ゆーと。のピースオブシネマVol.20『わたしのお母さん』

母のことが苦手な長女、夕子。
世間体と自分の本心の間に揺らぐ心中
夕子が最後に出したこたえとは….

ゆーと
ゆーと
こんにちは!ゆーと。です! 今回は、僕がイベント等がある際にお手伝いに行っている刈谷市にあるミニシアター、刈谷日劇が製作を手がけた「わたしのお母さん」の感想です。

今作は、愛知県の刈谷市や知立市で撮影されたシーンが多いので、刈谷市在住の僕は、「あの公園が!?あのスーパーが!?」という超地元民の目線からの楽しさもありました。

知っている場所を見つけるだけでも個人的には胸熱でした。

主人公の井上真央さん演じる夕子は、物静かで口数が少なめな主婦。実はお母さんのことが少し苦手。
石田えりさん演じるお母さんは明るく社交的で、地域の合唱クラブでも中心となって場を盛り上げるような、誰とでも仲良くなれる様な人物。
この正反対の親子がひょんなことから、しばらくの間、一緒に住むことになり、小さな事柄の積み重ねから段々とすれ違っていく。

というのが大体のあらすじなのですが、、、

ゆーと
ゆーと
今作、かなり芸術的!!!

“画”を“映”すと書いて“映画”
映画の本質を見事に表現しています。

というのも、今作はセリフがかなり少なめで、脚本に書いてあったセリフも現場でかなり、削ぎ落としたとのことで、画や芝居といった人物の所作などを中心にドラマが静かに展開していきます。それがまさに –“母を嫌うということの、不安定さ”– を見事に表現していて、世間体と本当の気持ちの狭間で常に揺らいでいる夕子や今作を見事なまでに表現しています。

井上真央さんの悲壮感漂う繊細な目線、お芝居。

あえて空白を多めにした画作り。

本当に全部、儚く美しかったです。

 

そして、ポスターやパンフレット等のジャケ写にもかなり象徴的且つ対比的使われている“赤”と“青”という二つの色も、物語が大きく動き始めた時の事柄や道具であり、大いに意味を含んでいて、細部にまでこだわって作り出された作品なんだと思いました。

刈谷日劇で観て、ロケ地を巡りながら儚く美しい余韻の中に、みなさんも身を預けてみてはいかがですか?

ゆーと
ゆーと
では、また次回!

11月11日(金)より伏見ミリオン座、刈谷日劇ほか全国順次公開

『わたしのお母さん』杉田真一監督インタビュー

【ストーリー】三人姉弟の長女で、今は夫と暮らす夕子は、急な事情で母の寛子と一時的に同居することになる。明るくて社交的な寛子だったが、夕子はそんな母のことがずっと苦手だった。不安を抱えたまま同居生活がスタートするが、昔と変わらない母の言動に、もやもやした気持ちを抑えきれない夕子。そんなある日、ふたりの関係を揺るがす出来事が――。

『わたしのお母さん』
出演:井上真央 石田えり 
阿部純子 笠松将 ぎぃ子 橋本一郎 宇野祥平
監督・脚本:杉田真一 
2022年/日本/カラー/1.85:1/5.1ch/DCP/106分 
配給:東京テアトル   
(C)2022「わたしのお母さん」製作委員会  
公式サイト:watahaha-movie.jp

ゆーと。

映画観賞:年間200本
将来は映像監督めざしています!

chちゃんねる by ch FILES「放課後トーク」に出演中 (不定期)
Twitter @yutomiyake

おいしい映画祭

アーカイブ