1974年の傑作サブウエイ・パニックのリメイク「サブウェイ123」を明日、完成披露の司会をするため一足お先にみてきました。
74年版の作品ではMr.ブルー、Mr.グリーン等と名乗る悪役が登場し、後にクエンティン・タランティーノの『レザボア・ドッグス』に影響を与えた事でも知られている映画で、いまだファンが多いですよね。
この映画はオープニングからかなりかっこよくて、地下鉄が駅に停車するとハイジャック犯達が周りを確認しながら乗り込んでいく。このあたりもタラちゃんが影響されたのじゃないかしら。
音楽も1970年代映画という感じのバンド風で緊迫感が高まってきていい感じです。
以下、ネタバレしてます。
リメイク版はサスペンスアクションの名手トニー・スコット監督。
オリジナルの映画と照らし合わせてトニー・スコット版を観ると35年が経っているため、テクノロジーの進歩に顕著な違いを見る
事ができます。まず携帯電話、インターネットに始まり、GPSやビデオチャット等、現代に生きるわたしたちに欠かせないものが登場します。
もちろんスタイリッシュな映像は健在で、オープニングは悪そうな音楽からはじまって恐怖感をかき立ててくれました。
二人の名優デンゼル・ワシントン×ジョン・トラヴォルタの演技バトルはすごかったなぁ。
デンゼル・ワシントン扮するウォルター・ガーバーは妻も子供もいるまじめな地下鉄職員。その彼が突然武装集団との交渉人に指名されてしまい、デンゼル・ワシントンが今回もまた人々の為に大活躍するのです。
一方のワル役、武装集団の指揮を執るライダーという男は謎めいた男で、なんどか笑顔を見せながらも、金に執着し権力を小馬鹿にしている印象を与え、さらには何かに憤りを感じており、何を仕出かすか分からないという怖さを持ち合わせている男を怪演。人の心を操る事
を楽しむという面も見せて徹底的に嫌な奴をえんじきったからスゴイ。
あとは、物語
の中でニューヨーク地下鉄の指令室内でのシーンも多いため、本作は職員が問題が起きた場合にどの様に対応しているのかも興味深かった。あ、これは「交渉人真下」で本広監督が描いてましたけど。
人質が何人かコロされて大パニックになっているのにもかかわらず、ニューヨーク市長が票獲得の為に自分の身なりや人々に笑顔を振りまく様が面白かった。
官僚達のアホぶりも楽しめます。
しかし、大事件は起きるものの、最終的に人質は救われ、ニューヨーク市に安堵が戻り、あっさり何事もなかったように終わったのが逆に恐かった。
フツーに働く庶民のリア
ルな日常の中で起こった事件が取沙汰された様な描き方がされており、そこが共感を覚えます。大事件が起こっても、人々の日
常は続いて行くってことデスネ・・。
オリジナル版「サブウェイ・パニック」
『 サブウェイ・パニック / THE TAKING OF PELHAM ONE TWO THREE 』 1974年 アメリカ 100分
監督 : ジョセフ・サージェント
脚本 : ピーター・ストーン
出演 : ウォルター・マッソー、ロバート・ショウ、マーティン・バルサム、ヘクター・エリゾンド、アール・ハインドマン、ディック・オニール、ジェリー・スティーラー、トニー・ロバーツ、リー・ウォレス、ドリス・ロバーツ
☆英国アカデミー賞/助演男優賞ノミネート・・・マーティン・バルサム