「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」ゆかりの地 三重で7月8日より開催

『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』などで知られる日本を代表するアニメーション映画監督・高畑勲さんの創作の軌跡を紹介する「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」が、監督のゆかりの地でもある三重県津市にある三重県総合博物館で7月8日(土)~9月18日(月・祝)まで開催、現在前売チケットが発売中です。

現在の伊勢市に生まれ、幼い時期を津市で過ごした高畑勲監督。絵を描かない監督が、どのようにして歴史に残るアニメーションをつくったのか、監督の演出術にフォーカスをあて、他のクリエイターたちとの交流や共同制作の過程を、制作ノートや絵コンテなどの未公開資料を紹介しながら、その作品世界の秘密に迫ります。

「アルプスの少女ハイジ」(1974年)セル付き背景画

©ZUIYO
「アルプスの少女ハイジ」
公式ホームページ http://www.heidi.ne.jp

「赤毛のアン」(1979年)セル付き背景画 ©NIPPON ANIMATION CO. ,LTD.“Anne of Green Gables” ™AGGLA

初の長編演出(監督)となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968年)で、悪魔と闘う人々の団結という困難な主題に挑戦した高畑さんは、その後つぎつぎとアニメーションにおける新しい表現を開拓していきました。

70年代には、「アルプスの少女ハイジ」(1974年)、「赤毛のアン」(1979年)などのTV名作シリーズで、日常生活を丹念に描き出す手法を通して、冒険ファンタジーとは異なる豊かな人間ドラマの形を完成させます。

80年代以降は、舞台を日本に移して、「じゃりン子チエ」(1981年)、「火垂るの墓」(1988年)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994年)など、日本の風土や庶民生活のリアリティーを表現するとともに、日本の戦中・戦後の歴史を再考するような作品を制作。

遺作となった「かぐや姫の物語」(2013年)ではデジタル技術を駆使して手描きの線を生かした水彩画風の描法に挑み、従来のセル様式とは一線を画した表現上の革新を達成しました。

常に今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を徹底して追求した革新者・高畑の創造の軌跡は、戦後の日本のアニメーションの礎を築くとともに、他の制作者にも大きな影響を与えました。

前売券は現在発売中。ぜひ、高畑勲監督の半世紀にわたる創作の軌跡と「遺したもの」に三重県総合博物館で出会ってみてはいかがでしょうか?

シネマピープルプレス編集部

 

【MAP】三重県総合博物館 アクセス

【アクセス】
津駅(近鉄名古屋線、JR紀勢本線、伊勢鉄道)西口下車
バス 約5分(津駅西口1番のりばからご乗車ください)
【89系統】総合文化センター行き 「総合文化センター前」下車すぐ
【89系統】夢が丘団地行き 「総合文化センター前」下車すぐ

 

「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」開催概要

イベント:高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの
期間:2023年7月8日(土)~9月18日(月・祝)
会場:三重県総合博物館
住所:三重県津市一身田上津部田3060
時間:9:00〜17:00
※最終入場は16:30まで
休館日:毎週月曜日(7/17、9/18は開館)、7/18(火)
入場料:※前売券の発売は7月7日まで
一般 1,600円(前売 1,400)
学生(大学、各種専門学校等) 1,000円(前売 800)
小中高生 500円(前売 300)
※価格はすべて税込
※未就学児は入場無料
※その他詳細は公式サイトを確認のこと
公式サイト: https://www.ctv.co.jp/takahata-ten/
公式Twitter: @takahata_ten

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