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Fukaseが醸し出す凄まじい狂気に震える!
『キャラクター』
売れない漫画家が一家殺害事件の犯人の顔を目撃。
その顔をモデルに漫画を描いたことで運命が狂っていく…
猟奇的な殺人をめぐるダークなストーリーに引き込まれ、リアルな痛みを感じるエグい描写にのけぞるサイコスリラー。
「20世紀少年」「MASTERキートン」などの浦沢直樹作品を手掛けてきたストーリー共同制作者・長崎尚志が、10年をかけて練り上げた完全オリジナルストーリーの映画化。
そのためか漫画になりそうなストーリーで少々のツッコミどころも(苦笑)
けれど、ダークかつスタイリッシュな映像で
現実世界に落とし込んだ永井聡監督の手腕は見事。
そして何よりも生身の肉体を使って殺人鬼の狂気を体現した「SEKAI NO OWARI」のFukaseがすごい!
笑っても喋っても何もしなくても不気味。登場するだけで画面に不穏な空気を漂わせるFukase。
これが俳優デビューだなんて信じられない。この異質な殺人鬼役に彼をキャスティングした制作側も受けた本人もエラい!
そして憂鬱な空気を漂わせ主人公の漫画家を演じた菅田将暉、『明日の食卓』とはまた違う明るく健全な妻を演じた高畑充希、さらに小栗旬、中村獅童と脇を固めるキャストもいい。
今回の写真は鉛筆をチョイス。
画力は高いのに魅力的なキャラクターが描けない主人公はいつもスケッチをしていて、殺人犯と遭遇するきっかけもスケッチ。
この映画、鉛筆でスケッチをするときの音、Gペンで漫画を描くときの音と、音もすごく印象的!
フォトdeシネマ
映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!”不定期掲載
【ストーリー】漫画家として売れることを夢見て、アシスタント生活を送る山城圭吾。ある日、一家殺人事件とその犯人を目撃してしまった山城は、警察の取り調べに「犯人の顔は見ていない」と嘘をつき、自分だけが知っている犯人を基に殺人鬼の主人公を生み出し、サスペンス漫画「34」を描き始める。お人好しな性格の山城に欠けていた本物の悪を描いた漫画は大ヒットし、山城は一躍売れっ子漫画家の道を歩んでいく。そんな中、「34」で描かれた物語を模した事件が次々と発生し…。
『キャラクター』PG-12指定 監督:永井聡 出演:菅田将暉 Fukase (SEKAI NO OWARI) 高畑充希 中村獅童 小栗旬 配給:東宝 上映時間:125分 公式サイト https://character-movie.jp/ ©2021 映画「キャラクター」製作委員会