吉岡秀隆&髙橋海人のサプライズ登場に大歓喜!映画『Dr.コトー診療所』舞台挨拶で

5日、『Dr.コトー診療所』の試写会が109シネマズ名古屋で行われ、本作の主人公Dr.コトーこと五島健助を演じた吉岡秀隆さん、東京から来た若き医師、織田判斗(はんと)を演じた髙橋海人さん、そして中江功監督が、上映前にサプライズで登壇!3人の登場に悲鳴にも似た歓声に包まれた会場、大きな拍手で出迎えられた3人はなごやめしトークから「大変だった」と振り返る撮影中のエピソードまで明かしてくれました。

本作に主演した吉岡秀隆さんが「こんにちは!五島健助を演じました吉岡です。まだ観てないんですもんね。これからですよね?」と会場に確認すると、横にいる髙橋を見ながら「ここにいる判斗先生と一緒に志木那島の旅を楽しんで下さい」と挨拶。今回、新米医師に扮した髙橋は「織田判斗を演じさせていただきました「King & Prince」の髙橋海人と申します。皆さんそうですよね。これからなんですもんね。なんか、ワクワクが伝わってドキドキしてきちゃいますよね。少しの時間ですが”ネタバレ”しないように、今日はお話させていただきます」とにっこり。続けて「「King & Prince」の中江です」と少し照れくさそうに会場の笑いを誘った中江功監督「こちらにいらっしゃる「コトー先生」と「判斗先生」というふたりの医師がいますが、このふたりが(劇中で)どう絡んでいくのか、ぜひ楽しみにご覧になって下さい」とコメントし、楽しい舞台挨拶が始まりました。



「コウちゃん(柴咲コウ)は味噌煮込みうどんが好き」と吉岡
「紫耀が名古屋出身なので、なんか友達の地元っていう感じ」髙橋

名古屋の舞台挨拶と言えば、恒例の名古屋ネタから

― 吉岡さんは名古屋はお久しぶりですか?

吉岡「はい…相当久しぶりだと思います」

― 名古屋の思い出などはありますでしょうか?

吉岡「映画のキャンペーンで来た時は、ひつまぶしとか手羽先とかはいただきまして、とても美味しかったです。たぶんコウちゃん(彩佳役の柴咲コウ)は味噌煮込みうどんとか好きだと思いますよ。昔そう言ってました」

なごやめしを愛していただいているということで、よろし…

吉岡「別に愛してはいない…そこまでは、それはねえ(笑)そこまで上位に食い込んでは…でも「美味しかったな」っていう」

― 髙橋さんは、ライブなどで来られていると思いますが、名古屋での思い出は?

髙橋「そうですね!やっぱりライブをさせていただいているっていうのが一番の思い出ですね。うちのメンバー(King & Prince )の平野紫耀名古屋出身なので、なんか友達の地元っていう感じで、すごい近い距離感は勝手に持たせていただいてます

― じゃあ、もうかなり上位に食い込んでくるぐらい名古屋は大好きっていう?

髙橋「そうでは…ないかな」(会場爆笑)

ー ちなみになごやめしはお好きですか?

髙橋「なごやめしですか?僕あれ…手羽先が好きです!」

― 食べ方とかわかりますか?

髙橋「紫耀が教えてくれて、あのはじっこをプリって折って、そっからこう歯でスッと食べるっていう」

― それはもう、名古屋の人に認められた証でございます。

髙橋「ほんとですか?それだけで認めてもらえるもの…」

名古屋民です!ありがとうございます。中江監督はいかがでしょうか?

中江監督「僕のなごやめしとか別に聞きたくないですよね(笑)あの、ずいぶん前に映画のキャンペーンで来た時に、一番おいしいとこだという味噌カツを紹介してもらって食べた覚えがあります」

ー 鉄板の上にのってる味噌かつ?

中江監督「だと思います」

― じゃあ、もう味噌カツは大好きということで!

中江監督「はい。はい。」

のっけから、名古屋トークで快調な走り出し…を見せた舞台挨拶。そしてここからはいよいよ映画にまつわるトークが始まります。

「五島健助というひとりの医師がもつ悲しみを大事にもっていました」吉岡

― 16年ぶりの「Dr.コトー」の続編になりますが「続編を作る!」と聞いた時に吉岡さんはどのようにお感じになりましたか?

吉岡「随分前から監督とは「やる、やらない」の話はしていたので、そうこうしている間にコロナになったりだとか、そういう中でも監督と色々ちょこちょこ会って、コトーの話やるならなんだろうねってテーマもふたりで考えながらやってて、今思うとこういう時代だからこそコトー先生がまた帰ってきたんだろうなっていう感じではいますね」

ー 久々にコトー先生を演じられて最初は不安とかはあったのでしょうか?

