大泉洋の熱演に大村知事も思わず涙『ディア・ファミリー』愛知プレミア先行試写会開催

6月14日公開の映画『ディア・ファミリー』の愛知プレミア先行試写会が4日、開業したばかりの中日ホールで行われ、本作のモデルにもなった東海メディカルプロダクツの筒井宣政会長と大村秀章愛知県知事が出席。全国に先駆け愛知県で初めて一般にお披露目された本作を揃って鑑賞しました。

筒井会長は、2019年に東宝とWOWOWから映画化の話を受けたこと、きっかけはノンフィクション作家である清武英利さんの紹介だったことを明かすと、映画制作に関わったスタッフやキャストの尽力に感謝の意を表し「映画が完成したのは、試写会に集まった多くの関係者の支援と協力の賜物である」とお礼を述べました。

続けて「私は、自分の人生を懸命に生きてきただけ。娘の命を救いたい一心で奔走してきた時も、それが叶わず様々な壁を乗り越えてIABPバルーンカテーテルを開発した時も、その根底には『どんな逆境においても絶対にあきらめない』という強い思いがあった。この映画を通して、若者やその家族、新しいビジネスに挑戦しようとする人たちに、少しでも生きる勇気が伝われば」と思いを語りました。

一方、大村知事は、筒井会長率いる東海メディカルプロダクツが社会に新たな価値を提供したことを強調。また、愛知県が認定する「愛知ブランド企業」について触れ、「筒井会長の後を追いかけるような企業が増えることを期待している」と述べました。

映画『ディア・ファミリー』は、心臓の病気を抱えた娘の命を救うため医療分野に進出し、人工心臓やバルーンカテーテルの開発に情熱を捧げた父と家族の愛の物語。主演に大泉洋、その妻に菅野美穂、ほか福本莉子、上杉柊平、満島真之介、川栄李奈、有村架純、松村北斗、光石研など豪華キャストが参加し、「リニア鉄道館」や名鉄「津島駅」など、愛知県でも撮影が行われています。

大村知事は「多くの方々がこの映画を見て、心に留めていただき、多くの人に語っていただくことで、その輪が広がっていくことを期待しています。」と結び、挨拶を終えました。

大泉洋さんの素晴らしい演技に思わず涙
熱のシャワーを浴びているような感覚でした

また、映画の上映後には大村知事の囲み会見が行われ、映画の感想や大泉洋さんの演技について話しました。

― 映画をご覧になって?

一言で言うと『感動しました』。やはり、宣政さんの家族や娘を思う心ですよね。医療に関しては素人同然だった方が、娘さんを救おうと一生懸命勉強し、困難と戦いながらも未知の領域に乗り込んでいく。そして、娘さんの思いとともに、不可能を可能にし、困難を乗り越えて実現していく、そんなところに胸が熱くなりました。

(モデルになった)筒井さんの会社は2003年に「愛知ブランド企業」に認定されています。愛知を代表するモノづくり企業なんですけど、筒井さんの会社はその走りなんですね。医療という全く違う業種へ参入し、中でも一番難しいと言われる医療機器の分野で成果を出し、17万人の命を救いました。

「愛知ブランド企業」は、高い技術、ハイクオリティーの製品、そして何より社会への貢献、そういった志みたいなものを見て、認定させていただいています。筒井さんのモノづくりの軌跡は、まさに中堅、小規模事業者のみなさんの努力の足跡と言いますか、やってきていることが、ギュっとこの映画の2時間に凝縮されているんですね。だから、本当に多くの方々にこの映画を観ていただきたいです。

― 主人公が、家族や周囲の協力を得ながら、困難を乗り越えようとする姿にこみ上げるものがあります。大村知事は、そういう時どのように取り組んでいますか?また、作品から刺激を受けたことはありますか?

企業も我々行政も、目指すところは一緒だと思います。その目的は、多くの人を幸せにし、社会をより良くしていくこと。ひとりでも多く笑顔にしたいということです。この映画の中でも、お父さんと娘の佳美さんとの会話の中で「ひとりでも多くの命を救ってほしい」というのがありますよね。ひとりでも多くの命を救って笑顔にしていく、そこは相通じるものがあると思いますね。

そして、もうひとつ申し上げますと、世の中はそんなに全て順風満帆とはいきませんよ。ヒーロー映画ではないので、全部が全部ハッピーエンドにはならないし、うまくいかないこともあります。それでも、挑戦し続けて、世の中のために頑張る、その姿勢が私は尊いと思いますね。たとえ、その時はうまくいかなくても、別のところから繋がりができたり、ネットワークが広がったりして、別の展開に繋がるなんてこともある訳です。

そして最初の志が、世の中のために、誰かのために、ひとりでも多くの方を笑顔にするためにという思いで色々取り組んでみれば、必ず道は開けるんじゃないか、そんなことを映画から思わせていただきました。

― 宣政さんを大泉洋さんが演じられています。雰囲気が少しおふたり似ていると思ったのですが、実際に映画をご覧になっていかがでしたか?

今回は、大泉洋さんをはじめ、菅野美穂さんなど、キャスティングがすごく豪華で、なんだかすごい映画が作られたなあという思いでした。特に大泉さんが素晴らしい演技をされていて、グッと感情移入して熱のこもった演技で、画面から信念が伝わってくるような、なんかすごい熱いものを感じました。熱(圧という意味も含む)がすごいなあと圧倒されながら、熱のシャワーを浴びていたような感じがありました。ですから多くの人に感動していただけるんじゃないかと思いますね。

絶対にあきらめない家族が起こした奇跡を描く映画『ディア・ファミリー』は6月14日(金)より全国公開です。

取材・文 にしおあおい( シネマピープルプレス編集部

作品紹介

“ただ娘の命を救いたい”、その一心だった――。

【ストーリー】
生まれつき心臓疾患を持っていた幼い娘・佳美は【余命 10 年】を突き付けられてしまう。
「20 歳になるまで生きられないだと…」
日本中どこの医療機関に行っても変わることのない現実。
そんな絶望の最中、小さな町工場を経営する父・宣政は「じゃあ俺が人工心臓を作ってやる」と立ち上がる。
絶対にあきらめない家族の途方もなく大きな挑戦が始まった。

作品名:『ディア・ファミリー』
原作:清武英利「アトムの心臓『ディア・ファミリー』23 年間の記録」(文春文庫)
監督:月川翔 脚本:林民夫 音楽:兼松衆
出演:大泉洋 菅野美穂 
福本莉子 新井美羽 
上杉柊平 徳永えり ・ 満島真之介 戸田菜穂
川栄李奈 / 有村架純 ・ 松村北斗 光石研
配給:東宝
公開日:2024 年 6 月 14 日(金)
撮影期間:2022 年 12 月 4 日~2023 年 2 月 4 日
©2024「ディア・ファミリー」製作委員会
公式サイト:dear-family.toho.co.jp
公式 X:@dear_family_
公式 Instagram:@dear_family_movie
公式 TikTok:@dear_family_

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