 29『スーパーノヴァ』 

全てを受け入れる深い愛に心震える⁣
『スーパーノヴァ』⁣

20年来のパートナーであるピアニストのサムと作家のタスカーが、キャンピングカーで旅に出る。⁣

道中で交わされるウィットに富んだ会話、身体を寄せ合って眠る姿、お互いを見つめる眼差しから2人が深く愛し合い、強い絆で結ばれていることがわかる。⁣

そしてタスカーが徐々に記憶と能力をなくす病に冒されていることが明らかに。⁣
辛すぎる事実に苦しみながら、最後まで添い遂げたいと願うサム。⁣
変わり果てた姿を晒し、苦しめたくないと考えるタスカー。⁣

美しい湖水地方の風景の中で、静かに浮かび上がるそれぞれの痛みと悲しみ、全てを受け入れる深い愛と覚悟に心が震えた。⁣
そして最後にサムが奏でる繊細なピアノの調べの余韻にいつまでも浸っていたくなる。⁣

サムとスタンリーを演じたのは、コリン・ファースとスタンリー・トゥッチ。⁣
なんでも本作のオファーをされたスタンリーが、20年来の友であるコリンに自ら脚本を手渡し共演を切望したそうで、その関係性が映画にも活かされている。⁣
恋人同士の空気感はもちろん、分かち合ってきた年月を滲ませる2人の演技が、間違いなくこの映画を特別にしていると思う。⁣

サイトによるとタイトルのスーパーノヴァ(超新星)は、星の進化の最後に起こる巨大な爆発のことで、タスカーが夜空にロマンと人生そのものを感じていることを表していると同時に、この愛の物語が壮大な宇宙を背景にしていることも指しているのだそう。⁣

ということで今回の写真は星空をイメージ。⁣
ノートの白いページの意味は映画で確認してください。

2020年製作/95分/G/イギリス
原題:Supernova
配給:ギャガ

https://gaga.ne.jp/supernova/

「ストーリー」

ピアニストのサムと作家のタスカーは、ユーモアと文化をこよなく愛する20年来のパートナー。
ところが、タスカーが抱えた病が、かけがえのないふたりの思い出と、添い遂げるはずの未来を消し去ろうとしていた。
大切な愛のために、それぞれが決めた覚悟とは──。

(C)2020 British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, Supernova Film Ltd.

『フォトdeシネマ』

映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)
映画館バイト雑誌映画担当映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!不定期掲載

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