吉岡「はい。不安しかないです。はい不安だけです。はい。僕が演じているのは、コトー先生ではなくて「五島健助」というひとりの医師なので、その医師がもつ悲しみみたいなものを僕自身が理解しないと周りの人から見た時に「コト―先生」って呼んでもらえないと思っていたので、そこはいつも大事に心の中でもってはいました」

― 髙橋さん 出演が決まった時のお気持ちは?

髙橋「出演が決まった時は、宝くじに当たったような感覚 でした。本当に小さい時、一番最初は(放送された当時)僕4歳だったんですけど、一番最初に見たのは小学校の時で再放送だったんですけど、母親と一緒に見ていて、ドラマも本当に大好きだったので、あの世界観に自分が入れるのかっていうワクワクと、長く続けられていた作品なのでファンの方も絶対いますし、そういった方々にどう思われるんだろうとか、キャストさん、スタッフさんにどう思われるんだろうって考えるうちに、こうだんだん自分の中でプレッシャーがどんどん強くなっていって、ただでも現場に入ってからは、そこは気にせずに「織田判斗として、志木那島に立ち向かっていこう」っていう覚悟で、ずっと臨ましていただいてました」

― 監督からみていかがでしたか?

中江監督「いやー、あの緊張してました。撮影に入る前にもちょっとお話したんですけど、かなりのプレッシャーと緊張の中で戦っていたと思います。僕は初めてだったんですけど、役だったり脚本が先にあって「どうだろう?」って実は思っていて、髙橋くんはどちらかというと、なんか柔らかくて、弟キャラみたいな感じで、いろいろ演じられているのを見てきたので「ちょっと判斗先生とは違うんじゃないか?」って実は最初思っていたんですけど、それは本人も言っていて、そことの闘いもあったと思うんですけど、この先はこれからみていただいて、判断していただけたら、本当に彼は頑張って最後まで戦ってました」

― 志木那島として登場する与那国島での撮影について

吉岡「そうですねぇ。なんかあったかなぁ? でも、みんなと最初はウォーミングアップっていうことで、コト―先生に戻るために往診のシーンから自転車のシーンずっと撮ってて、そのたびにこう島民の方々が「コト―先生」「コト―先生」って声をかけてくれるので、とても嬉しかったですし、そういうことでなんとなくコト―先生に戻してくれてるんだなって思いました。だから僕ひとりじゃなくて、島の人も含めて僕をコトー先生にしてくれてた感じです」

16年前と変わったことを聞かれた吉岡さん「電動自転車なんで楽でした(笑)」と明かしました

ー 髙橋さんは、早々たる顔ぶれの中での撮影だったと思うのですが、吉岡さんから何かアドバイスはありましたか?

吉岡「何も、何もそんなこと教えないよねえ~(笑)」

髙橋「教えていただいたことはたくさんあるんですけど、心にしまっておきたくて…。ちょっとジャブ程度の話でいいですか?与那国で現場に向かっている最中に民家の前にヤギがいて、ペットで飼われてる」

吉岡「アハハハハハ!その話するのぉ?(大爆笑)」

髙橋「って思ったんですよ。ペットとしてヤギ飼ってるのかなぁって思って「あれペットですか?」って吉岡さんに聞いたら「あれはぁヤギ汁だよぉ」島民の方が島に来た人たちに」

吉岡「歓迎の意味をこめて、ヤギをしめてヤギ汁を振る舞ってくれるんですよ。そのためのヤギだよ~、ヤギ可愛い可愛いって言ってるけど、あのヤギは食べられちゃうかもしれないヤギなんだよ~。芝居の話とは違います(笑)」

髙橋「それが(エピソードとして)出てきてしまって」

吉岡「ヤギ汁食べたぁ?」

髙橋「食べてないです」

― 監督は久々に「Dr.コトー」のキャスト陣みんなが揃った時は、どんな風に感じましたか?

中江監督「本当に16年ぶりの人もいたんですけど、あまり年月は感じなくて、なんかつい「この間まで撮ってましたよね」みたいな感じで、懐かしいとも違うし、久しぶりでも不思議な感じでしたねぇ。親戚の人が集まったみたいな感じだったので、違和感なく撮影に入れました」

ー 撮影が大変だったと聞いております。かなり時間をかけたのだとか?

