5月15日の公開以来、全国の劇場で躍進を続けている映画『正直不動産』。本作の爆発的なヒットを記念した「大ヒット開店御礼!<名古屋出張>舞台挨拶」が、6月4日に109シネマズ名古屋にて開催されました。

全国を巡った出張舞台挨拶の締めくくりとなるフィナーレの地に選ばれたのは名古屋。上映後の興奮が冷めやらぬ場内に、嘘がつけない不動産営業マン・永瀬財地を演じた山下智久さんが姿を現すと、客席からは割れんばかりの拍手が沸き起こりました。
テレビドラマを経て銀幕へと進出した本作は、客と業者の情報格差にスポットを当て、不動産業界の裏側に切り込んできたビジネスコメディ。海外ドラマシリーズへの出演などグローバルに活躍の場を広げる山下さんにとって、日本映画への出演はじつに8年ぶりとなります。
名古屋といえば「ひつまぶし」だけど…永瀬財地流の接待ビジネス論
ステージに登壇した山下さんは、集まったファンからの温かい歓迎に笑みをこぼし、ご当地グルメにまつわるエピソードで会場を一気に和ませました。
音楽活動でも度々名古屋を訪れているという山下さん。今回の来名が決まった瞬間から「正直、ひつまぶしのことばかり考えていた」と告白。とともに熱い声援を送る地元のファンへ、直接感謝を伝えられる日を心待ちにしていたという。
MCから「もし永瀬財地が名古屋支店に異動になり、大事な顧客を接待するなら?」というユニークな質問には…。
山下「大事なお客様であれば、やはり一番のごちそうを提供したい。手っ取り早いのはひつまぶしだと思います。ただ、永瀬財地の視点で考えると、もし『早く用件を済ませたい』という状況なら、あえて“あんかけスパゲティ”を選んで、パパッと食べて商談を終わらせるという思考に至るかもしれませんね。」
名古屋名物の「あんかけスパゲティ」もしっかり認知しているようで、多忙なビジネスパーソンの視点に立ったリアルな回答で客席を唸らせます。
ちなみに、トッピングの定番である「ミラカン(ミラネーゼ・カントリー)」の話題に及ぶと、仕事の合間に麺類に救われているという自身の私生活とも重ね合わせ、「パパッと行ってすぐ内見、という永瀬のスタイルにはぴったり」と、役柄さながらのスピード感を披露しました。
5年の絆が生んだ「引力」――桐山(市原隼人)との至近距離アドリブ
イベント中盤の観客からの質問コーナーでは、劇中で強烈な印象を残す、永瀬と元同僚・桐山貴久(市原隼人)との「近すぎる距離感」にスポットが当てられました。桐山はドラマ版の初期から作品を支えてきた人気キャラクター・その緊迫した対峙シーンは、多くの観客が息を呑むポイントでもあります。
「なぜいつも2人はあんなに距離が近いのか」という鋭い質問に対し、山下さんは深く頷きながら、彼に絶大な信頼を置いていることを明かします。
山下「実はみんな思っていますよね、距離が近すぎるって(笑)。いい質問です。なんだったら、恋人役の泉里香さん(榎本美波役)よりも至近距離でしたから。でも、あれが成立するのは市原隼人くんだからです。隼人くんは本当に真っ直ぐな男で、裏表が一切ない。あの至近距離で対峙する瞬間は、お互いの気持ちが溢れ出た結果であり、この作品の大きな見せ場になっています。」
台本には一切記載されていないという、あの張り詰めたような距離感。胸に秘めた熱い思いを伝えたい、けれど手を出すわけにはいかないというキャラクターたちの葛藤が、あの空間を生み出したのだという。
山下「お互いに引き寄せられるような『引力』があるんです。『近いね』なんて言葉は現場では交わしません。いつ爆発してもおかしくない緊張感を伝えるための距離。あれは市原くんだからこそ成立したものです。ただ、みなさんは真似しないように(笑)」
初対面では決して真似できない、5年におよぶシリーズの歴史と役者同士の絆が生んだ奇跡的なアドリブの裏側に、会場のファンは深く聞き入っていました。
「食わず嫌い」はストレート負け、私生活でも嘘がつけない素顔
舞台挨拶では、「嘘がつけない」という永瀬財地の呪いのような体質にちなみ、山下自身の「正直すぎる弱点」についてのトークも展開。
かつて出演したバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』の人気コーナー「新・食わず嫌い王決定戦」では、3回出場して3回ともストレート負けを喫したという微笑ましい失敗談を披露。嘘をつこうとしてもどうしても顔に出てしまうという、永瀬との共通点に会場からは納得の拍手が送られました。
昔から仕事に対しては常に正直に向き合ってきたと言い、学生時代にマネージャーから強く勧められた案件に「心がワクワクしなくって、自分にはできないです」と断り、「やばい奴だな」と驚かれた過去の苦い記憶も回想。しかし、「当時、自分の意志をちゃんと伝えられたことは、勇気が必要だったけれど間違っていなかった」と振り返る表情には、誠実にキャリアを積み重ねてきた表現者としてのプライドがにじみます。
日常の小さな幸せを見落とさずに描く川村泰祐監督の人柄が、作品全体を温かく包み込んでいると語る山下さん。ドラマのスタート時には映画化まで辿り着くとは想像していなかったと言い、ここまで作品を育ててくれたファンに向けて、何度も真っ直ぐな感謝の言葉を口にしていました。

会場のファンが掲げる「正直」の文字が躍るうちわに応え、山下さんの「正直!」会場「不動産~!」のコール&レスポンスで大盛り上がりとなった名古屋舞台挨拶。嘘がつけない営業マンが、スケールアップした不動産の難題に“正直営業”で立ち向かう。そんな痛快な“正直エンターテインメント”を、ぜひ劇場の大きなスクリーンで体感してほしい。
【こぼれ話】
桐山と対峙するちょっとしたアクションシーンは、当初予定になく現場で「ちょっと足したほうがいいんじゃないか」ということで生まれたシーンです。撮影は1日延びて、苦労もしたけど、完成したものをみたら動きがでて、すごくいいアクセントになりました。
取材・文 にしおあおい(シネマピープルプレス編集部)
作品紹介
【ストーリー】登坂(とさか)不動産のエースである永瀬財地(山下智久)は、地鎮祭の準備中にある祠(ほこら)を壊した祟りによって「嘘がつけない」体になってしまった営業マン。正直すぎるがゆえに数々のトラブルを巻き起こしながらも、なんとか日々奮闘している。高級車に乗りタワマンに住むという野望を抱きつつ、課長昇進をかけて同僚たちと競争する一方、海外の不動産投資詐欺、嘘もいとわず営業成績を勝ち取っていた「ライアー永瀬」時代の過去の契約トラブル、元同僚である不動産ブローカーの謎の大規模開発計画、そして因縁のライバル会社・ミネルヴァ不動産が仕掛ける悪質で巧妙な地上げ戦略など、不動産業界に渦巻く難題に、正直に立ち向かっていく―。
作品名: 映画 『正直不動産』
監督:川村泰祐
出演:山下智久
福原遥
市原隼人 泉里香 長谷川忍 見上愛 松本若菜
ディーン・フジオカ 大地真央 / 倉科カナ 高橋克典 草刈正雄
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開情報:大ヒット公開中
©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館
©2026 映画『正直不動産』製作委員会
公式HP:https://shojiki-movie.jp/




