昭和の日本映画の趣を感じる“恐怖の村”シリーズ最新作
『牛首村』

『呪怨』の清水崇監督が手がける＜恐怖の村＞シリーズ第3弾。
『犬鳴村』『樹海村』では後半のぶっ飛び展開に戸惑ったけれどw、今回はしっかりまとまっていて最後まで楽しめた。

何よりも昔の田舎にありそうな悪しき因習と、逃れられない血筋が絡む物語に、昭和の日本映画の雰囲気が感じられるのがいい。

お馴染みのYouTuberアッキーナが登場したり、携帯を使った現代的なものから、映り込みを活かしたゾクッとくるものまで、恐怖演出も充実。
ただ怖いだけじゃなく、不気味さと切なさが残るのがまたよき。

主人公の女子高生姉妹を一人二役で演じたKōki,も想像以上。
すらっと長い手足や整った顔面がスクリーン映えするのはもちろん、これが映画初出演・初主演とは思えない堂々たる演技で、慄く表情や号泣シーンに心揺さぶられた。
両親が有名すぎるゆえに色眼鏡で見ていたけど、女優としての成長がすごく楽しみになった。
さらにもう1人、大きな役割を果たしているのが芋生悠。
恐怖と悲しみを感じさせる怪演に震えた！

さて、今回の写真のアイテムは蝶。
主人公の子ども時代の記憶にまつわるアイテムとして、印象的に使われてます。

「牛首村」

2022年製作／115分／G／日本
配給：東映

主演：Kōki,
利久　高橋文哉
芋生悠　大谷凜香　莉子
松尾諭　堀内敬子　田中直樹　麿赤兒
監督：清水崇

映画ライター　尾鍋栄里子（おなべえりこ）
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。

朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。

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