エリコのフォトdeシネマ♪ Vol.129『ショータイム!』

諦めない庶民の逆転ストーリーにハズレなし

『ショータイム!』

2024年の1本目。
予告編を観た時から楽しみにしていた映画が、1/5(金)から伏見ミリオン座で公開に!

経営危機に陥った酪農家が、一発逆転を狙って、農場にキャバレーを作ろうと奮闘する!

厳しい状況に追い込まれた人々が、常識にとらわれない驚きのアイデアで、ピンチを乗り越えていく。
『キンキーブーツ』をはじめ、実話を基にしたこのタイプの逆転ストーリーにハズレなし。

不器用で冴えないけれど行動力抜群の酪農家ダヴィッドと、厳しくも愛にあふれた母、ヘソ出し&ヒールで農場を闊歩する
生粋のダンサー、ボニー、そして町でスカウトしたひとクセもふたクセもある パフォーマーたちがチャーミング。

背景も個性もバラバラな彼らが、揉め事やアクシデントを乗り越えひとつになっていく様は、結末がわかっていても気分がアガる。

酪農の厳しい現実を垣間見せつつも、諦めない庶民にエールを送る笑いあり、感動ありのドラマに仕上がっていて楽しめた。

さて、今回の写真は藁のイメージで。牧場=藁…安易な発想ですいません。

STORY

フランスの中南部、カンタル地方。ある朝、酪農家であり農場主のダヴィッドは地方裁判所の判事の元へ“出頭”する。このままでは3代続いた農場が経営危機により差し押さえられてしまうのだ。打開策が何もないまま判事に猶予を貰おうと懇願するダヴィッド。何とか2か月の猶予を勝ち取ったものの、途方に暮れて仲間とパブで酒を煽るしかなかった。その街からの帰り道、道端に明るく輝くネオンサインを見つける。『キャバレー』だった。虫が明るい所に引き寄せられるように店内に入っていくダヴィッド。そこで見たのは、ボニーという妖艶なダンサーが繰り広げる魅力的なパフォーマンスだった。ダヴィッドは、空いている納屋にキャバレーを作れば農場を売らずに済むと思いつく。翌朝、ダヴィッドがボニーを訪ねて店に寄ってみるとボニーはボスと喧嘩をしてクビになっていた。行くところがないと察したダヴィッドはすかさず「ちょっと寄ってほしいところがある。ここから35キロ離れた農場なんだけど」とボニーに水を向ける。初めて会った、それも酪農家からの誘いにいぶかしがりながらもつい乗ってしまうボニー。覗いた納屋は想像通りの代物だった。

そこから、ダヴィッドが町中を回ってパフォーマーを探し、そしてボニーが演出担当の鬼となり、みるみるうちにステージのパフォーマンスが出来ていく。いよいよ明日がオープンとなった日、思いもよらない事態が起きてしまう…。

作品概要

「ショータイム!」

監督:ジャン=ピエール・アメリス

脚本:ジャン=ピエール・アメリス マリオン・ミショー ジャン=リュック・ガジェ

キャスト:ダヴィッド:アルバン・イワノフ ボニー:サブリナ・ウアザニ レティシア:ベランジェール・クリエフ レオ:ギイ・マルシャン ミレーユ:ミシェル・ベルニエ

2022/フランス/フランス語/ビスタ/109分/原題:Les Folies Fermières/字幕翻訳:中沢志乃/配給:彩プロ/映倫G  © 2021 – ESCAZAL FILMS – TF1 STUDIO – APOLLO FILMS DISTRIBUTION – FRANCE 3 CINÉMA – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA

映画ライター 尾鍋栄里子(おなべえりこ)

Twitter @onabe11
映画館バイト→雑誌映画担当→映画ライターと、人生の半分を映画業界の片隅で生きる名古屋人。
朝日新聞、中日新聞、フリーペーパーなどで映画紹介記事を執筆中。
映画フリーペーパー C2【シーツー】web版ブログ〝オー!ナイス!”不定期掲載

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