何故、再びの「冬ソナ」?しかも日本だけの特別版で4Kリマスター劇場公開というスタイル。確かに2003年にNHK BSで放送され話題になり、2004年にNHK総合で放送スタートとなった時には、私も見事にハマってしまった。ヨン様が着ていたダッフルコート、そしてヨン様巻きと言われたマフラー。ファッションブーム、更には韓流ドラマブームまで「冬のソナタ」は巻き起こした。共演のチェ・ジウは「涙の女王」と言われるくらい自然に涙を流す。お陰でその後のクォン・サンウとの「天国の階段」も記憶にしっかりと焼き付いている。「宮廷女官チャングムの誓い」の放送もあり、韓国ドラマロケ地ツアーにも母と足を運んだあの頃よ。

そんな日本の韓流ブームに本国が感謝して、この2時間映画が制作されたそうだ。ちなみに20話トータル1400時間のドラマを、128分の映画にするのは容易いことではない。もちろん、当時の監督、ユン・ソクホが編集に参加しているので安心だが、鑑賞して思ったのはヨン様ことぺ・ヨンジュン演じるミニョンの心の揺れにフィーチャーした構成になっていた。悩めるヨン様、愛に溺れるヨン様、愛に迷うヨン様、強気なヨン様、苦しむヨン様、とドラマ以上に感情が手に取るように分かる。

もちろん、ドラマのお陰で聖地となったメタセコイアの並木道シーンも、雪だるまのシーンも、二人が盛り上がった時にロマンチックな曲が入るのも健在。そしてチェ・ジウ演じるユジンのちょっとおっちょこちょいで真っ直ぐな可愛さを捉えたショットもしっかりと入っている。更にユジンに想いを寄せる幼馴染サンヒョクを演じた生前のパク・ヨンハも映っているので泣けてくる。それにしても2002年の韓国ドラマがこんなに美しく新たな形で蘇るとは。懐かしさに酔いしれながら、登場人物の感情の起伏が激しくやたらとドラマティックな展開だから、先が気になってすっかり魅せられたのだと、映画を観てドラマを思い出していた。確かに今はリバイバル上映が集客に繋がる時代。この映画『冬のソナタ 日本特別版』でまた映画館に新たな観客が集まることを期待したい。
目次
『映画 冬のソナタ 日本特別版』
監督:ユン・ソクホ
出演:ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ、パク・ヨンハ、パク・ソルミ
配給:ギャガ
3月6日(金)より全国公開
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https://gaga.ne.jp/fuyusona-movie/
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伊藤さとり

伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)
映画コメンテーターとして「ひるおび」(TBS)「めざまし8」(CX)で月2回の生放送での映画解説、「ぴあ」他で映画評や連載を持つ。「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」俳優対談番組。映画台詞本「愛の告白100選 映画のセリフでココロをチャージ」、映画心理本「2分で距離を縮める魔法の話術 人に好かれる秘密のテク」執筆。




