タローマン名古屋でも大暴れ!藤井亮監督語る“パスタ”と“カラーコーン”の特撮術

タローマンが名古屋に降臨!
藤井亮監督と“べらぼう”すぎる舞台挨拶をレポート

8月24日、最高気温38.4℃を記録した名古屋で『大長編 タローマン 万博大爆発』の公開を記念した横断キャラバン舞台挨拶が行われ、ミッドランドスクエアシネマとセンチュリーシネマに藤井亮監督とタローマンが降臨。この日2回目の舞台挨拶会場となったセンチュリーシネマは「なんだこれは!」というべき熱気に包まれました。

会場には、本作で映画舘デビューを果たした2歳のお子さんから人生の先輩方まで、あらゆる世代のファンで満員御礼。上映直後の興奮が渦巻く中、藤井亮監督とタローマンが登場すると、無数のスマートフォンが一斉にふたりに向けられ、会場のボルテージは最高潮に。

タローマンは、そんな観客の歓迎に応えるかのように、予測不能な動きで会場を闊歩。ファンからの「でたらめなポーズをお願いします!」という要望には応えないのに、突如巻き起こった「帰れ!」コールには大喜びで会場に戻ってくるというでたらめな行動を連発。その自由すぎる振る舞いで、会場を爆笑の渦に巻き込んでいました。

手作り感満載!監督が明かす“べらぼうな”こだわり


そんなヒーローの生みの親である藤井監督が、その制作の裏側を明かしてくれました。まず、わずか5分の番組を105分の長編映画にすることについて、「ちゃんとしたお話とでたらめな映像。そのバランスを取るのが難しかった」とその苦労を吐露。

他にも、70年代のフィルムの完全再現をするため、フィルム交換時に右上に一瞬映っていた、小さな黒い点を忠実に再現したり、昭和100年という70年代に想像されていた未来の世界観を構築するため、「全ての背景をゼロから作らなければならなかった」ことなどを振り返ったのですが、この作業がかなり大変だったとのこと。

劇中で破壊される太陽の塔の「大屋根」は、壊した時の見た目が一番良かったという理由で、なんと「パスタ」を使用。未来のカーチェイスシーンは、工場のカラーコーンを使って撮影したそうです。

また、藤井監督は脚本・演出に留まらず、キャラクターデザインや背景制作まで手掛けており、その緻密なこだわりと遊び心が、唯一無二の世界観を生み出していることを感じさせました。

「失敗してもいい」タローマンにこめられた思い

舞台挨拶では、タローマンという存在の本質に迫る場面も。監督によると「岡本太郎さんの作品をキャラクターにする時に、普通に作ってしまうと、どうしたって太陽の塔がタローマンになってしまう。そんな中、いろいろ見ていたら『若い太陽の塔』というのを見つけて、それをタローマンの顔にすることで、タローマンというキャラクターと、岡本太郎作品の両方が際立つと思った」と、犬山にある「若い太陽の塔」をタローマンの顔にした理由を明かす。

撮影現場では監督の想定を超え、どんどんコントロールの効かない存在になっていったというタローマン。「タローマンは失敗しないのですか?」という観客の質問には、「よく失敗します。『失敗してもいいよ!』というつもりでやっているのがタローマンなんです(笑)」と答えました。

そしてイベントのクライマックスでは、会場全員で「爆発だッ!タローマン」を踊る一幕も。大人も子供も一体となり、まさに“芸術が爆発”した瞬間でした。

大人気!限定「タローマンアイス」がこの日は即完

タローマンアイス気になります

スクリーン外でもお祭りは続きます。センチュリーシネマでは、映画の公開にあわせ限定コラボ「タローマンアイス」を販売。映画の決め台詞「なんだこれは!」をコンセプトに、レトロな「パインアメ」と、タローマンのツノから出る謎の液体をイメージした「太郎汁」ソースで仕上げた逸品です。考案者は同館スタッフの塚本さんで、当日はあまりの人気に即完売。好評を受け、明日以降も数量限定で販売される予定なので、気になる方は映画と一緒に。

 

“TAROMAN”の「でたらめ」が日本から世界へ

国内での熱狂は、早くも世界へと伝播しているようで、先に行われた東京の舞台挨拶では、世界三大ファンタスティック映画祭の一つ「シッチェス・カタロニア国際映画祭」のパノラマ部門での上映決定が発表。映画祭委員長からは「現代日本映画における最も画期的なメッセージの一つであり、他にはないスクリーン体験である!」と最大限の賛辞が贈られています。

さらに、フランス最大級の「ストラスブール・ヨーロピアン・ファンタスティック映画祭」でもミッドナイト・セレクション部門での上映が決定。日本のポップカルチャーが生んだ“でたらめ”なヒーローが、世界を舞台にどんな爆発を巻き起こすか楽しみです。

君の感想でタローマンを復活させろ!

舞台挨拶では、藤井監督からファンへメッセージが送られた。撮影で酷使されたタローマンのスーツは、もはや限界に近いという。しかし、監督はこう続けた。「この映画が人気になれば、タローマンが復活できるかもしれない。皆さんに応援していただけたら嬉しいです」。

その言葉を現実にするべく、SNSでは感想投稿キャンペーンが開催中。ハッシュタグ「#映画タローマンべらぼう感想大投稿」を付けて投稿すると、抽選でタローマンのツノや、タローマンの皮が当たるという。“べらぼうな感想”が、タローマンを再び立ち上がらせる力に。

映画『大長編タローマン 万博大爆発』は大ヒット爆発公開中。この“べらぼう”なエネルギーを体感して、でたらめに楽しんでごらん?爆発だ〜爆発だ〜♪

監督にサインをおねだりするタローマン

芸術は爆発だあー

会場には、実際にエキストラとして撮影に参加したというファンも!ふたりの持っているバッグは、その時にもらったグッズだそうです。

記念撮影スポットになりそうな劇場装飾は、タローマンアイスを考案した塚本さんによる力作。ちなみに生タローマンを見た感想を聞くと「感動しました!」と目をキラキラさせていました。

取材・文 にしおあおい(シネマピープルプレス編集部

藤井 亮監督プロフィール
1979年生まれ。愛知県出身。武蔵野美術大学・視覚伝達デザイン科卒。
細部まで作り込まれた”でたらめでくだらない映像”で数々の話題作、受賞作を生み出してきた。今作でも、監督・脚本だけでなく、アニメーションやキャラクターデザイン、背景制作など多くのパートを担い、独自の世界を構築している。

作品紹介

映画『大長編 タローマン 万博大爆発』
監督・脚本:藤井 亮
企画・プロデュース:竹迫 雄也
プロデューサー:加藤 満喜 桝本 孝浩 倉森 京子 柳本 喜久晴 佐野 晴香
撮影:藤本 雅也 照明:東岡 允 美術:伊藤 祐太 録音:辻元 良 衣裳・ヘアメイク:浅井 可菜
編集:奥本 宏幸 VFX:安田 勇真 妻谷 颯真
ポスプロコーディネーター:のびしろラボ
音楽:林 彰人
制作担当:富田 綾子
宣伝プロデューサー:山澤 立樹製作:『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会
制作プロダクション:NHKエデュケーショナル 豪勢スタジオ
配給:アスミック・エース
公式:https://taroman-movie.asmik-ace.co.jp/

トップページに戻る

おいしい映画祭

アーカイブ