カンヌ国際映画祭2026|日本映画3作コンペ選出の快挙と、日本の映画人が現地で挑む「ピッチ」の最前線
兎にも角にもカンヌは熱い。行けば、俳優もしくは監督を目撃でき、運が良ければ道ですれ違うこともあり得る。そんなカンヌ国際映画祭は今年79回を迎えるのだが、今年はコンペティション部門に日本映画が3作品(是枝裕和監督『箱の中の羊』、濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』、深田晃司監督『ナギダイアリー』)が入るという25年ぶりとなるミラクルを起こした。そんな今年2026年は、カンヌが毎年、一ヶ国をフィーチャーするCountry of Honourに日本が選ばれるという記念すべき年になっている。

JAPAN FILM NIGHTの様子
ということでカンヌに取材に行く予定だった私のもとに司会の仕事が入り、14日の夜、ビーチ内にあるレストランで行われるJAPAN FILM NIGHTの司会をイギリス人MCのテッドさんとおこなった。主催はユニジャパンと東京国際映画祭。なので歴代の東京国際映画祭のトップの方々が一同に介し、カンヌに来ている映画人や記者や海外の映画祭関係者を出迎えた。顔ぶれを見ると、今回、出品していない監督や俳優人も多く見受けられる。これは最近、特に増えてきている現象でカンヌに映画を出品したいのなら、リサーチや「ピッチ」が大事という話からなるもの。この「ピッチ」とは映画業界では企画のプレゼンテーションということだ。特にカンヌで企画をプレゼンするということは海外との合作も視野に入れられるので、お金の面も公開規模においても良い点ばかりと言える。

では何故、多くの映画人がカンヌを目指すのか。それは世界三大映画祭のひとつであり、現時点ではNo.1の映画祭なので多くの映画人が世界から集まることと、ここで賞を取るとはくが付くのも事実だからである。現に米アカデミー賞のノミネートを見ると国際長編映画賞にノミネートされている作品はカンヌで評価されたものが多く、今年のカンヌ国際映画祭の審査委員には『ハムネット』のクロエ・ジャオ監督と『センチメンタル・バリュー』のステラン・スカルスガルド、更に『サブスタンス』のデミ・ムーアとオスカーノミネート陣が顔を揃え、審査委員長は国際長編映画賞のショートリストには名を連ねていた『しあわせな選択』のパク・チャヌク監督。

それだけカンヌ国際映画祭は権威的な映画祭なのだ。
ちなみにパーティもそういった意味で重要な役割となる。そこでの出会いが仕事に繋がることもあるので、今回、斎藤工さんが来場していたのもプロデューサーとして企画している9歳の永尾柚乃さんの構想を映画化する為。松本まりかさんも出演者ではなく個人の企画で現地入り。15日に開催となったMEGUMIさん主催の「JAPANESE NIGHT」で映画へ賭ける思いを熱く語っていた。そんな企画を持ち込むここカンヌでは、主役は俳優というより、プロデューサーと監督といった製作者達なのだ。
伊藤さとり

伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)
映画コメンテーターとして「ひるおび」(TBS)「めざまし8」(CX)で月2回の生放送での映画解説、「ぴあ」他で映画評や連載を持つ。「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」俳優対談番組。映画台詞本「愛の告白100選 映画のセリフでココロをチャージ」、映画心理本「2分で距離を縮める魔法の話術 人に好かれる秘密のテク」執筆。 公式SNS @SATORIITO