中江監督「(撮影中の待ち時間について)僕は待たせているほうなんで、ちょっとわからないですけど。僕自身も結構大変で「やっぱりやろう!」って言いながら、「これもう1回やるの…また大変だな」と僕自身も思ってしまうぐらい大変なので、最初はちょっと躊躇しましたけど」

吉岡「もう大変です!スケジュールがあってないようなものなので、いつになったらね、ここ(の撮影)終わるのかなって…。(判斗先生は)完全に1000本ノックを受けながら限界突破をしている、(その姿を)モニターで見て、ちょっと大変だなぁって思って、思わず駆け寄って手袋をはめるのを手伝ったりもしました。それぐらい監督は厳しいというか、監督は何かを待ってたんでしょうね奇跡を」

髙橋「ありましたね。あの~、島民のビッグフォーと」

吉岡・監督「あぁはいはい。あそこか…」

髙橋「あっ!(と言いかけ何かに気づく)」

中江監督「すぐこれから観るんですもんね」

髙橋「でも、これからご覧になるみなさんには0の状態で観て欲しいなって、そういうシーンもありまして、愛の1000本ノックは受けていたなと」

― 泉谷しげるさんとのやり取りについて

髙橋「一番最初に泉谷さんとのシーンがあった時に『俺たちにビビんじゃねーぞ』って言われて、それにちょっとビビりましたけど」

吉岡「もう判斗先生は、本当に忙しいのでスタジオの前室で、(那美役の)生田さんもいたのかな? その時に『ちょっとでも横になれる時に寝てたほうがいいよ』って言っても(髙橋くんは)『大丈夫!』『大丈夫です!』って言うんだけども『コト―先生命令だから、15分でも横になってなさい!』っていう風に言って、ちょっとウトウトしかけた時に、泉谷さんがいらっしゃるんですよ。重(しげ)さんのまんまで。そうするとまた起き上がってしまうので『大変だなぁ』と思いながら、泉谷さんは泉谷さんで、サービス精神旺盛な方なので、盛り上げよう盛り上げようとやって下さってるんですよね」

― 医師を演じる上で苦労したことは?

吉岡「コト―先生に限って言うと、医師を育てるというか、コト―先生によって何かが変わったり、医師として一歩踏み出す三上先生だったり、鳴海先生だったりして、今回は判斗先生なので、この後『Dr.コトー診療所』はやりませんが、今後『Dr.判斗物語」として僕はお客さんとして観たいなあ、継承して下さい!

髙橋「(今回)初めてだったということもあり、判斗自身のバックボーンが医師の家庭に育っているっていう判斗の人生を考えて、いままで志木那島で暮らしているみなさんと同じように、ちゃんとバックボーンを考えて役に臨もうと思って、内側から作っていって、あとは医療シーンを見たりして、その手際だったりとか、どういったオペがあるのかは勉強していました」

吉岡「教えてもらいました僕。今回、(のオペシーンの時)判斗先生に『吉岡さんこうですよ』って、僕すっかり忘れちゃったんで『どうだったっけ?』って一緒に思い出しつつ、やりつつで」

楽しい時間は、あっという間に終わってしまいます。舞台挨拶はクライマックスに…。

中江監督「映画単体で観ても楽しめるようになってると思いますので、テレビシリーズを見てない方も、今のコト―先生、そして島の人たちをご覧になっていただいて、ちょっとだけホッとしていただければ」

髙橋「(完成した作品を)観させていただいて、僕の年代の、自分の実感として、命のことを考えるのはもう少し先のことなんだろうなってずっと考えてきたんですけど、命あること、生きること、あと想いあうことの尊さだったりをすごく感じさせられる作品、何よりの魅力は、あの同じキャストが今もずっと(島に)生きているということ。(僕が演じた)織田判斗と一緒に志木那島に来ていただければと思います。その中で織田判斗の成長も観ていただければなと思います」

最後に言葉を結ぶのはもちろん吉岡さん「僕からは、特にないかもしれない」と、とぼけてみせると「あの、もう僕らの、これが今、この時代にできる精一杯の作品です。これ以上のことは本当もうできません。主役は16年という年月です。16年前、自分はこんなことしてたな、この人と一緒にみたな、再放送こうやって見てたなぁなんて思い出しながら、観て下さる方の歴史と僕らの歴史をスクリーンで共有できたら、それがいちばんこの作品にとってはいいことなのかなって思っております」と締めくくりました。

ネタバレさせないながらも、作品の根底に流れるメッセージは痛いほど伝わってきた舞台挨拶。吉岡さんが言うように映画館で「志木那島の旅を楽しんで下さい」

映画『Dr.コトー診療所』は、2022年12月16日(金)より全国東宝系にてロードショー

取材・文 にしおあおい (シネマピープルプレス編集部



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