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奇想天外な発想と世界観にのけぞる怪作
『TITANE/チタン』
カンヌを驚愕させ、最高賞「パルムドール」受賞した本作。
車の事故で頭にチタンを埋め込まれた主人公。
それ以来、車に異常に執着してナニした挙句、ああなっちゃうとか、唐突に人間をアレするとか、常軌を逸した世界観にぽっかーん。
それなのに、やめられない止まらない。
世界観はぶっ飛んでるけど、伝わってくる痛みや感情はリアルで切実。
そして後半の予想を裏切る展開にジーン。
映画の自由さと面白さを改めて感じた。

主演アガト・ルセルの長編映画デビューとは思えない存在感と強い眼差し、狂気と悲哀が入り混じったヴァンサン・ランドンの演技、さらに音楽もよき。
さて今回の写真は何の捻りもなくチタンのイメージ。
それにしても、どうしたらこんな発想が生まれてくるのか、ジュリア・デュクルノー監督の頭の中を覗いてみたい。
前作『RAW~少女のめざめ~』は観逃したけど、観てみたいな。

2021年製作/108分/R15+/フランス・ベルギー合作
原題:Titane
配給:ギャガ
[フォトdeシネマ]
映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!”不定期掲





