映画「わたし達はおとな」圧倒的にリアリティのある日常を描く新しい恋愛映画。主演の木竜麻生さんにインタビュー

20代の恋をここまでリアルに描いた映画が他にあっただろうか?

監督・加藤拓也、鮮烈の長編デビュー作!「わたし達はおとな」

優実と直哉の会話、2人の目線や仕草、友人との会話・・・無数の微細な“出来事”の連鎖で紡がれる脆く崩れやすい日常、成熟や堕落をまだ知らない“少女”から“女性”になる過程、甘く切ない恋のほろ苦さや歯がゆさ、そして自分の中に押し込めるしかない葛藤や、胸奥の心情を抱えた男女の姿。まるで隣の男女の生活を覗き見しているような不思議な映画体験へと観客を誘い、その切迫感と「圧倒的にリアリティのある日常」が胸に突き刺さる本作。ふたりの“生活”を通して見えてくる人間らしさや感情のグラデーションが生々しく、これまでに見たことのない恋愛映画が誕生した。

監督を務めるのは、18歳の時にイタリアへ渡り、映像演出と演劇について学び日本に帰国後、「劇団た組」を立ち上げ、23歳にして三越劇場作演出家の最年少記録を樹立した加藤拓也。その後2018 年にドラマ「平成物語」でドラマの脚本を初めて手掛け、脚本家として活躍をみせる。同年に「部活、好きじゃなきゃダメですか?」で初の連ドラを担当し、「俺のスカート、どこ行った?」(2019)や「死にたい夜にかぎって」(2020)など話題作で話題となり、「きれいのくに」(2021年/NHK)では第10回市川森一脚本賞を20代で初受賞。

本作では満を侍してオリジナル脚本による初めての長編映画に挑んだ。“リアリズム演劇”と呼ばれる、観客が自ら没入する手法を映画に置き換え、スクリーンを通して男女の生活を覗き見るような描き方で物語を牽引し、幸せだった過去と苦しい現在が対比されて紡がれる若者たちの姿は、独特の視点で新しい映画の可能性を見出したと断言できるだろう。

木竜麻生、藤原季節ら俳優たちが魅せる「そこにいる」若者達の姿

主人公の優実を演じるのは、2018年に瀨々敬久監督の『菊とギロチン』で映画初主演を果たし、同年に『鈴木家の嘘』(野尻克己監督)でもヒロインに抜擢された木竜麻生。同2作で第40回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第92回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞など多くの映画賞を受賞し、その後は大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(2019)や舞台「タイトル、拒絶」(2021)など幅広い作品で活躍中。本作では、妊娠発覚後の不安を抱えた様子や、恋人と衝突する激しい感情など優実の複雑な心情を見事に体現しており、観る者の心を強く揺さぶる。

 

木竜と初共演の藤原季節は、主演を務めた映画『佐々木・イン・マイマイン』(2020)や、今泉力哉監督の映画『his』(2020)、松居大悟監督の『くれなずめ』(2021)、𠮷田恵輔監督の『空白』(2021)、大河ドラマ「青天を衝け」など幅広い作品でいまや日本映画になくてはならない実力派俳優として人気だ。本作では“優しそうに見えて実はとんでもなく無責任な面を持つ優実の恋人・直哉”を絶妙な塩梅で演じている。

本作は、名古屋の放送局メ〜テレ60周年記念作品となり先日開催された「メ〜テレ映画祭」にて先行上映会が伏見ミリオン座にて開催され、主演の木竜麻生さんが登壇し、作品について熱く語った。

舞台挨拶前の単独取材では、聞き手の松岡ひとみと木竜さんの転機となった映画「鈴木家の嘘」以来、実に4年ぶりの再会に喜び当時の思い出話に浸ってしまい、なかなか本題に進まず時間は過ぎていく・・(笑)楽しいインタビューになりました。

 

【木竜麻生】

1994年7月1日生まれ、新潟県出身。

14歳の時に原宿でスカウトされ、大学進学を機に上京。本格的に芸能活動を始める。

映画デビューは2014年の大森立嗣監督『まほろ駅前狂騒曲』。2018年には、瀬々敬久監督の『菊とギロチン』で300人の中から花菊役に選ばれ映画初主演をつとめる。また同年に公開された『鈴木家の嘘』(野尻克己監督作)でもオーディションを兼ねたワークショップで400人の中から選ばれ、ヒロイン鈴木富美役をつとめた。

この2つの作品の演技が評価され、その年の毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞やキネマ旬報ベスト・テン新人女優賞など数々の映画新人賞を受賞する。

最新作は、瀬々敬久監督『とんび』が現在公開中。

 

 

(not) HEROINE movies 第一弾

「わたし達はおとな」

6月10日(金)より全国公開

■CAST

木竜麻生 藤原季節

菅野莉央 清水くるみ 森田想 / 桜田通 山崎紘菜

片岡礼子 石田ひかり 佐戸井けん太




■STAFF

監督・脚本:加藤拓也

主題歌:the engy「Sugar & Cigarettes」(Victor Entertainment) 

音楽:谷川正憲




■2022/日本/カラー/109分/

ヨーロッパビスタ一部スタンダード/5.1ch/PG12

    ©2022「わたし達はおとな」製作委員会 

おいしい映画祭

アーカイブ