『ゴールド・ボーイ』
沖縄に輝く青い海、空、山
変わらないものに囲まれた変わっていく人たち
今回は、『ゴールド・ボーイ』の感想です。
事前の情報は全く無く観たのですが、めちゃめちゃ楽しめました。
ぜひ、皆さんにも前情報なしで観て頂きたいです。
この作品、とにかく脚本がすごい!
鑑賞中、「こうなっていくんだろうなぁ〜」みたいに勝手に予測していたものが見事に全て裏切られて、まるで予想していなかった方向に進んで行きました。
そして、物語の中心となる少年少女のお芝居の凄まじさ。
中学生らしい旺盛さと純粋さがある一方で、邪悪になっていく思春期の特有の目つきが、岡田将生さんの演じる”東”のサイコな目つきが対比しているようで、面白い。
そして、今作の根底には日本社会へのアンチテーゼや社会に蔓延る”貧富の差”や問題提起を、決して露骨ではなくサブリミナル的に描いているのが「日本版パラサイト」のように感じました。
例えば、物語の本筋とは関係のない沖縄の米軍基地が背景にちらりと映っていたり、最後のカットにも戦闘機(?)がものすごい勢いで横切ります。
日本、沖縄の永遠の問題である米軍基地の問題などがストーリーと関係なく画面に入れ込んでいるところが、さすが金子監督と唸りました。
記憶を消して、もう一度観たいです!
【作品概要】
原作は、中国のベストセラー作家・紫金陳(ズー・ジェンチン)の「坏小孩」 (The Gone Child)。殺人犯と少年たちの心理戦を描いた本作は、動画サイト「iQIYI(アイチーイー)」でドラマ化され、総再生回数20億回※を突破する大ヒットを記録。このアジア最高峰ドラマの原作小説の舞台を沖縄に移し、日本映画化に挑んだ。最高のクライム・エンターテインメントがここに誕生!(※iQIYI JAPAN調べ)
【STORY】
それは完全犯罪のはずだった。まさか少年たちに目撃されていたとは…。
義父母を崖から突き落とす男の姿を偶然にもカメラでとらえた少年たち。事業家の婿養子である男は、ある目的のために犯行に及んだのだ。一方、少年たちも複雑な家庭環境による貧困や、家族関係の問題を抱えていた。
「僕達の問題さ、みんなお金さえあれば解決しない?」朝陽(13)は男を脅迫して大金を得ようと画策する。
「何をしたとしても14歳までは捕まらないよ。少年法で決まってるから」
殺人犯と少年たちの二転三転する駆け引きの末に待ち受ける結末とは……。
出演:岡田将生 黒木華 羽村仁成 星乃あんな 前出燿志 松井玲奈 北村一輝 江口洋介 監督:金子修介 2024/日本/カラー/シネスコ/5.1ch/129分 配給:東京テアトル/チームジョイ 【コピーライト】 Ⓒ2024 GOLD BOY
ゆーと。
高校を卒業しました!
映画観賞:年間200本
将来は映像監督めざしています!初の短編映画製作しました。Twitter @yutomiyake