<TBSドキュメンタリー映画祭2023>名古屋会場開幕!CBC制作『やったぜ!じいちゃん』がオープニング作品に

3月24日(金)より、伏見ミリオン座で名古屋会場の開催がスタートした<TBSドキュメンタリー映画祭2023>。そのオープニング作品として、2022年日本民間放送連盟賞にて準グランプリを獲得したドキュメンタリー番組を映画化した『やったぜ!じいちゃん』が上映され、仲尾義晴監督と出演者、舟橋一男さんの妻・瑞枝さんが舞台挨拶を行いました。

<TBSドキュメンタリー映画祭>は、TBSが魂を揺さぶる良質のドキュメンタリー映画の発信地となるべく立ち上げ、今年で3回目を迎える映画祭。

オープニングを飾ったのは『やったぜ!じいちゃん』生まれつきの脳性マヒで身体が不自由な舟橋一男さんと妻・瑞枝さんの日常をCBCが50年前に撮った映像を交えながら描いたドキュメンタリー。舞台挨拶に登壇した仲尾監督から、出演者である舟橋一男さんと妻・瑞枝さんが鑑賞していたことが紹介され、急きょ瑞枝さんも参加する形での舞台挨拶となりました。

劇中では、印刷業を営むため夕食が夜中になる舟橋夫婦の日常を映しだされる。70代になっても夜中に串カツを平らげ、ビールを嗜む2人の姿の話で会場が盛り上がる中、仲尾監督は「瑞枝さんが台所で串カツなどを揚げている時に一男さんは、お一人で揚げたものを食べ、ビールを飲んでいるのですがパッと一男さんの目線を見ると、ずっと瑞枝さんの方を見ていたのです。一緒に食べたいのだろうな。それを見た時に仲が良いなと強く感じましたし、一男さんが惚れているのかな?と思いました。」と、現場で感じたおふたりの夫婦愛について語ると、一男さんが笑顔で左腕を上げ “やったぜ!” ポーズを披露、会場を沸かせました。

テレビ版をもとに映画化されたことに、瑞枝さんは「言葉が見つからないですけど、こんな大きな画面に自分たちが映るというのが本当に不思議という言葉しか出てきません」と率直な気持ちを明かすと、改めて本作を通じて伝えたい事や想いへの問いに仲尾監督は、「一男さんが20歳まで生きられるかということを小さい頃に言われたが、そのあと結婚され、娘さんが2人、お孫さんも生まれて・・・。これをよく“奇跡”なんて言葉で表現している文章もあったのですが、私自身は少し違うかなと。やはり二人で声を上げて戦ってきたという歴史があると思います。今色々なことに無関心な方が多い世の中になりましたが、関心を持って声を上げるというのが大事なのではないか。やはり色々なことに関心をもって声を上げて行動していくことが、今後、非常に重要であると思いますので、そういったところが伝わればいいなと思います。」と語りました。

<TBSドキュメンタリー映画祭2023>3月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、24日(金)より伏見ミリオン座、シネ・リーブル梅田、4月15日(土)よりシアターキノで開催。詳細スケジュールは公式サイト ttps://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/ でご確認下さい。

『やったぜ!じいちゃん』予告

生まれつきの脳性マヒで身体が不自由な舟橋一男さん・75歳。子供の頃には「20歳までは生きられない」と診断された。しかし、75歳の今も元気、結婚し、二人の娘さんをもうけ、更に孫まで。今も印刷の仕事をし、積極的に外出もしている。今から50年前。CBCのカメラが舟橋さんを撮影していた。障がい者4人だけで北陸の温泉に旅する様子を記録したもの。その映像を交えながら、舟橋さんが感じることや暮らしぶりを静かに描く。 監督:仲尾 義晴 / 70分

「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」予告をみる

上映スケジュール

登壇イベント

3/24(金)
「やったぜ!じいちゃん」 登壇者: 仲尾義晴監督
「KUNI 語り継がれるマスク伝説」 登壇者:佐藤功一監督、伊藤政則さん(音楽評論家/DJ)
「カリスマ」 登壇者:佐井大紀監督

3/25(土)
「東京SWAN 1946」 登壇者: 宮武由衣監督、石井清子さん(東京シティ・バレエ団/演出・振付)
「オートレーサー森且行」 登壇者:穂坂友紀監督

3/26(日)
「魂の殺人」 登壇者:加古紗都子監督、渡辺多佳子さん(出演者)
「War Bride」 登壇者:川嶋龍太郎監督、安冨成良さん(嘉悦大学 元教授)
「やったぜ!じいちゃん」 登壇者: 仲尾義晴監督

3/28(火)
「東京SWAN 1946」 登壇者:宮武由衣監督、宮尾俊太郎さん(俳優・バレエダンサー )

※ やむを得ない事情などにより、作品、上映時間、ゲスト、イベント内容が変更になる場合あり

映画祭こぼれ話

加古紗都子監督と出演した渡辺多佳子さん

26日には『魂の殺人 家庭内・父からの性虐待』の舞台挨拶も行われ、加古紗都子監督と出演した渡辺多佳子さんが登壇。

加古監督は「この映画を通して、性暴力というものが被害者のその後の人生にいかに影響を及ぼすか知っていただきたいですし、被害に遭った方々には、気持ちを受け止めてくれる場所や連帯できる場所があることを知ってもらいたいです」とコメント。

出演した渡辺さんは「今は、性暴力について、いろんなサポートや話せる場所があります。どうかひとりで悩み抱え込まないで、問題に向きあってるだけで素晴らしいし強い力がある。心的外傷後成長というのがあって、人は苦しい体験を乗り越えることで、心を成長させることができる。私がそうだったように、トンネルを突き抜けることができたら、素晴らしい世界が待っているので…」と同じ気持ちで悩む人々へメッセージを送りました。

長い苦しみを経て、行動を起こし始めた渡辺さんたちの、闘いの記録は、3月30日にも伏見ミリオン座で上映されます。

『魂の殺人 家庭内・父からの性虐待』
監督:加古 紗都子 / 79分 / 年齢制限:PG12 ©TBSテレビ

テレビも、SNS も超えて、伝えたいことがある。

名古屋会場:伏見ミリオン座(3月24日~4月6日)
料金:一般:1500円、シニア・大学生・シネクラブ会員:1100円、18歳未満:800円
・ムビチケ使用可
・各種割引サービス可

公式サイト: https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/

 

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