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『やりたいことを仕事にしちゃえ〜のんさん編』
[生み出す肩書き]
“趣味と仕事は別”と考える人も居るし、それはそれで良いけれど、なんなら好きなことでご飯を食べられたら時間を有意義に使えるかもしれない。
じゃぁ、どうやって好きなことを仕事に変えるの?そう考えて最初に思いつくのは、肩書き作り。だって肩書き=自分を表現するキャッチコピー的なものですものねぇ。
今回、ご紹介するのんさんの肩書きは、「女優、創作あーちすと」。
確かに彼女は、身体でも声でも演技をする人であり、音楽を作って歌ったり、絵を描いたり、映画を作ったりもする創作の人であります。のんさん自身も人生のテーマは「表現すること」と言い切るくらい、感情を創作に変換させて表現することをモットーに生きている感じなんだから、まさに一つに囚われない独特な肩書きが、生き様そのものなんだから素敵。
[自由表現アニメーション]
そんなのんさんと舞台挨拶のMCで再会した『マロナの幻想的な物語り』は、ルーマニアとフランスの作品で女性の監督アンカ・ダミアンが生み出したアートアニメーション。日本に居るとアニメって「漫画風のかわいいキャラクター」というイメージがボンっと頭に浮かんでしまいますが、そんな自分を恥じてしまうくらい登場人物の肌の色も個性的で、なんなら『ONE PIECE』のルフィばりに、ゴム人間さながらの動きをしちゃうやらで、固定概念をバキバキに壊してくれる映画なのですよ。
これぞ、“創作アート”、五感を刺激してくれ、結果的に第六感まで開花しそうな傑作ですわ。
[独自の感性で生み出す才能]
そんな映画の主人公である犬のマロナの声を演じたのがのんさん。
「マロナは、人間に対して客観的な視点でとても冷静な気がした」と言い、心の声だから更に感情を抑えた役作りをしたそうですよ。『この世界の片隅に』のすずさん同様、その人、その犬の“人生”を綴る中で遭遇する大波小波って、主人公が淡々と受け入れながら生きて行けば行くほど、観客は自分ごとのように没入していくもの。もしかしたら、のんさんはそれも承知で声を生み出しているのかも?
なんにせよ、自分の内なる声に耳を傾け、批判が怖くても、自分を信じて生み出していく力が、いち表現者として監督やスタッフに“一緒に面白いものを作れそう”と思われる理由なのです。これからも「創作あーちすと・のん」に目が離せないわっ。
© Aparte Film, Sacrebleu Productions, Mind’s Meet
8月29日(金)公開 (全国順次公開)
「アロナの幻想的な物語り」
【作品紹介】
ハート型の鼻を持つミックス犬マロナの生涯を、手書きをベースとした独特なアニメーション表現で描いた長編アニメーション。監督は世界が注目しているルーマニアの女性監督 アンカ・ダミアン。本作で東京アニメーションアワード2020にて、見事長編アニメーション部門グランプリに輝いています。2019年・第32回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」では、「マローナの素晴らしき旅」のタイトルで上映された。
【ストーリー】
血統書付きの母と少し乱暴な父との間に生まれたミックス犬マロナは、同時に生まれた9匹の末っ子であることから「ナイン」と呼ばれる。彼女は生まれてすぐに曲芸師マノールの手に渡り、「アナ」と名付けられる。アナは大好きなマノールと幸せな日々を送るが、マノールの新たな仕事が“犬禁止”だと知り、彼のもとを去ることを決意。寂しく通りをさまよっていた彼女は、エンジニアのイストヴァンに拾われ、「サラ」という新しい名前をもらう。イストヴァンからはかわいがられたものの、彼の家族からひどい扱いを受けたサラは家を逃げ出し、公園で少女ソランジュと出会う。新たな名前はマロナ。持ち前の愛くるしさで家族全員を魅了し、絆を深めていくマロナだったが……。日本語吹き替え版では、主人公の犬マロナの声を「この世界の片隅に」ののんが担当する。
2019年製作/92分/G/ルーマニア・フランス・ベルギー合作
原題:L’extraordinaire voyage de Maron配給:リスキット
#伊藤さとりの「映画で人間力UP!」
今月のコラムは、8/29公開(全国順次公開)ルーマニアのアニメーション「#アロナの幻想的な物語り」主人公の犬のアロナの日本語吹き替えを担当した女優の #のんさん の『やりたいことを仕事にしちゃえ〜のんさん編』https://t.co/x07r3mUaov pic.twitter.com/QCEHmvFcsP— 映画情報サイト シネマ ピープル⭐️プレス 7/1 映画の日Openしました! (@cinemarest1103) September 2, 2020
映画パーソナリティ/心理カウンセラー:伊藤さとり
年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。
ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当する。全国のTSUTAYA店舗で流れる店内放送wave−C3「シネマmag」DJ、俳優対談番組『新・伊藤さとりと映画な仲間たち』(YouTubeでも配信)、東映チャンネル×シネマクエスト、映画人対談番組『シネマの世界』など。NTV「ZIP!」、CX「めざまし土曜日」TOKYO-FM、JFN、インターFMにもゲスト出演。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿。日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。
心理カウンセリングも学んだことから「ぴあ」などで恋愛心理分析や映画心理テストも作成。
著書「2分で距離を縮める魔法の話術」(ワニブックス) 伊藤さとり公式HP itosatori.net